雨に打たれて倒れる中、暖かいものに包まれる感覚があった。
私はそれに安心してすやすやと眠りについた。
目が覚めるとそこはかっちゃんの部屋で、上半身をムクリと起こすと頭に激痛が走った。
「っ…つ、」
頭を抱えていると、
「ひわっ!」
とかっちゃんの声が聞こえてそのままギュッと抱きしめられる。
「…かっ、ちゃん?」
「お前、何体張ってんだ!そのまま倒れてんなら元も子もねぇだろうが!」
「ごめんなさい」
「このまま俺が気づかなかったらどうするつもりだ!」
「…ごめんなさい」
「心配しただろうが!」
「…ごめんなさい」
「よかった…」
「…!」
ギュッと抱きしめる力が強くなる。
「ごめん、ごめんな、俺が悪かった。ごめん、だから、」
だからともう一度呟いて、
「…行くなよ」
と言われる。
私はそれで涙がピークに達して、声を上げて泣いてしまった。
「…ひぐっ、ひっ、…ご、…ごめんなさいっ!」
背中をポンポンとされてまた安心感に包まれる。
横にならせてもらうと、
「おい、」
と言われる。
「なあに?」
と応えると、
「お前、あいつが好きなんか」
私はそれでもすぐにピンと来た。
「もしかして、しょーとのやつ?」
こくりと頷くかっちゃん。
私は事情を説明して恐る恐るかっちゃんを見た。
「…は?」
じゃあ全部俺の勘違いじゃねぇかと呟いて髪の毛をクシャッとする。
「悪かった、ほんとに、」
「全然、いいよ、もう。」
そう言って笑うと
「それじゃあもう本気で行かないと取られちまうってわけか」
そう言って私の頬っぺにチュッとキスをした。
「…///!?」
かっちゃんは意地悪そうにニヤッと笑い、私の首元まできちんと布団をかけてくれる。
「おやすみ」
と耳元で言われ、頭をヨシヨシしてからベッドの横に座り私の手を握る。
こんなんじゃ、寝れないよ、いいんですか?期待させちゃって。
かっちゃんが私のことを好きって、両思いって思ってもいいんですか?
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