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朝の5:00には家を出て昔住んでたマンションの屋上に行った。 どこに行きたいか聞かれ 「月がいい。」 と答えた
うっすら月が登った空に手を伸ばしながらそういうと君は「じゃあ、空に行こう」と言った。手を引っ張られ私たちは空を飛んだ。
やがて強い衝撃に身を包まれ、気づいたら草原にいた。そこは一面緑でそれ以外は何も無い。オゾン層を突き抜けていきそうな風車が1つと地平線の奥には積乱雲が見えた。
「ほら、一緒に寝転がろうよ」
君はいつになく笑顔だった。青空が広がるこの大地で寝転がるとまるで空にいるような感覚に陥った。君と2人だけのこの空間はどんな時間より大切に感じた。
「月がいいって言ったじゃん」
「そのうち行けるよ」
ここが私たちの求めていた優しい世界なのかもしれないね。 みんなが平和でいられるところなんてないんだよ。一人一人にあった世界っていうのが存在するんだ。私たちは見つけたよ。自分にとっての世界、私たちに優しい世界を。