そのまた翌週のリハビリ───…
いつも通りに太齋さんの家に向かって、インターホンを慣らすと
すぐにラフな格好の太齋さんが出てきて部屋に入る。
いつものように僕の手を掴んでベッドに座らされる。
すると太齋さんは口を開いた。
「今日はさ、ちょっといつもと違うことしようか」
「違う……こと……?」
そう聞くと太齋さんは頷いて続けた。
「そ、今日はさ、オイルセックスの疑似体験でもしてみない?」
「……オイル、せっくす?」
ローションなら分かるけど、オイルとは何が違うのか
そめそも疑似体験って……?
そんな聞き慣れない言葉に僕は首を傾げると太齋さんは「知らない?」
と言って説明してくれた。
「オイルで滑りを良くした状態でするえっちのこと」
「…そ、それって……」
「大丈夫、練習って言ったじゃん?お互いに気持ちいいことしたいし、ひろくんに慣れてほしいだけだよ」
「練習…リハビリ、ですもんね」
そう考えていると太齋さんが僕に顔を寄せてくる。
「ねぇ、してみない?」
そう囁かれて思わず目を逸らす。
「で、でもその、準備とか……」
僕がそう言うと、太齋さんは微笑んで言った。
「どれだけ汚れても大丈夫、お風呂でするから」
「お風呂で…?」
「うん」
太齋さんはそう答えて僕の手を取った。
「とりあえず物は試しだよ」とそのまま浴室に連れていかれる。
服を脱いで、体を洗い既に沸かしてあるバスタブに二人で入れば
自然と僕が太齋さんに後ろから抱きしめられている状態になっていて。
「ひろくんって肌白いよね」なんて言いながら太齋さんの手が僕の腕を触る。
「く、くすぐったいですよ太齋さん…っ!」
「ひろくんが可愛いから、つい」
なんて言われてしまいムッとして口をつぐむ。
少しお風呂に浸かった後に
お互いに腰にバスタオルを巻いた状態で
浴槽隣の床に出て
太齋さんが壁紙にかけていたひんやらとした透明な椅子を置いてくれたので
お互いに向かい合うようにして座る。
パステルなピンク色のポップなラベルが貼られたボトルを片手に
「これ、ひろくん喜ぶと思うよ」
太齋さんはそう言うと
そのまま容器の蓋をあけて自身の手にオイルを垂らした。
瞬間、甘いココアのような濃厚な香りが漂った。
「す、すごく甘い香り…」
「ふっ、驚いたでしょ?チョコレートオイル」
「えっ、こういうのにチョコレートのオイルなんてあるんですか…?!」
「そそ、ひろくんが気に入ると思って買っといたんだよね~」
「いつの間に…」
「それにこれ、舐めてもだいじょーぶなやつ」
「ほら、ひろくん手貸して」
そう言われて素直に手を出せば、太齋さんはそのオイルを僕の手に馴染ませるように擦りながら言う。
「これ、マッサージ効果もあるからリラックスできると思うよ」
そう言って太齋さんは僕の手を優しく包み込みながらも、慣れた手つきで指を滑らす。
同時にチョコレートの芳醇な香りが鼻をくすぐった。
そのまま手全体を馴染ませるようにしながら
鎖骨辺りから胸の下まで満遍なくオイルを塗られる。
「ひろくんってほんと肌白いよね……ここもピンクで可愛い」
そう言って太齋さんの手は僕の胸の先端に触れた。
「ん……っ」と思わず声が出てしまうと
そのまま揉むように動かされて、僕の反応を楽しむかの如く
タバコでも掴むような手つきで乳頭を摘まれ
「……っ」
それを上下に弾かれる。
声が漏れ出ないように我慢するも
「声、我慢しないで」
敏感なところを触られて、低い声でそう囁かれて
つい体がビクッと反応してしまう。
「出しちゃった方が楽だよ」
そう言ってくる太齋さんから目線を逸らして
「や……はずかし、から」
なんて口にすると手を止めて
今度は乳輪をクルクルと指先でなぞり始められる。
それにも反応してしまう僕を見てか
太齋さんはクスッと笑って言った。
「セックスするより恥ずかしいこと、これからするのに?」
その言葉にドキリとしてしまう。
「そ、それって……っ」
すると太齋さんは僕の耳元で囁くように言った。
「ひろくんのイイとこ、全部探ってあげる」
続けるように「まずはここかな」と言われ
「や、ちが……」
否定しようとするも、太齋さんの手が耳に伸びてきてそのまま耳朶を弄られる。
オイルがぬるぬると馴染むせいか
ゾクッとした感覚に襲われてしまう。
「ひ、ぁ……っ」
思わず変な声が出てしまい慌てて口を塞ぐと
「じゃ、次はここかな」
なんて言いながら腰に巻いていたバスタオルを捲られて
太腿にオイルを垂らされる。
「太齋さ、」と名前を呼ぼうとするも
太齋さんの手が内腿に伸びてきて
そのまま足の付け根まで手を滑らされた。
「や……っ、やだ、そこ」
くすぐったくて、思わず声が出てしまう。
「じゃ、ここは?」
と、太齋さんはその手を僕の陰茎へと伸ばす。
「……や、やめ…っ!…ぁ…っ♡」
そのまま陰茎全体にオイルが塗られていって、思わず腰が動いてしまう。
太齋さんの手はさっきより熱を帯びていて
それが僕の身体に塗り込まれる感覚はとても刺激が激しくて、
すると今度はその先端部分に触れてきて
「んっ……」
つい声が漏れてしまう。
「ここがイイの?」
と、太齋さんが先端部分を掌全体で包み込むようにして触れて
片方の手でおしりを触られて
ぬるぬるとした感覚にまた腰がビクビクと震えてしまう。
そのままゆっくりと上下に擦られて堪らずに声が出る。
「や……ぁっ、だめ、こんな、の」
必死に声を抑えようとしても止められなくて。
太齋さんの手を止めようとするも力が入らなくて。
「だめ、なのに……っ」
そう口にすると太齋さんは僕の唇にキスをしてきて、舌を絡ませてくる。
口の中でチョコレートの香りが広がって余計に頭がクラクラしてしまう。
そのまま太齋さんの手が陰茎を扱いて
おしりにオイルが塗り込まれる感覚は今まで感じたことのない刺激で
「……っ、ん……ぁ♡」
もう何も考えられないくらいに気持ち良くて、ただ快楽に身を任せるしかなかった。
太齋さんの顔を見て
「そんな顔で言われても、欲しがってるふうにしか見えないよ」
「……ッ」
図星を突かれて何も言えずにいると
太齋さんは続けた。
「いいよ、もっと感じてよ」
そう言って今度は亀頭部分に触れながら根元から陰茎を扱き始めて、その刺激にまた腰が動いてしまう。
「あ……っ♡や……ぁ♡やめ、だめ、出ちゃうから、あっ♡♡」
太齋さんはそんな僕を見て言う。
「ほら、このまま出して」
なんて言われてしまって、思わず腰が反ってしまう。
そんな僕を追い詰めるように手の速度を速めていって
「ひっ……♡あッ♡♡や、やだ、イっちゃ……ッッ!!」
もう我慢なんて出来なくてそのまま太齋さんのお腹に射精してしまう。
「はぁ……っ、はぁ……♡ごめ、っなさ…」
太齋さんを見上げながら掛けてしまったことを謝ると
太齋さんは機嫌良さそうに、掛かった僕の愛液を手に取って舐めてみせる。
「ん、美味しい」
と目を細めて言うものだから羞恥心でいっぱいになってしまう。
「ほら、股閉じないの」
言って太齋さんは僕の足を広げさせる。
「……っ」
「じゃ、今度はひろくんが俺に塗ってくれる?」
「え……」
太齋さんにそう促されて、僕は恐る恐る太齋さんの体にオイルを垂らす。
「そうそう、上手……っ」
と、太齋さんは小さく吐息を漏らす。
その反応を見て思わずドキドキしてしまう。
そのまま太齋さんの腕に触れて、ゆっくりと手を這わせていくと
太齋さんは微笑んで言った。
「ひろくんの手、あったかいね」
「……っ、太齋さんこそ、体…あつい」
そう言って太齋さんの胸元に手を滑らせて、そのまま胸の先端に触れていく。
「んっ……」
太齋さんの口から小さく声が漏れて、僕は嬉しくなる。
そのまま乳輪を指でなぞってから突起の部分を爪先で軽く引っ掻いてみると
「……っ、」
太齋さんの体がビクッと反応して余裕な顔が崩れる。
「そーいう仕返しも可愛いけど、俺はこっちのが好きかな」
「…ひっ、!ん…っ♡♡」
そう言って太齋さんは僕の体を抱き寄せて、僕の亀頭部分を口に含んだ。
「ひぁ……っ♡や、やら……♡♡」
鋭い眼に、見つめられたまま
そのまま腰を動かされてしまい
太齋さんの口が動く度に水音が響き始める。
それすら興奮材料になってしまっていた。
口を離したかと思えば
「ひろ…また興奮しちゃった?…かわいーね」
耳元で囁かれて体が反応してしまう。
「……ッ♡」
急な名前呼びにゾクッとした感覚が襲ってくる。
太齋さんはそんな僕の反応を見てか、胸の突起に触れてきた。
「ひろは本当にすぐ感じるね」
なんて言われて先端部分を指でまた弾かれたり摘まれて
僕は堪らずに声を漏らす。
「や……っ♡だめ……♡ちくび、やだぁ♡♡」
首を振って拒絶するも、太齋さんは手を止めることなく僕を愛撫し続けてきて。
「そんなこといって気持ちいいくせに」
怒ったときにしか聞かない太齋さんの低い声は
あまりにも甘く
あるはずのない子宮が疼いたと言っても過言ではないほどに、とても興奮してしまって
「っ、や……ッ♡ちが、」
「違わないでしょ、こんなに乳首ビンビンにしてさ」
そう言って今度は僕の乳首を口に含みながら舌で転がされる。
その感覚にまた腰が動いてしまう。
そのまま太齋さんは僕の陰茎に触れてきて、ゆっくりと上下に動かしていく。
「ん……っ♡」
思わず声が出てしまい慌てて口を塞ぐも
太齋さんの手の動きは止まることなく動き続けていて。
「……ッ♡♡や、やら、おかしくなっちゃ……ぅ♡♡」
そのまま先端部分を重点的に責められて、さらに音を立てて吸われる。
「あッ♡だめ、さっ、き、イったばっか……のにぃ、またイッちゃうからぁ♡♡やだぁ♡♡」
口にするも太齋さんは止めることなく続けてきて、僕は呆気なく2度も達してしまった。
「……っは、はぁ……♡」
そんな僕を見ながら太齋さんは言った。
「はー……ほんとえろすぎ…早く挿れたすぎるんだけど」
「や、やっぱり、我慢させてますよね…僕、恋人なのに…」
「いーのいーの…えっちなひろくん見れるだけで抜けるから」
「太齋さん…っ」
「でもいつか、できると思ったら教えて。」
それに僕は首を縦に降って頷いた。
そうしてまた蕩けるようなキスが降ってきた──
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!