テラーノベル
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星降りの夜
帳の向こうから使者がやって来る
冷たい窓辺にそっと手をついて
枕元で優しく囁くの
この悪い夢から 私を連れ出して
そう願ったら急に身体が軽くなって
泡沫みたいに
何もかも 消えてしまった
生まれ変わったら お姫様がいいな
どんな魔法でも使える無敵のお姫様
まっしろなドレスを着て
大きな宝石のティアラも
ラメ入りのリップも塗って
王子様と一緒にお城で暮らすの
でもきっと悪い人がやってきて
私を檻に入れて閉じ込めちゃうの
力を失った私は
月明かりの射し込む窓に向かって
祈ることしかできなくて
ただただ 泣きながら
王子様 私を助けに来て って――――
でもね 分かってるんだ
事実は小説よりも奇なり なんて
これっぽっちも有り得ないことくらい
分かってるんだから
現実は波乱に満ちていない
真実は想像を絶さない
きっと大人になっても 何も変わらない
事実は物語よりもくだらない
きっと運命のキスをする王子様も
意地悪をする悪役令嬢も存在しない
綺麗な七色のユニコーンも
邪悪なドラゴンも実在しない
それなら 私は
全部 あきらめて
ただ ただ
目を 閉じる
奇跡が起きる
その時まで
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睡蓮
606
#異能力バトル
名無の男2
382
水瀬葵
312
コメント
1件
詩的な表現がすごく綺麗で、心にじんわり沁みました…。 「泡沫みたいに何もかも消えてしまった」っていう一節が特に印象的で、諦めと願望が混ざり合った切なさが伝わってきました。 現実の波乱のなさと、おとぎ話への憧れの対比が丁寧で、読んでいて自分の子ども時代を思い出しました。 最後の「奇跡が起きるその時まで」って、まだ希望を捨てきれてない感じがして、そこがまた胸にくるんですよね。 素敵な作品をありがとうございます🌙