※ちょっとビビるくらいキャラ崩壊
※意味不なほど口調意味不()
※独が結構マジ空気。ぴえん
雰囲気で読め!!!!
部屋は鮮やかな光に照らされ、
食欲をそそるローストビーフの匂いが充満している
「ワン!」
その匂いに連れられた
愛犬、ポチ君が足元にやって来て
目を輝かせながら覗き込んできた
「おや、お腹が空いてしまいましたか
ですが、まだ食べられませんよ。待てです」
ピロリン♪
そうポチ君に伝え体を撫でていると、
スマホの通知音が鳴った。
「すみません少し待っていてくださいね」
人間の言葉を理解しているのか、
ポチ君はまるで「了解だ!」とで言うような顔をし
その場にお座りした
その姿はとても愛らしく
思わず写真にとらえたくなったが
仕事の知らせだった場合、困る可能性を考慮して
グッ!と堪える。
「!!」
スマホを見ると表示されていたのは
「俺様日記」と「クリスマス」の二つの文字だった
なんとなく二つの文字から
ある友人のブログなのだろう、と言うことは
直ぐにわかったし、
今日は12月24日。クリスマスイブだ
その文字にはなんの違和感もない。
しかし、ポチ君を撫でるのを中断してまで
見たのに確認しないのは癪だと思い、
内容を確認することにした
「…懐かしいですね」
しょうもない理由で開いた彼のブログには、
綺麗に彩られた立派なモミの木のクリスマスツリーと
美味しそうな料理や、幸せそうな顔をした
二人の兄弟が写った写真が載せられていた。
「我が家にも、こんなにクリスマスが浸透するとは…」
数百年ほど前だっただろうか、
私の家にもキリスト教が伝わり
クリスマスという行事をするようになったのは。
昔プロイセン君が
私の家でクリスマスを祝おうとした時は
私が「モミの木」をわからず結局彼が自分で探すハメになったのだ
あの時は悪いことをしました…
あの時から100…200?年程経ちましたが
今では街がイルミネーションによって彩られ、
ツリーを見かけますね…
今頃子供達は朝、枕元に置いてあるであろう
プレゼントに想いを馳せていることでしょう
…それ見しても見事なツリーですね
欧州が発祥だからというのもあるでしょうが、
真面目な彼ららしいです
ですが、オクトーバーフェスなどもありましたし
彼らも存外騒ぐのが好きなのかもしれませんね
一応見たのだからコメントしようと思い、
感想を書いておくと直ぐに返信が返ってきた
ピーンポーン
おや、このような日に来客など珍しいですね
お隣さんでしょうか?
「よお!爺さん」
「グーテンアーベント、菊。
突然の訪問になってしまい申し訳ない…
兄貴が知らせるなと言って聞かなかったんだ…」
知らせるなとは…
ギルベルト君らしいですね
「ワン! ワン!!」
見慣れない人間の訪問に驚いたのか、
ポチ君が私の後ろで吠える。
それにしても、結局撫でるのを忘れてしまっていて、
申し訳ないですね…
「お二人共!こんな時間によく来られましたね…!
あ、寒いでしょう?入られますか?」
「邪魔するぜー!!」
「い、良いのか?では失礼する」
それにしてもドイツから
わざわざ日本に来られたのですね
遠く寒かったでしょうに、
凄いですね…、
「そうだ、お二人とも
もう少しで肉が焼けるので食べていきませんか?」
「良いのか!」
「Danke!!」
ふふ、二人とも少年のように目を輝かせて…
ってまぁ、二人とも少年でしたね
ルートさんなんてまだ200歳もいってなかったですもんね
「あ、すみません」
「準備をしてきてしまうので
お二人は手を洗ってきていただけますか?」
「おう!」
「ja」
そう言うとギルベルト君は
廊下を走っていってしまいました。
そしてルートさんに注意される…
ふふ、本当に仲睦まじい兄弟ですね。
では今のうちに私も準備を進めましょうか
「ワン!」
「ふふ、ポチ君すみません」
「ほら、ご飯ですよ」
そう言いポチ君の目の前にご飯を置くが
一向に食べる気配がない。
その代わり、ポチ君はこちらをじっと見つめ尻尾を振っている。
「!!あぁ!」
「すみません、まだ約束を守れていませんでしたね」
そう言い綺麗にブラッシングされた体を撫でると、
ポチ君は嬉しそうに尻尾を振り、幸せそうな顔になった。
ふふ、本当に可愛らしいですね。
そして一通り撫で終わるとポチ君は満足そうな顔をし、
食事をし始めた。
…一応私も手を洗っておきますか
そうこうしていると、手を洗いにいったルートさんと
走り去っていったギルベルト君が帰ってきた。
「わざわざありがとうございました」
「ほら、ではここに座っていてください」
帰ってきた二人を椅子に座らせると
台所に向かい料理を皿に盛り付ける。
準備していたローストビーフは
外は茶色、内は綺麗な赤い色をしていた。
それらを食卓に運ぶと
お腹が空いていたであろう
少年のような大柄な男性二人は目を輝かせ腹を鳴らしていた。
「おぉぉぉぉぉぉ!!美味そうだな!」
「凄いな!とても綺麗だ…!!」
「ふふ、では食べましょうか」
そう言うと二人は待っていました!と言わんばかり
の顔になり、
『グーテンアペティート!!』
きっとドイツ語、でしょう
ぐーてん、あぺてぃーと?と言うや否や、
二人はバクバクと食べ始めた。
「菊!これ凄い美味しいな!!」
「き、本田。これは、どのように作ったのだ?」
二人は顔を綻ばせ、感想や質問を
投げかけてくる。
その様子はとても可愛らしく、
微笑ましい気持ちにさせられた。
「ふふ、美味しいでしょう
そしてルートさん、菊でいいですよ。
作り方は…また今度家に来てください。教えますので」
そう言うとルートさんは普段のような
眉間に皺を寄せた顔ではなく、まるで幼い子供のような顔になった。
やはり、子どもが子供らしくしている時は
可愛いものですね…
「そうだギルベルト君、貴方に見せたいものがあるんです」
「食事が終わったらルートさんと…お時間いただいてもよろしいですか?」
「勿論いいぜ!なんなんだ?」
「ふふふ、それはお楽しみですよ」
そう言い、ようやく自分で作ったローストビーフを食べてみると
とろけるように柔らかく、牛肉の旨みが濃縮された、
とても美味しいものになっていた。
気づけば用意した料理はあっという間になくなっており、
2人ともお腹いっぱいになったのか
幸せそうな顔になりとても満足そうだった。
…これは、先程見たポチ君の顔と、、
いえ…
「そういや菊、
俺に見せたかったモンってなんだ?」
「そういえば、そうだったな…」
「あぁ、そうでしたね
ではお皿はそこ置いておいて、
こちらに来てください」
お腹がいっぱいになりすっかり忘れていたが
「あれ」をみせるといったのだった
自分から言っていたのに…不覚です
「…ギルベルト君、貴方が此処で
クリスマスを過ごそうとした時を覚えていますか?」
「ん…?
……あーーーー」
彼自身も覚えていたようで、
しかし大変だったと言う記憶が強いのか、
いい顔はせず曖昧な返事をした
「あれから、時は流れ
我が家でもクリスマスが浸透し…
貴方たちほどではないですが
今では私もかなりこの行事を楽しんでいるんですよ」
まぁ、我が家ではプレゼントと
恋人たちの…、商業戦略に利用される
イベントとかしている部分もないとは言い切れないのですが…
「へー!あんな…
クリスマスツリーすら分からなかったのになぁ…」
ふふ、本当…
あの時は…
盆栽を出してしまい…
「それでも今は、ほら見てください
こんなものまで飾るようになったんですよ」
そう言った私たちの前には
立派なクリスマスツリーが飾られていた。
「おお…こりゃあ」
「これは、凄いな…綺麗だ」
「流石に貴方達ほど、とまではいきませんが
…綺麗でしょう?」
「…すげぇ、綺麗だと思う」
そう言うギルベルト君は、目を見開いており
本当にすごいと思ってくれているのだと言うことがわかり
とても嬉しい気持ちが、胸から込み上げてきた。
「それにしても、あんなことも分からなかったお前がなぁ…」
「ふふ、」
「にしてもキr」
「……」
?
言いかけていたのに急に止めて…
どうされたのでしょう
「どうかされましたか?」
「いや、あの時盆栽を出してきた菊が…
なんだか感慨深いな…って」
「ふふ、貴方が教えてくれたのですよ」
「ん…?でも日本にクリスマスを伝えたのって
スペイン…ポルトガルだったか?そこの宣教師たちじゃなかったか?」
…確かに、我が国にクリスマスをもたらしたのは
彼らでしたし、
広まったのもどちらかと言うと
国民の皆さんによるものでした。
ですが、
…
「確かに日本に伝えたのは彼らです。
しかし、私『本田菊』にクリスマスを教えてくださったのは」
「ギルベルト君、間違いなく貴方ですよ」
「!!」
そう、彼が認めなくても、驚いたとしても、
間違いなく、私がこの行事を知ったのは
貴方がクリスマスツリーを巡って
この国を走り回ったあの日、なのだ。
それに彼は私に、我が国に様々な技術を
文化を、知識を教えて、もたらしてくれた。
一つ教えたものが増えたとてそう問題はない。
「ギルベルト君、私にこんなにも
楽しい思い出をつくらせてくださったこと、
感謝します」
「…ケセセ」
そう独特な笑い声を発する彼は
恥ずかしがっているような、喜んでいるような
不思議な顔だった。
「おう!俺様に感謝しやがれ!!」
あじさい
──────────
懐かしい思い出
「そうだ、ギルベルト君」
「ん?」
「これ、見てください」
そう言い、立派なクリスマスツリーの横から
私が出したものは…
「クリスマス風の盆栽です」
「な…」
「あ、相変わらず魔改造しやがる…!!」
コメント
5件
皆かわよ…😇 終わり方がめちゃくちゃ好きですw🥹 ななしさんの書く小説俺とても好きです!!✨️毎回面白い…😚
クリスマス盆栽‥!?すんごい日本らしいですな…ななしさんのお陰で菊さんと芋兄弟の組み合わせにハマりそう
ちなみにクリスマス盆栽はマジであります