父さんと母さんが、俺にずっと隠してきたこと。
この35年間、ずっとずっとついていた嘘。
「どういうこと…?嘘って、何が…?」
「裕孝…ごめんなさい。私達、あなたに謝らないといけないことがあるのよ…」
瑠斗の手を借りて立ち上がった母さんが、真っ直ぐに俺を見つめる。
「…くだらない、勝手にしろ!」
父さんは舌打ちをして、再度玄関の扉を開き自ら家を出て行った。結局最後まで息子はおろか、自分の妻とも向き合うことはなかった。
母さんもそれに関しては何も言わない。ただ静かに「あちらで」と、俺を居間に行くよう促しただけだ。
「…………」
正方形のテーブルを囲む形で、俺と瑠斗、そして母さんが座る。
午後九時──。沈黙を破ったのは母さんだった。
「裕孝。あなたはね、私が産んだ子じゃないの****************
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