「君に伝えたいこと」
灰谷竜胆×夢
⚠︎︎attention⚠︎︎
死ネタ/転生パロ/学生/恋人パロ
以上を含みます。
地雷の方はUターンお願い致します。
10月20日。
私はセットしていた目覚ましを止めて起き上がり、スマホを手にして彼にメッセージを送る。
「おはよう。寝坊しないでね」
今日は大好きな彼とデート
ただのデートでは無い。
今日は彼……竜胆の誕生日。
「竜胆は誕生日何したいの?」
「夢がエスコートしてくれるならなんでも」
そうやって笑顔で答えてくれた。
普段は暴走族のトップ的存在だけど、
決して冷たくなくてしっかりと仲間思いの素敵な人。
ベッドから出て支度をする。
お気に入りの曲をかけて1日がスタート。
ヘアセットをしていると通知が来た。
見てみると相手はやっぱり彼。
「おはよ。お前こそ戸締りしてこいよな笑」
げっ、覚えてたのか……。
実は昨年の彼の誕生日の日に戸締りするのを忘れてて、家に帰ったら凍え死そうなくらい寒くて竜胆の家に泊めてもらったことがあった。
くだらんことだけ覚えてんだな
なんて思いながら今年は直ぐに戸締りした。
時計に目をやると集合の30分前
そろそろ行くか、と家を出ようとした。
「行ってきま~…」
そう、言いかけた時ふと感じた。
「あれ、私アイロンの電源切ったっけ?」
急いで部屋に戻る
「やべ、切ってなかった。」
危ない。危うく火事になるところだった。
昨年のような笑い話では済まないところだった
気付けた私。偉い……(自画自賛)
時計を見れば集合時刻までは後20分。
私の家からは徒歩5分程度で着くので問題は無い。
じゃあ今度こそ行ってきます。
待ち合わせ場所に着き、私はスマホを取りだした。
「着いたよ」
すぐに既読が付き、返信が来る
「あと10分くらいしたら着く」
「待ってるね」
可愛げのない文。
それが私の文。
普通はもっと女の子らしい文にするべきなんだろうけど、私には難しい。
思った事をストレートに伝えたいのが私。
可愛くもない。
女の子らしくもない。
でも、竜胆はそんな私を好きだと言ってくれた。
「変に飾ってないから素直で可愛い」
竜胆はそう言ってくれた。
竜胆に好かれているなら私はそれでいい。
竜胆さえいてくれれば__。
10分程すると私の元へ見慣れた姿が現れた。
背が高くて
誰もが振り返るような美男子
「…どうしたの笑」
「蘭ちゃん」
息を切らして私の元へ走ってきたのは
竜胆ではなく、竜胆の兄である蘭だった。
呼んでないのになぜお前が来るのだと
突っ込みたくなった。
「夢……ッッ」
「竜胆が死んだ__」
竜胆は、私との待ち合わせ場所に来る途中
車に轢かれかけた子猫を庇って亡くなったらしい。
酷いよ。
待ってるって言ったのに…。
年後__。
私は高校生になった。
不思議な事に高校生になるのは2度目。
あれから私は竜胆が亡くなったショックで病気になりこの世を去った。
アニメや漫画の中でしかないような
転生をして、また高校生活を送っていた。
今日は10月20日。
友達と別れを告げた後1人で校門を出る。
結局竜胆とは会えないままだ。
何なら竜胆がどんな名前で、
どんな姿で転生しているのか、
そもそも転生しているのかさえ知らない。
「今年も言えないな」
そんな事を呟いた。
彼が亡くなった日。
私は前世の記憶が蘇ってから毎年10月20日に竜胆との待ち合わせ場所に行く。
そしているはずも無い竜胆に語りかける。
もちろん今年も。
「竜胆。お誕生日おめでとう__。」
「夢__」
ふと、私の名を呼ぶ声が聴こえた。
振り返ってみると、そこに居たのは__。
「おまたせ。」
「遅すぎるよ…笑」
「あと10分って言ったのに、、、」
「ごめんな。。。」
「竜胆、、、お誕生日おめでとう。」
「ありがとう。」
ようやく伝えれた。
君へ伝えたかったこの言葉。
来年も再来年も、何十年先の未来でも
何回でも君に伝えよう。
Thank you for reading
コメント
2件
HappyEND...?めっちゃ面白かったです!!感動😭😭😭