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翌日 有馬芳佳 (アリマ ホノカ) side
よし。スクールバッグを背負い、弁当を持ち母と会話をかわす。
母 「行ってらっしゃい、車には気をつけてね。」
芳佳 「ああ、行ってきます。」
玄関のドアをゆっくり閉め、スマホを取り出す。昨日のメッセージ内容を思い出す。
映画…。
突然誘った芳佳だったが、特に何をみるかもその後のデートプランもなかった。
考えないとなぁ…。
慈とは去年からのクラスメイトで約1ヶ月前、慈から
「一目惚れでした。付き合ってください。」
と言われ、付き合った。
もともと、グループ等が同じになることが多かったため接点はあった。彼女はよく笑い、それでいて博識であった。
そんな慈に密かに芳佳は惹かれていたのかもしれない。
今では曖昧だった想いも “好き” に変わっていた。
「おーい!芳佳〜」
後ろから聞こえてくる声にゆっくり顔を向ける。
幼なじみの “ 慧 ” であった。
彼女、” 赤垣 慧 “(アカガキ アキラ)は芳佳の保育園からの幼なじみで今でもたまに一緒に学校へ行く仲である。
慧 「おはよう!芳佳」
芳佳 「おはよう。朝から元気だな、慧。」
慧 「芳佳が元気無さすぎなだけだって!」
芳佳 「そうか。」
慧 「そういうとこだよ」
キッと慧の大きな青い瞳が小さくなり、睨まれる。
芳佳 「ごめんごめん笑」
慧 「謝ったら許されると思って!!」
ぷりぷり怒っている慧をみると、幼なじみでも時に ” 可愛いなぁ “ と思うことがある。
ふと思った。慧はモテないのだろうか?幼なじみでも可愛いと思うのだから、彼氏がいても不思議ではないだろう。
芳佳 「慧、彼氏はいないのか?」
慧 「え?いないに決まってんじゃん、何いってんの今更」
芳佳 「好きな人とか気になる人も?」
慧 「……。いる…けど芳佳には教えないよ!」
芳佳 「そうか。教えてくれてありがとう。」
やっぱりな。と思いつつ、何故告白しないのだろうと思う。どうせ、慧が告白すれば殆どの男子が 即OK をだすだろう。そんな偉大な人なのだろうか。
芳佳 「告白しないのか?」
慧 「はぁ?????するわけないでしょ!!!なにいってんの!!」
怒らせてしまった…。後悔が襲う。
芳佳 「…ごめん。土足で入り込みすぎた。」
慧 「…。」
その瞬間、時がスローモーションのように感じられた。
慧が背伸びをし、俺の顔に近づく。
そっと唇が触れる。
数秒たつと慧は離れた。
呆然と立ちつくしていると、慧は言った。
慧 「鈍感男。私にこうまでさせるまで分からないなんて鈍感にも程があるわ。でも…そんな所に惹かれた。」
慧 「芳佳の事がずっと好きだった。」
そう言った慧はダッと女友達の所に駆けだした。
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