【 1話 】
※リクエスト作品。まじ感謝…あざす…(泣)
※凪きゅんが潔に依存しまくってしまった結果、監禁してしまう→潔めすおち
※共依存
※玲王きゅんがまじで惨め。利用されるだけ利用されちゃった御曹司最高ですね。。
凪誠志郎は、人生が退屈で退屈でしょうがなかった。唯一退屈じゃない、と考えていたのはゲームだった。いっつもゲームゲームの毎日で、食べることさえも面倒と片付ける男だった。
そんな時、御影玲王に出逢った。学園の人気者である彼に気に入られ、半強制的にサッカー部に入った。サッカー部に入ったがまだまだ退屈だった。というか、練習さえも面倒だった。玲王もサッカーに興味を示してもらおう、と思い頑張って凪をお世話したが、示してはもらえなかった。
そんな時、強化選手に二人とも選ばれた。
めんどくさーい、といいつつも玲王に連れられてきた場所は青い監獄だった。エゴイストエゴイスト…と、よくわからない単語を喋る眼鏡に嫌気が差しながらも、第一選考で他のチーム達をボコボコにした。泣きながら監獄から出ていく他の選手達に”なんで泣くほど悔しいんだろう”とぼんやり思っていた。
そんな時、チームZと戦うことになった。いつも通りにボコボコにすればいいや、と思っていた凪。
…だったが、蜂楽廻の覚醒やチームZの覚醒で、凪もだんだんと感化されていった。だが、一番感化されたのは潔世一だった。
無駄な動きが多かったただのモブ。最初はそんな風に思っていた。”無駄な動きが多いよ”なんてその本人に伝えてみると予想外の言葉が相手から飛び交ったのだ。
その言葉を聞いた時、何故か胸が高鳴った。
よくわからなかった。初対面の男に暴言を吐かれることなんぞ、不愉快極まりない筈なのに。
そこから、凪誠士郎は狂い始めた。
サッカーでの覚醒もそうだ。それに、異常な程に潔に執着することになっていったのだ。
ある日。
「ねぇ玲王、俺さ_____」
潔のことが、好きで好きでたまんないんだ。
玲王にそう言った凪の瞳は、エゴイストらしく濁ったエメラルドの色だった。
“好き”なんて他人に思ったことがなかった凪の急成長に、玲王は吃驚した。吃驚したのも同時に、自分の白い綺麗な手に爪をぶっ刺す。無意識にやっていたのか、ふと気づくと、自分の手には爪の跡と血が滲んでいた。
ふう、と一回深呼吸をする。そしてもう一度凪の顔を見ると、本気の顔だった。サッカーでしか見たことのない顔だったその顔をさせるほどの潔に玲王は嫉妬しながらも、にこっと笑った。いつもみたいに愛想よく笑えてる自信はなかった。
「嗚呼。それがどうしたんだ?…認めたくないが、凪が潔のことが好きなのは百も承知だ」
「あれ。そうなの?ふーん…。まぁ、話が早いから助かるからいいや」
「…?話?」
以下にも興味がなさそうに相槌をすると、それでさと話を変えようとする。
昔の凪は、自分に頼みごとなんてしなかった。玲王が何かをしよう、何かをしてやる、と言って初めて行動するヤツだったからだ。
(やはり、潔世一が、凪を変えているのか。)
認めたくなかった現実に眉を下げた。
いっそのこと、この現象から逃避行したかった。いつものように首を傾げて玲王、と呼んでほしかった。でもそれがいつの間にか潔に変わっていた。…その現実に顔を歪ませる。
「あのさ。俺、この監獄から出たいんだよね」
「勿論、潔とだよ」
その言葉を耳にした時、ぴく、と玲王の動きが止まった。呼吸さえもできなかった程に。”呼吸”を思いだし、酸素を急いで取り入れた。
「…は?な、にいってんだ凪…俺と、俺と世界一になるんだろ…!?」
「俺、諦めよーと思うんだよね。俺よりすごい人はいるし、無理かなって」
「な、んで…なんでだよ…なんで…ッッ」
淡々と話す凪と反対に、玲王は絶望を隠せない表情をした。
半強制的だったかもしれないが、サッカーを誘ってサッカー部に入らせた。なんでもかんでもお世話してあげた。潔世一に振り向くだけなら、まだよかった。まだよかったのだ。
(夢を、諦めたんだ。俺らの、夢を。)
目の前が真っ暗になった。
たからものを崩された、壊された。もうこのたからものは、自分を見てくれないのだと。否、元々自分なんぞ見てくれてなかったのかもしれない。
冷や汗がダラダラと額へ流れた。
____その刹那。
ぎゅ、と抱き締められる感覚がした。
玲王を抱き締めたのは、目の前にいる凪だった。
抱き締められたことのなかった玲王はあっけない声を漏らす。凪は無表情でそれを見届けると小さく口を開いた。
「だから玲王、協力してほしい。俺、玲王もすきだよ。でも、潔もすきなんだ。おねがい、玲王」
おねがいなんてされたことがなかった。
きっと、潔世一に向けている”好き”と、玲王の”好き”は全く違うものなんだろう、とわかっていた。わかっているのに。
おねがいされた。頼られたんだ。俺が。凪が、俺を、俺として見てくれた。それが嬉しくて、嬉しくて。
玲王は頷いてしまったのだ。
「わかった。…何を、すればいい?」
満足そうに凪は、”ありがとう”と言った。
まだ玲王は気づいてなかったのだ。自分が利用されてること。これが全て、凪の計算内であることを。
潔は、魔性の女ならぬ、魔性の男だった。
女の子だけではなく、同姓の男だって虜にしてしまうのだから、そう言われたって仕方がないだろう。
虜にされてしまった人は、潔を自分の物にしたいという欲を物凄く持つようになっていった。サッカーも大事だが、潔も同じくらい大事と思ってしまうほどだ。薬物と紙一重だと言っても良い。
凪誠士郎は、それ故潔にとてもとても依存をしてしまった。他のメンバーに狂ってるよ、と言われてもおかしくなかった。
「な、ぎ……なんでこんなこと、…!?」
窓一つもない、防音が聞いた部屋で潔は懸命に叫んだ。目が覚めたらまるでお姫様のような天蓋ベッドに拘束されていたのだから、そりゃあそうだ。
凪は拘束されている潔に近づいた。いつも以上に眉を下げ、綺麗な藍色の瞳には涙を溜めている。
“かわい”とふわふわの髪を撫でると、ギシッとベッドがきしむ音がした。凪はベッドに座る。
「なんでって…潔が好きだから。それ以外のなんの理由があるの?」
「す、き…?ど、ういうことだよ…俺がすきなら、普通に言ってくれれば…っ」
「言ったとしても、外野のヤツらが邪魔してくるし。それなら、一生潔を独り占めした方が良いでしょ?」
「ひっ…」
怯えてしまったのか、潔は凪から少しでも遠くに行こうと、ゆっくりと動く。だが、凪がそれを許してくれる筈がなかった。潔の真っ青になった頬をスルリ、と触り、意図的に顔を近づけた。
「ねぇ、しよっか。潔」
そう言うと、潔に覆い被さった。
待って、と言おうとしても、凪に唇を塞がれてしまった。身体で反抗しても、押さえ付けられてしまいただただ虚しいだけだった。
ギシッ、ともう一度きしむ音がする。
潔は、反抗して涙を流す他、どうすることもできなかった。
窓一つない部屋。
もう、時間さえもわからなかった。無数の噛み痕、キスマークが潔の身体には刻まれていた。
潔の顔には、うっすらと泣いた形跡がついていた。疲れたのだろうか、もう眠ってしまっていた。でも何故か、寝顔には笑みが溢れていた。
「あー、玲王?聞こえてる?」
潔に聞こえない程度の小声で、凪は玲王に電話をかけていた。ひゅ~…と冷たい風が吹く。
“…なんだ?不憫でも、あったか?”
「ううん。全然そんなことない。寧ろ良かったよ。洗脳の薬と監禁部屋用意してくれてありがとう」
“…そう、か”
「…というか、薬凄いね。効果抜群で、やる時口移しで飲ませたら一瞬だったよ。潔、俺に惚れ込んじゃったみたい」
“……”
「あ、そうだ。首輪とかくれない?俺、潔に付けてあげたいんだよね」
“…わ、かった。用意しとく”
「ありがとう。今度玲王にも会いに行くね。
だいすきだよ、玲王」
“…!お、おう”
「じゃあね。また明日、連絡する」
“…!ま、またなっ”
プチ、と電話を切る。
玲王の声が聞こえなくなったからか、辺りがシーンとしていた。凪は静かに眠っている潔に近づいた。うっすらと残る泣いた痕をペロ、とまるで猫のように舐める。
「ねえ潔」
眠っている潔に声をかける。凪の声だけが部屋に木霊した。眠っている為、当たり前だが返答はない。
「俺をこうしたのは、潔なんだよ。」
「責任、とって。」
ちゅ、とリップ音が響いた。
凪は笑って、潔を抱き締めた。
ありがとうございました!!!!!
こんな感じでいい…ですかね…????
想像していたものとは違うものでしたら言ってくださると嬉しいです!!
今回はテラー内でのまじで長い小説でした…
4000文字…??oh……
観覧ありがとうございました!!!!!
では!!!