テラーノベル
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「おかえりなさいませ。お荷物は以上ですか?」
車を玄関近くに停めたまま、篤久様と私が両手に荷物を持って玄関ドアの前に行くと、車が帰って来たのを第一家事室のモニターで見たであろう渡辺さんが自動ドアのように開けてくれた。
「まだある。全部真奈美さんの部屋の前まで運んでください」
「承知致しました」
荷物はまだまだあるんです……すみません…渡辺さん。
私の手にはケーキの箱と無マーク良品のお菓子。
とりあえずこれはダイニングへ……
雑貨屋さんで篤久様は、カラフルでとても可愛いメラミンカップを手始めに、歯ブラシ、ハンドソープ、ハンドクリーム、タオル類……どれも見た目が可愛いものを私の持つカゴに入れた。
「これは……?」
「真奈美さんの部屋、ユニットバス仕様だろ?ビジネスホテルみたいなままじゃなく、可愛くしている」
可愛くする…ではなく、している。
えっ?と驚く間に、彼は棚の向こうに移動しながら、枕カバー、保湿パジャマ…を自分の持つカゴに入れたみたい。
何だそれ?と思ったので、ポップの説明書きを読むと、着て寝ている間にお肌がしっとりもちもちになると書いてある。
そんなワケないでしょ……えっ…たかっ!
これもレディースだ……
という間に、篤久様を見失ったのでキョロキョロしながら進むと、小さなバッグを、カゴを持つ指に引っかけて持ちながら、別の小さなバッグかポーチをカゴに入れる彼を見つけた。
「篤久様…?」
「もう少し待ってね」
くるりと後ろを向いた篤久様は、ポイポイ……私のカゴに靴下を入れる。
それからハンガーラックにかかっている部屋着…かな?可愛い服だけど……を見たと思ったら、どうやったらそんなことが出来るんだ…という早業で一瞬のうちに私のカゴを溢れさせ山盛りにすると、すでに一杯だった自分のカゴとは別に新しくカゴを取って来て、私が瞬きする間にそのカゴが山盛りになった。
「篤久様っ……ちょっと…」
「うん、レジはどっちかな?」
「この奥です」
もうレジへ行くしかないと、私は先にレジを目指し店員さんにカゴを渡す。
「ご一緒ですか?」
「はい、まとめてお願いします」
後ろから来た篤久様の声に、私はくらくらしたけど、店員さんはすっごい笑顔で近くにいたもう一人の店員さんを呼んでいる。
平日の売り上げがこんなことって、ないんだろうな…
「これ、可愛いな。これもお願いします。タグ、切ってください」
「はい」
お買い上げ商品の山を見ながら、私もたたむのを手伝おうかと思っていたら、そんなやり取りが聞こえて
「今日は付き合ってくれてありがとう」
と、篤久様は私の首にネックレスをつけてくれた。
店員さんがにっこりと、手で鏡を示してくれたので、そちらへ移動すると……ブラウスの襟の間に小さなリボンがモチーフのネックレスが…可愛い……
「気に入った?」
じっと鏡を見ている間にお会計が終わったようで、4つの大きな紙袋を持った彼が私の顔を後ろから覗く。
「はい……とっても。可愛いです…ありがとうございます…ありがとう」
「よかった。ケーキ、行こうか?」
「もう…今、食べられないかも……」
胸がいっぱいだもの。
というわけで、ケーキは買って帰って来たのだ。
コメント
9件
篤久様〜っ✨リボン🎀モチーフのネックレスのプレゼントの意味(◦ˉ ˘ ˉ◦)ニヤニヤ♡ 『絆・約束・あなたとずっと一緒にいたい』 ですよね〜💖真奈美ちゃんに伝わるといいですね〜🤭案外広瀬さんが乙女のようにキラキラしなが教えてあげてたりして〜(*´ ˘ `*)ウフフ♡ 渡辺さんも内心嬉しいだろな〜。篤久様が楽しそうに真奈美ちゃんへの荷物を運んでる姿を見て☺️
ꉂ🤭❤篤久様止まらないね〜❣️あっくんの愛が止まらないッ‼️ꉂ🤭❤
溺愛💖まっしぐら🤭🤭🤭