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儚く美しい君に
僕は恋をした
許してください神様
彼に恋をすることを
ぶかぶかの新しい匂いがする制服
背中を覆うほど大きいリュック
履きなれない靴
親に行ってきますと一言
歩き出す
春の心地よい風
春の風で桜が宙を舞う
それと同時に僕の髪も揺れる
胸を高鳴らせる
友達はいるけどやっぱり緊張するなぁ
友達できるかななんてくだらない事を考えて歩いていた
するとふっと誰かが横を通った
見てみると同じ制服の男子だった
その男子は華奢で顔も女子みたい
でも身長は僕よりも高い
僕よりも広い背中
真っ黒で艶のある髪
長いまつ毛
全てが完璧だった
惹き込まれるように見てしまう
恋?なわけ同性に恋したくないなんてくだらないことを考えていたら学校の門に着いた
その華奢な男子は門をくぐり抜け学校の中へ入っていく
僕も同様門をくぐる
すると友達のきょうすけが話しかけてきた
久しぶり〜とか、彼女できた〜?とかほんと他愛のないくだらない話
学校の中に入るとクラス表の前で男女が騒いでいる
大きめの上靴に履き替えクラス表の所へ友達と向かう
あ、1組か
知ってるやつもそこそこいるし何とかやっていけそうなんて考えているときょうすけが話しかけてきた
お!お前のとこさやさんいるじゃん!いいなーさやさんの情報くれよ?と笑いながら言ってくる
さやさんはいわゆる高嶺の花
告白する人はそうそういない
みんな見ているだけだそれで充分らしい
僕は好きでも可愛いとも思わないからなんとも言えない
あぁわかったわかったと適当にあしらってクラスに向かう
きょうすけとは別れ別々のクラスに向かう
ここか、なんだか緊張するな
教室に入った
騒いでる集団を横目に座席表を見る
そこでやっと気づいた
元カレと一緒でしかも隣だ
僕は同性が恋愛対象
世間的にも認められてないし
気持ち悪いと言われるのも当然だろう
でも好きなんだ
相手には迷惑かけたくないからいつも気持ちは伝えない
そう思ってたある日1人の男子が告ってきた
そいつはその頃僕が好きだった男子だった
心の底から喜んだ
もちろん返事は二つ返事で返した
順風満帆な生活だった
ある日見てしまった
女子と浮気している姿を見てしまった
思い出すだけで嫌悪が止まらない
吐き気がする
後日問い詰めた
帰ってきた言葉は
お前が悪い
これだけだったその後もう無理と言われ別れた
僕は何が起こったのか分からなかった
僕は浮気したわけでも、何か気が触ることをしてもないのにお前が悪いと言われた
数日間引きこもって悪いとこを探し出した
思い出すと僕の行動全部が悪く見えてきた自分のことが心底嫌いになった大嫌いになった
そこから数年話してない
嫌だな何を言われるのか何をされるのかと不安を募らせながら席に着いた
こっちに気づいていないようだ
ほっと胸を撫で下ろす
ねぇ、と肩を叩かれる
はっと手の先を見るとそこには確かに元カレの姿があった
頭が真っ白になる
ドキドキしながら顔を見ると
よ!久しぶり!
え、軽くない?数年喋ってなくてしかも振った相手をだよ?陽キャこわ、、なん思いながら消えそうな声で久しぶりと返す
元気してた?
うん、まぁそれなりに、、
そっか良かったわ笑
あぁうん
そーだ俺の事昔みたいに名前で呼べよ笑
え、ヤダヤダ思い出してしまう全部
振られた時のことが鮮明に蘇る
浮気現場の事も全部全部
あ、えと、、
え?もしかして名前忘れた?笑
あ、そうじゃない、、
んー、じゃあ言ってよ
勇気を出せ昔の自分に勝て
れん、、
おー!言えたじゃん笑
あ、昔の笑顔と同じ
笑うと目が糸になるとことかなんも変わってない
僕はその笑顔が大好きだった
その笑顔を見るためならなんでも出来た
あの日までは
懐かしいな名前で呼ぶのなんて
そんなことを考えていたら隣の席が騒がしくなっていた
ふっと見ると朝見た華奢な男子だった
あの子も同じなんだ、と少し嬉しかった
僕の隣が華奢な男子だから女子に席を占領されていてとてもじゃないが戻れない
だから女子が戻るまではれんと話さなきゃいけない
そんなことを思いながら見ていると華奢な男子がこっちへ向かってくる
何か気に触ることしたかなと焦りながらキョドっていると
僕の前で止まった
顔を合わせられなくて下を向いていると頭を撫でられた
びっくりして上を向くと笑顔で
やっとこっちみた!
え、
全然みてくれないから笑
え、あ、
名前は?
えーと、かなでです、、
かなでね!覚えたよ!
僕の名前はゆうとよろしくね
あ、はいよろしくお願いします
敬語じゃなくてためがいいかな笑
あ、うんわかった
お!ナイスー
思わずえみがこぼれる
いい人だな
ふとクラスを見渡すとれん含め皆が不思議そうな顔をしているなんでだろ
すると急にゆうとが
かなで〜席座ろ〜
わっ、!
急に手を引かれることに困惑しながらも着いてく
かなでと隣でよかった〜笑
僕もだよ
ゆうとは明るくて気さくなんだなと思いながら担任が来るまで話していた