テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
結合双生児の執事右頭:ルシアン
左頭:シエル
外見:眩しい金髪と、吸い込まれそうな新緑の瞳。
ルシアンは肩まである優雅なくせ毛のウェーブロングヘア。
シエルは同じ金髪を少し短めにカットし、遊び心のあるアクティブなスタイリング。
完璧に仕立てられた特注の執事服(ネックラインは2つの首が綺麗に見えるよう広めに設計されている)。
プロフィール
右側:ルシアン
性格:冷静沈着、理性的。伝統的な執事の美徳を体現したような性格。
役割:主にスケジュール管理、事務、主への実務的なサポート。
シエルへの態度:基本は呆れつつも、片割れとしての絆は深い。「うるさい」と言いながらも、シエルの動きを予測して身体のバランスを完璧に保つ。
左側:シエル
性格:天真爛漫、自信家、あざと可愛い。主を喜ばせることに命を懸けている。
役割:お茶会の盛り上げ役、主のメンタルケア、流行のチェック。
ルシアンへの態度:お堅いルシアンをからかうのが大好き。「ルーくん真面目すぎ〜!」と言いつつ、実務的な信頼は100%。
身体の特徴とギミック
双頭、1つの身体、1つの心臓。
右腕の主導権はルシアン、左腕の主導権はシエル。
まるで1人の人間が動いているかのように流麗。
味覚と睡眠の共有:胃は1つであり、シエルが「甘いものが食べたい!」と勝手にマカロンを食べると、甘いものが苦手なルシアンが眉をひそめる。
夜は同時に眠りにつく。
夢の中でさえ2人はおしゃべりをしているらしい。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夕暮れ時の庭園は、燃えるような琥珀色の光に包まれていた。
そよ風が薔薇の香りを運び、木々の影を長く伸ばしていく。
そんな美しい静寂の中で、私は人生で一番の勇気を振り絞り、目の前に立つ「彼ら」を見上げた。
「私……あなた達が好きです!! ずっと前から、お慕いしていました……っ!!」
一世一代の告白。胸の鼓動がうるさいほどに鳴り響く。
その言葉が鼓膜に届いた瞬間、左側のシエルが、いつも眩しいほどに動く表情をピタリと止めた。
「……え?」
そして、右側のルシアンは、いつも完璧な切れ者としての佇まいを崩し、美しい新緑の瞳を大きく見開いた。
「…………」
数秒のひりつくような沈黙。
やがて、先に我に返ったシエルが、ブンブンと頭を振るようにしてルシアンを見る。
少し短めの金髪がアクティブに揺れる。
「ちょっと待って。ルーくん、今の聞いた!?」
「……えぇ、聞こえています。」
ルシアンの声はいつになく硬い。
普段ならどんな無理難題にも優雅に微笑む彼の、白い耳の付け根が、夕暮れの光よりも赤く染まっていくのを私は見逃さなかった。
「好きだって!! 主が……僕たちをだよ!?」
「ですから、聞こえていると言っているでしょう……!」
完全にパニックに陥ったシエルは、主導権を持つ左手で自身の顔を覆った。
「えっ、本当に!?僕たちを?執事としての親愛じゃなくて、その……男として、ってこと!?」
私が意を決して、真っ直ぐに彼らの瞳を見つめて深く頷く。
その瞬間、シエルが「うわぁぁぁぁ!」と声を上げた。
「ルーくんどうしよう!!僕たち、主から好きって言われちゃった!!ほら、心臓の音聞いてよ、もう爆発しそうだよ!!」
「シエル、静かにしなさい。主、それは……」
ルシアンがシエルを嗜めようとするが、彼にしては珍しく、言葉が綺麗に続かない。
いつもなら流れるように紡がれる慇懃な言葉が、喉の奥でつっかえているようだった。
ルシアンはふっと視線を落とし、それから、酷く真剣な、射すような眼差しを私に向けた。
肩まである優雅なウェーブヘアが、彼の重い呼吸に合わせて揺れる。
「……主、貴方はその言葉の意味を、本当に理解しておられますか?」
それは、私を突き放すための言葉ではない。私に後悔をしてほしくないという、彼の不器用な誠実さだった。
「私達は一つの身体、一つの心臓を分け合う身です。片方だけを選んで連れ添うことも、どちらか片方だけを愛することも叶わないのですよ。 ……それでも、構わないのですか?」
ルシアンのどこか切なげな問いかけに、私は一歩、彼らに歩み寄った。
「知っています。ルシアンも、シエルも……私は、二人ともが愛おしいんです。二人で一つな、あなた達の全部が好きなの。」
「「っ……」」
今度は、二人同時に言葉を失った。
一つの胸が、大きく上下する。
やがてルシアンは、降伏を認めるようにふっと目元を和らげ、長く美しい睫毛を伏せた。
256
「そこまでの覚悟がおありとは……参りましたね。我が主は本当に、残酷なほどにお優しい方だ。」
「違うよ、ルーくん。」
シエルがルシアンを横目で見る。その天真爛漫な瞳には、じわりと熱い涙が浮かんでいた。
「主が特別優しいからってだけじゃない。……僕たちのことが、本当に、本当に好きだからだよ。」
シエルはもう一度私に向き直ると、あざといくらいに愛らしい、けれど一人の男としての情熱を孕んだ瞳で私を射抜いた。
その言葉に、ルシアンも小さく、 蕩けるような笑みを漏らす。
「ええ……そのようですね。私の負けです。」
彼らの身体が同時に一歩、こちらへ進み出た。
ルシアンの持つ右腕と、シエルの持つ左腕が、まるであらかじめ決められていたダンスのステップのように流麗に差し出される。
左右同時に、私の両手がそっと包み込まれた。
ルシアンの手は大きくて温かく、シエルの手は少し強く、離さないとばかりに指を絡めてくる。
「私達でよろしければ、この身の全てを貴方に捧げましょう」
「うん! これから毎日、世界一幸せにしてあげるからね!」
私の手を握る力が、ぎゅっと強くなる。
重ねられた彼らの手の温もりに胸が熱くなっていると、不意に耳元で、甘く囁くような声が響いた。
「……主、大好きだよ。」
「私も、心から愛しております。」
それはシエルの弾けるような甘い声と、ルシアンの低く鼓膜を揺らす声。
見上げれば、二人とも、これ以上ないほどに幸福そうな同じ顔で微笑んでいた。
けれど、ルシアンの微笑みはどこまでも静かで深く、シエルの微笑みは沈む夕日さえも霞むほど、眩しく輝いていた。
コメント
1件
わあ、すごく素敵な告白シーンでした…!結合双生児の執事っていう設定がもう胸熱です。同じ身体なのにルシアンの冷静沈着な反応とシエルの可愛いパニックの対比が絶妙で、両方の愛し方の違いにときめきました。「片方だけを選べない」って警告するルシアンの誠実さと、それに「二人ともが愛おしい」と応える主人公の覚悟、お互いを大事に思う気持ちが伝わってきてじんわりしました。これは続きが待ち遠しいです!