陸の話を聞いて、さっきから僕の下半身が激しく反応していることを知られたら、彼女にドン引きされるに違いない。照れ隠しのように陸への攻撃を再開した。
「こ、恋人扱いできないからって、飲尿させたり、公園で露出させたり、小五の弟の筆下ろしの相手をさせたり、そんなことが許されると思ってるのかよ!」
「そこまで知ってて映山紅を彼女にしたのか? 正直おれはおまえはすごいやつだと思う。クズのおれには絶対なれない勇者であり聖者だ! だけどな、それでもおれは映山紅には同情できないんだわ。だって断ればよかったんだから。どうやったらこんな貞操観念のないビッチに育つんだ? 親の顔が見てみたいもんだ――」
ドカッとすごい音がして、陸の巨体が視界から消えた。陸の両脇に立っていた雅人と圭太もキツネにつままれたような顔をしている。
突然立ち込めた砂嵐が消えると、陸が立っていたすぐ後ろに彼女の弟の菊多が立っていた。菊多が陸を後ろから蹴り飛ばしたとすれば、陸はふっ飛ばされて僕らの後方に?
そう思って振り向くと、足を伸ばして座り込む陸の目の前で彼女の父親が仁王立ちしている。陸ほどではないが、父親も弟もそれなりに体は大きい方だ。
「おっさん、何してんだよ?」
「映山紅の親の顔が見たいと言ったから見せてやってるんだ」
陸が忌々しげに立ち上がり、父親に殴りかかった。
「おまえら、ビッチの家族か? こんなことしてタダで済むと思ってるのか?」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!