息をきらしながらも紙をめくった、
___________
『気になっている人』
___________
そう書かれているように見える紙をそっと閉じる。
『…ん?』
見間違いだろうともう一回見るとさっきと同じことをしっかりと書かれていた。
『青春だねぇ…。え?』
『ん?』
困惑している時間がもったいないと気づいた私は行く当てもないまま走り始める。
とりあえず生徒席?
『気になってる人…気になってる人…』
むねきゅんお題が出たことに歓喜するよりもまず相手がいなかったな。
生徒席に着くと立ち止まる。
誰か決まってないんだけど、どうすればいいですか私。
そして見渡すと佐藤君がにこりと私に笑いかけ、そしてひまちゃんが全力で手を振ってくれている。
もうひまちゃん可愛すぎる大好きだよ…
ひまちゃんのついでに剣持も見つけた。
…気になってる人に剣持、?
いや、気になってないもん、
…。
なんで気になってないって思ったらこんなに胸がもやもやするの、
なんかおかしくなったみたい、
…もういいや剣持で!!!
『剣持!!!』
剣「はい?」
私はぐいっと剣持の腕を引っ張った。
剣「わっ!僕?!」
『走って剣持!』
そういうと彼は「はいはい、」と言って走り始める。
さっきまで「わっ!」とか言ってたくせに!
ゴールテープを切るとなんと1位。
悩んでる時間でもう誰かゴールしてると思っていたけれどみんな意外と相手で悩んでいるようだった。
二人で一位と書かれた旗の下にしゃがんでいる。
剣「で?」
『ん?なに?』
剣「お題は何だったんですか?」
『…言わない!』
剣「えー、、連れてきたのに?」
気になっている人なんて言えるわけない!!!
私が意識してるみたいでなんかやだし、
『お墓までぜったいいわないからね、、』
剣「えぇ~…。なんでそんな嫌がるんですか?」
『言わない…!』
剣「馬鹿な人とか?」
『そうかも。』
そういうと剣持は「はぁ~!?」といいながら笑っている。
それを見ると私も笑みがあふれてしまった。
剣「…。気になってる人とか?」
『…っ?!』
少し意地悪な笑みを浮かべた剣持が憎たらしくもかっこいいと感じてしまった。
だけど剣持に素直じゃない私がそんなこと言えるわけもなくて。
『そんなわけないよ!!!』
大きい声で訂正の声を上げた。
コメント
4件
おほぅほぅ 、(( 奇声 🦍