これは青薔薇屋敷に来る前の二人の精霊のお話
ある日の昼下がり風の精霊の兄妹が木陰の下で敷物を敷きお茶を嗜んでいた
シオン「今日もいいお天気ですね兄様」
シアン「そうだね、シオンお茶を楽しむには良い天候だね。」
『シアン·ハルカゼ』シオンの兄で風の大精霊病弱だが仕事を事なくこなす心のそこから妹シオンの幸せを願う青年
シオン「兄様、寒くはないですか?私のひざ掛けで良ければお使いください」
シアン「大丈夫だよシオンありがとうさてそろそろハク達がこちらに来るはずなんだけど…」
ハク「シアンー待たせてごめんね~お菓子作るのに時間かかっちゃってさ~」
レオン「姉ちゃんがオーブンの火力をバカみたいに上げたからだろ…」
ハク「そりゃそうだけどねあはは!」
『ハク·エンラ』レオンの姉で炎の大精霊見た目は幼く見えるが天才科学者よく弟レオンを使って実験したりするが大切な人を守れる立派な精霊になって欲しい為というのが理由である。
シオン「ハクさんいつもお料理やお菓子のお裾分けしていただきありがとうございます」
ハク「いいんだよ〜精霊のよしみなんだからさ〜ね!レオン 」
レオン「本当はシアンさんに手料理食べせたくて毎回実験と表して料理勉強してんじゃん」
ハク「わーーー!!それ言うなって言ったろー💢」
(レオンのほっぺをつねる)
レオン「いってー姉ちゃんやめろよ!」
シオン「仲良しなのはいい事ですね。兄様」
シアン「そうだね。さてレオン君、ハクから聞いたんだけどハクの跡を継いで炎の大精霊になるんだってね」
レオン「はい、姉ちゃんはこの通り研究に集中したいらしくて…💧」
シアン「ふふっハクらしい理由だね。僕もそろそろシオンに僕の力を引き継ごうと思ってね僕の場合病弱なもんだからいつ亡くなっても仕方ない体だからね…」
シオン「兄様…その様な事仰らないでください…」
シアン「シオンすまない…今日までこの事を君に話さなかった事を許してくれ」
シオン「兄様…」
シアン「シオン、君に僕の力を引き継ぐ覚悟はあるかい?」
シアンの問いにシオンは深呼吸をしてからシアンに答えた
シオン「はい…たった今決心がつきました…私は兄様の跡を継ぎ人々を守る事をここに誓います。」
シアン「その答えが聞けて僕は嬉しいよ…今この時をもって我、シアン·ハルカゼは汝シオン·ハルカゼに風の大精霊の力を引き継ぐと宣言する」
シアンが言葉を発した途端一陣の風が吹いたそれはまるで新たな風の大精霊の誕生を祝福するかのように…
シアン「シオンこれで君は今日から風の大精霊だ、おめでとう」
シオン「兄様、私は兄様の分まで大精霊のお役目を果たします。」
ハク「んで?レオンアンタは決心ついてんのよね?」
レオン「もちろんさ、いつでも来いってんだ!」
ハク「わかったよ。こほん、えーと…今この時をもって我、ハク·エンラは汝レオン·エンラに炎の大精霊の力を引き継ぐと宣言する」
ハクが宣言した途端あたりの街灯の炎が踊りだし新たな炎の大精霊の誕生に祝福する
ハク「はぁ~これでやっと自分の研究に専念できるわ~アタシの分まで頑張んなよ期待してるよ」
レオン「あぁ…任せてくれ」
翌日シアンの招待でレオンは風霊屋敷を訪れていた
―風霊屋敷 シアンの部屋―
シアン「レオン君来てくれてありがとう…君を呼んだのは他でもない1つ約束して欲しい事があってね…」
レオン「なんですか?」
シアン「もし、僕が亡くなったらシオンの事を君に任せようと思ってね…」
レオン「シオンさんや姉ちゃんはその事を知ってるんですか?」
シオン「はい…」
ハク「まぁね」
シアン「レオン君もう一度聞くよこれから僕の言う約束を守ってくれるかい?」
レオン「はい」
シアン「約束と言うのはね…シオンの事を守って欲しいそしてシオンと共に幸せになって欲しいこの2つを約束してほしいんだ」
シアンは自分が亡くなった後妹の事をレオンに託す事だったそして共に幸せに暮らして欲しいとの事だった。そのシアンの気持ちを聞いたレオンはこう答えた。
レオン「約束します。俺がシオンさんの事を一生守ります、この命に変えてもそして必ず幸せにします」
シアン「それを聞いて安心したよ、これで心残りはないよ…」
―後日―
風の大精霊シアン·ハルカゼは最後の仕事を終え息を引き取った…ハクとシオンは墓標で泣き崩れた…レオンは泣きたい気持ちを抑え心の中でシアンが願った言葉を思い出し、シアンの眠る墓標に手をあて誓いを立てたのであった…
そしてその誓いを胸にシオンと共に青薔薇屋敷へと旅立つのだった
―終―
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