テラーノベル
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あれから彼は俺を車椅子に乗せていろんな所に連れ出してくれた
映画館や美術館
静かな公園でお昼寝してみたり、弁当を広げて食べてみたり
そんなある日
いつものように剣持さんが持って来た服に着替えていると、目の前で彼が俺を見ている
「ロウ君の服‥‥買いに行こうか」
俺の服?
俺が何も着ていなかったから、今までは彼の服を借りて過ごしていた
俺は別にこのままで良いけど‥‥
俺はショッピングモールで彼が見立てた服を買ってもらった
カジュアルなものからフォーマルなものまで‥‥
どうやら俺は着せ替え人形にでもなったようだ
鏡の前にはスーツを纏った俺
似合ってる‥‥のか?
「良いねぇ、よく似合ってる」
剣持さんに褒められると照れてしまう
でもこれって普段は着ないって言ってたけど‥‥
俺が持っててもいいものなのか?
剣持さんが俺の顔を見ると笑顔で俺に紙袋を渡した
「この服は今日のパーティで着て下さい。退屈かもしれないけど、一度体験してみても良いんじゃないかな」
パーティ?
俺達もしらない訳じゃないけれど‥‥
何が違うんだろう
それはそれで楽しみにしておこう
剣持さんは本当に俺に色々見たり聞かせたりしてくれる
色んな物事を知っていて、博識なんだろう
教え方も面白く楽しい
彼と色々話し合ってみたい
あれ?
俺っていつ喋れる様になるんだっけ?
もう言い伝えの話しは尾びれ背びれが付いて色んな結末がある
どれが本当の物語なんだったかな‥‥
昼ごはんを済ませ、午後になるとパーティに向かう準備を始める
車に乗り海へ向かうと大きな船が船着場き停まっていた
船に乗り、中に入るとそれぞれ着飾った人達が溢れる会場に入る
煌びやかな服を纏い、お酒を片手にみんな談笑していた
「疲れたら部屋もあるから、ちょっと部屋にも行ってみようか」
会場から出て通路を進むとエリアが変わり、無数の扉が付いた通路が現れた
扉の前に名前が書いてある
剣持様
その扉を開けるとベッドとテーブル
風呂やトイレ
小さいながらも全てが揃っていた
「もしも疲れたらここに来て休んでても良いよ。僕もなるべくロウ君の側にはいるけど、仕事関係の人が来たら離れる事もあるかもしれないからさ」
俺は頷き剣持さんを見る
剣持さんが俺の曲がったネクタイを締め直してくれた
近くに感じる剣持さんの手と顔に、俺は顔が赤くなるのを感じる
「なに‥‥照れてるんですか?あなたのその顔を見ると僕まで‥‥」
言いかけた言葉が気になって顔を上げると、剣持さんと間近で視線がぶつかった
綺麗なライムグリーンの瞳に俺が写る
剣持さんの指が俺の顔に触れた
な‥‥に?
そんな目で見られたら俺‥‥
コンコン‥‥
「刀也さん⁈」
ノックと共に扉が開き、元気な声が聞こえた
剣持さんはスッと手を引き、後ろを振り向く
「びっくりした‥‥なんでこんな所に」
「だってもう来てるって聞いたのにどこにもいないから」
「だからって‥‥」
「刀也さんと早く会いたかったのに‥‥それより父から聞いたんですけど刀也さんも聞きました?私達の婚約の‥‥」
「ちょっ‥‥外で話しましょう!」
「え?‥‥あ、お連れの方ですか?」
剣持さんが入って来た女性の背中を押して部屋を出て行った
今なんて言った?
‥‥‥‥婚約?
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コメント
3件
やばい自分も原作知ってるはずなのに結末を思い出せねぇ、なのでもっとワクワクできます!