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今話には胸糞要素があります。中継さんの登場よりもクレームが来る事は覚悟しておきます。
以前匂わせた守君達の過去と学園物の必須構成要素のクラス担任が出てこない理由が今明らかに……!?
HR(ホームルーム)?ああ、あいつは良い奴だったよ……
浮かれポンチな気分で立ち寄った白須等酒店。
池流君に一つ上の男の余裕を魅せてあげようとか考えていた俺が店に入ろうとすると、店の中から飛び出してきた女性にぶつかりそうになる。
ジェントリックに受け止めてクレバーに抱きしめてあげようとすると、
「フミフミちゃんに何してやがる!」
と言うツッコミと共に、人の脳天にチョップを叩き込む池流が。
「はっはっは。どうしたんだい、マイフレンド。随分と余裕が無いじゃないか」
「くっ、いつになくウゼェ……! 守!ふざけている場合じゃねーぞ!! フミフミちゃんの話を聞け!?」
ガチトーン。1500万円のスーツを自慢できる雰囲気ではない、か。
頭を切り替えて、
「おK。落ち着け。文章先生、何か起こりましたか?」
「はい……実は……」
そして聞かされた内容は、
1.翌亜流高校上層部の都合・思惑による冒険者部新設計画
2.俺氏、部長強制就任(予定)
3.【悲報】活動内容はほぼボランティア【金払え】
……スーツ自慢どころじゃねぇ!?
中学時代の悪夢再びじゃねーか!?
「……文章先生。山田事件ってご存じですか?」
「はい、教育史に残る平成最悪の児童虐待事件……まさか!?」
「はい、俺と池流と鍵留はあの事件の被害者の”一部”です」
山田事件……当時〇×中学校の教師として勤めていた山田何某が、
自身の借金のカタに教え子をヤクザに売り飛ばしたという前代未聞の事件である。
男子生徒は主に肉体労働、女子は裏風俗で働かされ、耐えかねた生徒の自殺&遺された遺書による告発で発覚した経緯があり、
全国の教育現場を震撼させた大事件である。
教師のクズさばかりが取り上げられた事件だが、実態はヤクザと繋がりのある犯グレ片親を持つクラスメイトの田中何某がクラスの支配目的で教師の弱みを握って言う事を聞かせただけという人の皮を被ったサルの所業であったと言う……
俺と池流と鍵留は当時はセットで3バカ扱いされていたのだが、そこそこ目立っていた事が田中には気に食わなかったのか、事件当時は相当に苦しめられたものだ。工事現場の長時間重労働をノルマ化されて、賃金は加担した連中のバカ騒ぎ&他の大人たちへの口止めに使われていたし。どうにかしようとした人達を見せしめと称して嬲り殺しにする事が平然と罷り通っていた辺り、どれだけの異常事態だったか理解できるだろうか。
結局、(良心の軋みに)耐えかねた生徒(田中)の自殺(に見せかけたサムシング)により、地獄のような中学時代は終わったが、
腐ったリンゴは教育界という名の森中に広がっていたか……!?
無報酬労働……無能な大人……人の皮を被ったサル共……
田中と取り巻き共に股を開いてオタクを嘲笑う事で連中に取り入った売女……
うっ、心が。
落ち着け、こんな時はあのサル共の駆除風景を思い出すんだ。
他県の山中で仕入れたキノコ類を奴らの鍋パに欠片も残さずぶち込んだ後、愉快な猿踊りを見せてくれた連中の最後を……
キノコの副作用か、スカトロ祭りになった現場をくまなく撮影し、奴らの個人情報と一緒に裏の動画サイトで販売し、利益を慰謝料替わりに被害者の会全員で分け合ったのは当事者間のみのヒミツである。
隠蔽に関わった警察・学校関係者から慰謝料を絞れるだけ絞った後、三地一家は実家の酒屋に里帰り、二路一家と小野麗尾家も続いて白須等町に引っ越した次第である。ウチは父さんがメガバン勤め時代のコネと経験を生かしたフリーのコンサルタント業だったので特に問題なかったが、二路一家は地元でそこそこ大きな法律事務所を開いていたのによく移転出来たなぁ、と今でも不思議に思う。
鍵留曰く、加害者一同から二桁億円の賠償金をもぎ取ったから何とかなったらしいが……
我が家もお力添えいただき、お陰様で賠償金で当時の新築を一括ズドンで買えたのだが。
あの時は俺の事で父さんが人生トップ2の苦しみを背負う事になったからなぁ。(トップ1は母さんの旅館の立て直しに失敗した事)
今から思えば田中が調子に乗り始めた時点で”始末”して置けば問題無かったのになぁ、と若さ故の過ちを噛み締める程度の感慨しかないが。
しつているか える きおくは ぱつけえじんぐしてしまつておけばうもれてつぶれて かみつぺらていどのものになるが ふくげんしてしようさいをおもいだそうとするとぜつだいなすとれすになる
「ふ、二人共大丈夫ですか!しっかりしてください!?」
あ、ぼーっとしてた。池流は戻ってくるまでもう少し掛かるな。
「すみません。正直思い出したくない記憶でしたので」
「そ、そうですよね!? 不用意に触れてしまって申し訳ありません!!!」
ペコペコ頭を下げる文章先生だが、その光景には違和感しか覚えない。
文章先生はあの事件に何の関与もしていないし、そもそも転校先の中学から翌亜流高校へ事情の申し送りはされていると聞いていたので、先生が知らない事が意外だった。
担任の顔と名前を記憶&認識出来なくなった事と”クラスメイト”と言う概念に対する関心が極端に薄い事位は伝わっていたと思ったのだが。
「池流、イケルー。そろそろ帰ってこーい。今は平成が終わった霊和だぞー」
頬をペチペチ叩いて5分後位に池流は現世に帰ってきた。
その後は鍵留も呼んで文章先生を交えて対策会議をした事は言うまでもない。