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わーーー 😭 儚い、 野薔薇ちゃんのストとか好きすぎるんだが 😾‼️ また、野薔薇ちゃんとてーりの沼に 深く沼っちまった ︎🫠💞 このスト大好き ! てーりも大好き !
んえ原作と繋げるの上手くないですか?? 題名とも話がマッチしていて神すぎます 野薔薇ちゃん … … 😢😢
わぁぁぁぁぁッ!これは泣いてしまいますよっ、てか泣きますよ!? 野薔薇ちゃぁぁぁんッ、、、悲しくて儚いお話最高でした......
呪術廻戦 釘崎野薔薇 様の夢小説
⚠自己満夢小説
⚠百合(夢主の片思い)
⚠アニメ2期のネタバレ
⚠解釈違い
⚠長い(2500文字超え)
以上が平気な方のみお進み下さい𓂃🌹
「ちょっと此花ー?早くしなさいよ!」
「ご、ごめん!」
私達は小学生の時から仲が良かった。
引っ込み思案で主張の弱い私を、野薔薇ちゃんが何時も引っ張ってくれていた。男勝りで口も悪いけど、当時の私は彼女に強い憧れを抱いていた。
否、それは今もそうかな。
憧れ、友達としての”好き”が、私の野薔薇ちゃんに対して思う”好き”と違うと気付いたのが小学6年生の秋のことだった。
小さい町の中なら噂はすぐ広まるもので、誰々ちゃんと誰々君が付き合ったとか、誰が誰を好きとか、そういうのが出始める年頃。
と、ある男の子が野薔薇ちゃんのことを好いているという噂が流れた。どこかの誰かが法螺を吹いたのかもしれない。根拠もないそれに、私は不安を感じた。
「野薔薇ちゃんって好きな人いるの?」
「はぁ?急に何?」
「いいから」
色恋沙汰に無頓着な私からのそんな質問に、野薔薇ちゃんは目を丸くして首を傾げた。そして口を開く。
「いるわけないでしょー?こんな小さい学校で、私に見合う男がいると思う?」
即答だった。さも当たり前のように言ってのけた。そして息が詰まるような緊張が一気に失せて、私の心には安堵が溢れた。よかったぁって内心思ったけど、言葉にはしなかった。彼女を困らせたくなかったから。
そんな出来事があって、ふと考えて気付く。野薔薇ちゃんに対しての感情は”普通じゃない”。
いくら同性愛や性別の悩みが理解される時代になってきてるとは言え、私が住んでいた町はそこまで発展してない。都会から来た人を虐めて追い出すような人間がいるくらいだ、理解されるはずがない。
幼いながらにそう悟った私は、その気持ちにそっと蓋をした。
「え、東京?」
ポカンと空いた口が塞がらないとはこのこと。野薔薇ちゃんが嬉しそうに話した内容は、私にとっては悲報だった。
中学を卒業したら、田舎を出て東京の高校に通うそうだ。
「そうよ!このクソ田舎ともあと半年でオサラバ!やっふー!」
そう飛び跳ねる野薔薇ちゃんに、私は胸が痛みつつも「よかったね」と口にした。でも悲しみが表情に出ていたのか、野薔薇ちゃんは飛び跳ねるのをやめてこっちを見ると、私の頬を両手で包んだ。
「そんな顔すんなって。アンタも高校卒業したらさっさと上京しなさい!夏休みとか冬休みとか、会いに来ればいいじゃない。私からは行かないけど!」
あ、でも此花は電車苦手なんだっけか。なんて零しながら私の肩をパンと叩く。
「うん、そうだね。約束だからね」
「もちろん!」
そう大事な、大事な約束を交わしたのが中学三年の十月。
「じゃあ行ってくるわ!」
「うん、気を付けてね。野薔薇ちゃんは可愛いからナンパされないようにね」
「この野薔薇様にナンパなんてして来る男がいたら蹴り殺してやるわ」
「程々にしてよ? 笑」
15歳の春、彼女は予定より少し遅れて上京した。
お店も入ってないような、本当にたまに電車が停るだけのしょぼくれた駅で、ギリギリまで話した。
「じゃあ、”またね”此花」
「!、うん……絶対会いに行くから!メールもするから!」
「っ、うん!」
あの野薔薇ちゃんが大きな瞳に涙を浮かべていて、私も堪えていたはずの雫が頬を伝う。
また会えると信じていた。
“またね”が”さようなら”になるなんて、思ってもいなかった。
この駅での会話が、野薔薇ちゃんの声を聞く最期の機会となった。
「はーい。あれ、野薔薇ちゃんのおばあちゃん?」
最後に話して4ヶ月経った頃。お互い忙しくて夏休みは会えず、冬休みは絶対に会いに行くとメールで約束していた、そんな時。私の家に野薔薇ちゃんのおばあちゃんが訪ねてきた。
「実は野薔薇がね、───」
「……え?」
野薔薇ちゃんのおばあちゃんから聞かされた話は、野薔薇ちゃんが不慮の事故で亡くなったという、信じ難いものだった。
最初に押し寄せてきたのは数え切れない程の後悔。
もっと大好きって言いたかった。もっとありがとうを伝えたかった。もっとバカ笑いしたかったし、2人で泣いて笑って、大人になってもずっと一緒にいたかった。
ねえ、まだ言いたいことがたくさんあるの。お願いだから私を置いて行かないで。
その場で膝から崩れ落ちた私に、野薔薇ちゃんのおばあちゃんは涙ぐみながら私の背中をさすってくれた。
「野薔薇はいつも此花ちゃんの話をしていてね、貴方だけには伝えておきたかったの」
涙が止まらなかった。野薔薇ちゃんが私のことを家族にも話していてくれたこと、本当に大切に思ってくれていたこと。
「野薔薇は貴方と出会えてとても幸せだったと思うわ」
そんな、それは私の方なのに。野薔薇ちゃんにはたくさん助けてもらって、まだ言えてないありがとうが山ほどある。
私は涙が枯れるまで、自分の不甲斐なさにただ泣くことしか出来なかった。
「……久しぶり、野薔薇ちゃん」
その後あっという間に葬儀は終わって、野薔薇ちゃんは小さな壺に収まった。
葬儀が終わって数日経った頃、私はお墓に来ていた。服のセンスがない私に野薔薇ちゃんが選んでくれたワンピースを着て、可愛い君に会うからとびきりおめかしして。
「今までありがとう。だいすきだよ」
墓石の前でしゃがんで話す。今まで言いたかったことを全部。彼女には届いているかな?
『私もだいすき』
「!」
ふと、横から声と人の温かみを感じて、私は目を瞑った。その時、ぽたりとひとつの雫が落ちて、それが彼女に対して私が流す最後の涙になった。
「また来るね」
立ち上がって、墓地を後にする。
立ち直るのはまだ先になりそうだけど、野薔薇ちゃんに背中を押されたのなら立ち止まってはいられない。
墓石の横に、5本の薔薇を添えて。
橘此花
釘崎の小学校の頃からの友達。釘崎には友達に対してとは違う”好き”を抱いている。
釘崎野薔薇
此花の小学校の頃からの友達。呪術のことは此花には隠している。此花のことは大親友だと思っていて、渋谷の一件が終わったらサプライズで会いに行くつもりだった。
5本の薔薇の意味───
あなたに出会えて本当によかった