テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,133
芝生の反逆者
⚠︎御本人様方には一切関係はございません⚠︎
・CP 翠黈
・王子が「水の中の方が生き生きしている」と
仰っていたので
・キャラ崩壊あるかも
⇒地雷さん、純粋さんは回れ右!
読みたい人だけお進み下さい^ ^
波打ち際。
波が穏やかに俺を攫おうとしている。
これですちくんともお別れ。愛しい人を想うと、背後から大好きな声が聞こえた。
翠『 みこちゃん! どこに行くのっ! 』
黄「 … ごめん。 言えへん、( 俯 」
翠『 どうして? 』
黄「 、、最期だし 初めから 話すよ。 」
本当は言うつもりなんて無かったけれど。
最期だから、そんな理由に任せて話始めた。
***
みこと幼少期___。
俺は人魚族の家に生まれた。
もちろん、水中に住んでいる人魚のこと。
人魚は20歳になった時、一年間だけ人間界に行ける決まりがある。一年以内に帰らないと泡になり消えてしまうので、大体の人は帰ってくる。
2つ年の離れたお兄ちゃんが人間界へ行って帰ってきた時、沢山のお話を聞いた。人間は優しくて、時に怒ってくれて、人思いで皆良い人だと言っていた。そして、お兄ちゃんは人間界で“カメラ”という物を使って撮った“写真”を見せてくれた。
黄兄『 この人達は 俺の友達。 』
『 みんな 面白かったな…笑 』
そう説明するお兄ちゃんの顔はどこか恋しそうで寂しそうだった。楽しかったのだろう。
黄「 !この人、名前なんて言うん? 」
俺は何枚かある内の一枚の写真に写っている緑頭の人が気になった。すごく惹きつけられる温かい笑顔でかっこいい人だ。
黄兄『 この人は すち って言うんだよ。 』
『 ずっとほんわかしている人だよ 笑 』
黄「 ほぇ〜… 」
「 俺、この人 気になる! 」
黄兄『 みこと と同い年だし、人間界に行っ
た 時に 仲良くなれるかもよ? 』
『 この写真あげる 笑 』
黄「 ほんとにっ!?ありがとう!! 」
黄兄『 ふふっ笑 2年後が楽しみだな! 』
お兄ちゃんから写真を受け取って見つめた。
2年後にこの人と仲良くなれるかもしれない、そう思うと2年間がもどかしく感じたのを今でも覚えている。
***
2年後___。
“すち”という人を一時も忘れる事なく迎えた20歳の誕生日。待ち切れなくて、すぐに海を出て人間界へ向かった。
目を覚ました時に2本の足が生えていて、びっくりした事がとても懐かしい。
黄「 ここが 人間界… 」
何もかもが見たこと無いものばかりだった。お兄ちゃんから話は聞いていたけれど、実際目の前にすると凄かった。
初めの1ヶ月は大変だった。慣れない事ばかりで沢山迷惑かけてやらかした。それでも、なんとか住む場所や仕事先を見つけて生活を安定させていった。そんな中でも、人間界で カフェ巡り という趣味が出来た。近くの色んなカフェに行って雰囲気を楽しむというもの。
あの日も新しいお店に行っていた。席について、コーヒーを頼んで飲んでいた時だった。
黄「 ん〜!美味しい ( ニコニコ 」
?『 あの、すみません。 』
黄「 うぇっ!? ( パリン 」
まだ人間界で友達が作れていなかったから、声を掛けてくる人は居ないと油断していた。突然背後から声を掛けられ、驚いた拍子に飲んでいたコーヒーカップを落として割ってしまった。
黄「 わぁぁ!ごめんなさいっ! 」
?『 今、ほうき取ってきますね! 」
声を掛けてきたのは定員さんだったらしく、慌ててお店の裏へと駆けていった。おろおろしていて相手を見る余裕も無く片付けを手伝った。
黄「 カップ代 弁償します。 」
「 いくらですかね? 」
それなりに片付けを終えて、何故かスタッフルームに通された。おずおずと片付けを手伝ってくれた店員さんの顔を覗く。
翠『 いえ。俺が急に声を掛けたのが悪いので
弁償は大丈夫ですよ 笑 』
驚いて言葉を失った。目の前に居たのは、紛れもなく写真で見た“すち”という人だった。
翠『 2年前に貴方に似た人と仲良くなったん
ですけど、突然音沙汰無くなって。 』
『 この人の事 知ってますか? 』
スマホの画面を俺に向けて質問された。そこにはすちくんと仲良さげに笑っているお兄ちゃんの姿があった。
黄「 … !俺のお兄ちゃんや! 」
翠『 ふふっ 兄弟で似てますね 笑 』
『 良ければ、連絡先交換しませんか? 』
黄「 わぁ!ぜひお願いしますっ! 」
慌ただしい出会いだったけれど、すちくんと接点が出来た。その日は嬉しくて嬉しくて、家に帰ってからずっとニヤニヤしていたのを今でも覚えている。
その日を境にして俺の取り巻く環境が少しずつ変化していった。もちろんすちくんと何回か遊んだり、すちくん以外のお友達も出来たり、主に人間関係が新しくなったかな?
***
過去編の続き___。
今日はある人に相談に乗ってもらう。嬉しいけれど困った事が起きてしまって、一人で悩んでも答えが出なかったので話を聞いてもらう事にした。
黄「 あっ!なっちゃん!( 手振 」
赫『 よぉ、みこと久しぶり笑 』
ある人とは なっちゃん 。相談内容は、、、
すちくんから告白された事なんよね。もちろん俺もすちくんの事が恋愛的な意味で好きなんだけど、あと半年で海に帰るから付き合ったら悲しくなるかなって悩んでて。
俺に寄り添ってくれそうな なっちゃん
色んな所まで配慮がいく こさめちゃん
恋愛経験豊富そうな いるま先生
一番友達想いそうな らんらん
この4人の友達で迷っていたけど、最終的に なっちゃん に相談する事に決めた。俺が相談したい事がある、って言ったらすぐOKしてくれて今も事情を親身になって聞いてくれてる。
赫『 えーと、まとめると、、 』
『 すちに告白されて嬉しい。けど諸事情で
半年後には離れ離れになるから、OK出
そうか悩んでる。ってトコだな? 』
黄「 わぁ、まとめるの上手いな! 」
赫『 半年後に離れ離れになる理由を、すちに
説明してみてみるのは? 』
俺も初めはそうしようと思ったけれど、人間界の人達に“俺が人魚である”事に関する話をすると泡になって消える決まりがあるんよね。
黄「 えーと… 理由は言えなくて、 」
「 言ったら存在を消される という
か? 」
赫『 なにお前?ヤバイ事でもしてんのw 』
黄「 うぇぇ!そんな、違うよっ! 」
赫『 大丈夫、分かってるからwww 』
黄「 もぉ、揶揄わんといてや! 」
これもなっちゃんなりの優しさで笑わせてくれたのかと思う。
いや、普通にいじっただけかもしれんけど…
赫『 決めるのは すちとみこと だしな。 』
『 どうせこのまま悩んでも答え出ねぇし
いっその事すちに全部話すってのは
どうよ? 』
黄「 、全部話す…? 」
赫『 そう。 』
『 「俺は今こう思っててこういう事情なん
だけどすちくんはどう思う?」って 』
『 きっと受け止めてくれんだろ ニコ 』
そっか。別に隠す事でも無いもんな。
そう思うと、心に空いていた穴が塞がったような気がして どこか気持ちが軽くなった。
なっちゃんには相談に乗ってくれたお礼を言ってアドバイス通りすちくんに話す事を決めた。
***
過去編の続きの続き___。
翠『 お邪魔します。 』
黄「 すちくん!いらっしゃい ニコ 」
「 お茶出すから 待ってて〜 」
翠『 みこちゃん、ありがとう! 』
表向きは俺の家で遊ぶという約束を取り付けて告白の返事を返す事にした。上手く話せるか分からないけど、返事が遅くなるのは良くないと思うし、一踏ん張りするしかない。
キッチンで茶菓子をプレートに乗せて、すちくんのいるテーブルまで持っていく。いつ話そうか考えていると手首を掴まれた。
黄「 … すちくん? 」
翠『 、急で 申し訳ない んだけどさ 』
『 告白の返事 聞いても良い、かな? 』
俺から話そうと思ってたのに、すちくんから聞かれてしまった(?)。いや、どっちからでもええんやけどね。
黄「 うぇっとね。 」
「 俺、告白された時 すごい嬉しかったん
よ!本当は その場で お返事しようと思
ったんだけど… 」
翠『 うん。 』
黄「 俺、すちくんと 半年後に 離れ離れにな
ってしまうからさ。そんな状態で付き合
ったら 無責任かなって、思って。 」
「 だから、俺 すちくんの事 大好きだから
傷付けたくなくて… 」
俺は怖くて自然と俯いてしまったけど、すちくんは俺の手を両手で優しく包んで俺の視線に合わせてくれた。
翠『 離れ離れになる訳を聞いてもいい? 』
黄「 ほんまに、胡散臭い感じがして 申し訳
な いんやけど。誰かに 言ったら 存在ご
と 消されるんよ。 』
翠『 みこちゃん 危ない事でもしてる? 』
黄「 そんな!違うよっ!!(デジャヴ 」
一通り話し終えるとすちくんは少し考え出すような顔をして黙った。こんなよく分からない俺の事なんか嫌いになったかな?もう仲良くお話ししたりとか出来ないかな?そんな突拍子も無い事が頭に散らついた。
翠『 みこちゃん。 』
黄「 は、はいっ! 」
翠『 俺と付き合ってください。 』
黄「 … ほぇ? 」
とても真剣な顔のすちくんから溢れた言葉は予想もつかないものだった。今日、俺はすちくんからの告白の2回目を受けた。
翠『 駄目かな、? 』
『 みこちゃんは「無責任だ」って 思って
る みたいだけど 俺は全然そんな事 思っ
て ない。真剣に考えてくれたんだよね』
『 もし、本当に半年後離れ離れになってし
まうならさ。いや、絶対嫌だけどね 』
『 俺は最後までみこちゃんの隣に、今より
ももっと近くに居たいよ? 』
黄「 すちくん… 本当に 良いの? 」
翠『 もちろんっ笑 』
俺は気持ちが抑えられなくなって、勢い良くすちくんに抱き着いた。初めは驚いた様子だったけど、俺の背中に手を回してくれて優しく抱きしめてくれた。
あぁ、俺は本当に幸せだな…
現在___。
黄「 …で、今に至るんやけど。 」
「 その“半年後に離れ離れになる”って
いう 理由なんやけど… 」
翠『 待って。 』
『 それ 言ったら 大変じゃなかった? 』
すちくんはちゃんと覚えてくれたみたい。こんな時でも俺を想ってくれてる すちくんだからこそ、ちゃんと応えなきゃって思える。
黄「 最期やからね、( 苦笑 」
翠『 ーーーーッ! 』
すちくんが息を呑んだのが分かった。
それだけで、俺も胸が締め付けられた。俺は、これからこの人とお別れしなければならない事を、より突きつけられた。
黄「 信じられんくてもええから… 」
「 俺、人間じゃなくて、“人魚”やったん
よね。それで、一年間だけ人間界に行け
るんやけど、もう 今日が最終日で…」
「 もし 一年以内に 帰らへんかったら、泡
に なって 消えてしまうんよ。」
翠『 ……それって どうにもならない? 』
黄「 ならへんよ。 」
どうにかなってほしかった。
嘘でも“どうにかなる”って明るく言いたかった。でも、そんな嘘 すちくんを苦しめるだけって分かってるから、冗談でも言えない。
沈黙が苦しかって、あえて明るく言った。
いつもの他愛もない会話をするように。
黄「 俺すちくんと会えて嬉しかったんよ!
会う前から 一目惚れしとってね。 」
「 友達になれただけでも 嬉しかったのに
恋人にもなれて……⸝⸝ 」
「 本当に 幸せいっぱいやったよ! 」
翠『 みこちゃん…( ギュッ 』
俺が言い切るより先に すちくんが抱きしめてきた。
翠『 泣いてる……無理に 笑わないで、 』
すちくんに言われて初めて気付いた。
気付けば早いもので、目からは涙が止まる事なく流れ続けて、いつの間にか、すちくんの肩口に顔を埋めていた。
泣かないって決めとったのに。もっと話してからお別れしたかったのに。
俺が泣いたばっかりに、どんどん時間だけが過ぎていってしまう。
翠『 みこちゃん、、 』
すちくんがいつにも増して、柔らかくて愛おしむような声音で俺の名前を呼んだ。そして、俺の濡れた目尻を優しく拭う。
黄「 ……んぅ?、( 涙 」
翠『 俺、みこちゃんの事一生忘れない。 』
『 どれだけ離れても、俺はずっと みこ
ちゃんを 愛してる。 』
『 だから、みこちゃんも 忘れないでね。
俺だけ見てて。 』
黄「 ……!でも、っ 」
翠『 みこちゃんは 優しいからさ。 』
『 「俺の事は忘れて〜」とか言おうと
した でしょ?笑 』
黄「 ぅ……( 図星 」
翠『 あの時言ってくれたよね。 』
『 「すちくんのこと 大好きだから 傷つけ
たくない」って、 』
『 それなら、俺のお願い 聞いて くれるよ
ね?笑 』
抱きしめられたまますちくんの顔を見上げた。
その瞳は薄っすら潤んでいる。すちくんだって悲しいんだ。それなら、俺にできる事は、もう一つしかないのかもしれない。
抱きしめられた腕を、半ば強引にぐいっと引っ張って顔を近付ける。
黄「 すちくんっ! 」
翠『 、なぁに……?笑 』
黄「 大好き!一生 忘れないよっ! 」
勢いよく言った勢いに任せて、唇を重ねた。
数秒触れるだけの軽いもの。でも、俺たちにとっては、重くて甘くて大切なもの。すちくんを俺にだけ縛り付ける“お呪い”でもある。
俺の すちくんへの気持ちが届くように。
それだけを願って、それだけを込めて。
すちくんから唇を離した。
黄「 バイバイ、、 」
***
すちside___。
あの日からみこちゃんには一度も会えていない。疑った訳ではないが、本当に海に帰ってしまったのだろう。
らんらん達は詳しく知らないから困惑してたけど、そこは俺が上手く話しておいた。
事実を知っているのは俺とみこちゃんだけ。
それで良かった。
多分二度と会えないんだと分かっている。
それでも、俺の心には。
みこちゃんがくれた最後の“お呪い”が、みこちゃんへの想いが。
永遠と灯っている。
fin 2026.4.17
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!