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「中也。」


どこか薄暗い雰囲気を醸し出す男、太宰は

俺の名を呼んだ。


「何の用だ…首領。」


態と他人行儀な返事をして皮肉る俺を無視するかのように其奴は言葉を投げかけた_


「孤独、は好きかい?」


_話の意図が掴めねェ。

俺が答えたところで何になる。

突拍子も無い問いに微かな苛立ちを含ませ


「_チッ」


と舌打ちだけ返した。

もういいよと言わんばかりに沈黙を垂れ流す

太宰を尻目に執務室を後にした俺は遣り場

のない殺意を振り払う様に足早に歩いた。


___「全く。中也は短気なんだから、」


中也が去って漸く上げた顔はそう言いながら

酷く哀しい笑みを浮かべ、

1人で居るには広すぎる部屋で太宰は

ぽつりぽつりと言葉を漏らした。


「織田作が小説を思うように書いて居られる。

これ以上善い事はないじゃないか、」

「あぁ、でも中也を置いて行きたくはないなぁ」

「出来ることならば、織田作が生きているこの

世界で中也と他愛も無い話をしていたかった。」


____この世は無常だ。

常に変わらないものなんて

この世には存在しない。

幸せも…長くは続かない。


その位判っている。判っている、はずなのに。


人を蔑み嫌ってきた自分が如何にも人間らしい矛盾や欲望を呟いていた事に太宰は嗤った。


そしてその全ての希望欲望を自分で否定するかのようにいつもの冷酷な表情を取り戻した。


「…来る日の為に中也には孤独に慣れて

貰わないと、ね。」


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