デート当日。
「朝か。」
今日は彩夢との初デートだと言うのに緊張しすぎてほとんど寝れていなかった。我ながら子供かと自分へ軽いツッコミを入れていると傍らに置いてあるスマホから通知音が鳴った。
(和人起きてる?)
彩夢からのメッセだった。
(起きてるよー!)
(今日時間通りで大丈夫そう?)
(問題ないよ!)
(わかった!じゃあまた後でね!)
やり取りが終わり、デートに行く支度をする。デートした経験がないためどのような服装で行ったらいいのか最近流行のファッションなど見当もつかず、考えても仕方ないといつも通りの服装で行くことにした。
(ついたよ!)
集合場所に着いたことをメッセージで夢彩に伝える。するとすぐにあと5分ぐらいで着くと返ってきた。
「お待たせ!」
声の方向へ顔を向けるとそこにはひらひらのワンピース姿の彼女がそこに立っていた。
「どう?似合うかな?」
そう聞いてくる彼女に動揺しながらももう一度彼女の姿をしっかり見て答える事ができた。
「とてもかわいいよ!」
そう答えると彼女はとても喜んでいる様子でニコニコしながら僕の手を引っ張った。
「じゃあ行こうか!」
「うん!」
嬉しそうに手を引っ張る彼女に安堵しながら自分の頭の中で今日の予定を整理する。今日のデート場所は水族館。ひとしきり魚を見た後はイルカショーを見て、その後にお土産を買って帰りにカフェに寄って軽く食事をした後解散と言う流れだ。水族館に行く事は2人で決めたがそれだけでは少し寂しいと思いカフェで食事をしようと僕が提案した。自分の頭の中を整理しているうちに水族館のチケット売り場へと到着した。
「お二人様ですか?」
受付のお姉さんが聞いてきた。
「はい2人です」
「学生さんですか?」
「はいそうです。」
「ただいまキャンペーン中でしてカップル限定で料金500円引きとなっております。お二方は恋人同士で大丈夫ですか?」
カップル、恋人という言葉に、周りからも恋人同士に見えていると言うことが確認できて少しほっとする。
「はい恋人同士です!」
「では、こちらの料金になります!」
チケットを購入し館内へ入る。