テラーノベル
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ヘリオトロープ⑱
大森side
若井「…………くぅぅぅーっ、やったーー!!!」
大森「ちょ、声でかっ」
若井「やったー!!今日から元貴は俺の恋人だー!!!」
大森「なっ、ば、ばかかよっ!!何大声で言ってんだよっ!!」
若井「イエーイ!!」
大森「若井っ!!」
少しの間、若井の興奮が冷めないわ声はデカいわで……
あまりにもうるさいから一発殴って、鎮めさせたけど、それでも気持ち悪いくらいニコニコで、俺たちの間にテーブルが無ければ飛びついて来そうな勢いだった。
ふと時計を見れば、若井が自宅に帰る時間ギリギリだった
大森「おい」
若井「ふんふふーん」
大森「おい、若井」
若井「デュフフ……えっ、あ、元貴っ!」
大森「ニコニコすんな気持ち悪い」
若井「ひ、酷いっ、俺恋人なのにっ!」
大森「お前、そろそろ帰らないと電車無くなるぞ」
若井「えっ、あ!…………って、俺帰されるの?!せっかく元貴と恋人になったのにぃ?!」
大森「いや、お前、なんの用意もないじゃん、俺ん家新しいパンツ無いし」
若井「たしかにそうだけど…………あ!俺!コンビニで買って来る!パンツも歯ブラシも、なんならTシャツも売ってる!……だから……泊まっちゃだめ……かな?」
大森「いや、無理」
若井「うわぁぁっ!元貴即答っ!俺卒倒っ!」
大森「……」
若井「いや、笑うか突っ込み入れてよっ、じゃないと俺ほんとに恥ずかしくて倒れるっ!」
大森「……とりあえず帰れ」
若井「全スルーはキツイてっ!!ねぇ元貴お願いっ!!せっかくなんだから泊めてよーっ!ね、ね?」
大森「……」
捨てられた子犬……いや、そんなに可愛くはないが、今現状の表現として、捨てられた子犬とそれを目撃した俺……のような構図になっている
大森「…………はぁぁ………………歯ブラシは新しいのがある、着替えくらいなら貸してやる」
kurara
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🎹
13
634
#nmnm
かめちょん
1,888
若井「っ?!!俺っ!急いでコンビニ行ってくるっ!ちょっと、ちょっとだけ待っててな!お土産買ってくるからっ!」
善は急げと言わんばかりにバタバタと出ていく若井
結局泊まりを許したのは、どうせ今の若井なら、どれだけ嫌だと言っても駄々を永遠言うか、大人しく出て行っても終電逃したと言って舞い戻って来ると思ったからだ
大森「はあぁぁぁ……」
思わずため息が出て、ダイニングテーブルにうっぷしながらそっと目を閉じる
さっきのため息は、安堵からなのか、この後のことか…………多分、両方だ
こんなにも真面目に人と向き合うことが疲れるだなんて、俺はどれだけ向き合ってこなかったのか、と思い知らされる
さっきは若井に一夜限りを最低だと言ったが、正直俺も……何度もある
男女より男同士の方がワンナイトで楽しむ傾向がある
それを言い訳に今までちゃんと真面目に恋愛をしていなかった分、若井にきちんと想いをぶつけることが、本当に勇気がいることで難しく、また相手の気持ちを聞くこと、読み取る事も凄く難しいことに気がついた
結果、両想いになれたのはいい……ただ、あのテンションのままの若井と今夜過ごすことを考えると、少し気が滅入ってしまう
恋人らしい初めての夜を、なんてロマンチックな事を言うほど若くもないし、元々そんなのは望んでいない。
ただ、少し……ほんの少しだけ、泊まるなら普通に1泊してほしい。風呂に入って、少しゆっくりして、寝る……そして明日は休みなんだからゆっくりと起きたい
ただそれだけの在り来りな望みが、あのテンションの若井とできる気がしない……泊まりを許したのは俺だけど……何とか落ち着いてゆっくりしてほしい……
〜♫(携帯の着信音)
どうすればいいかと色々と考えていたら、携帯が鳴った
ピッ
大森「はい」
若井「もときぃぃっ!!俺っ!部屋番号わかんないのに出てったからエントランスで部屋番号押せない!入れないっ!」
アイツは……
本当にバカだった……
大森「お前………………702だ、とりあえずエントランスから呼び出ししろ」
若井「ごーめーんーっ!じゃあ今から押すね」
ピッピッピッ……ピ
携帯の向こうからボタンを押す音がして、インターホンが呼び出しの知らせを告げる
そのまま解除キーを押し、若井を招き入れた
大森「はあぁぁぁ……」
またため息が出る
外に出て、少しは落ち着いたかと思ったが……
どうやらそうではないらしい
まあ、まだ明日が休みな事をプラスに考えて、上がってくる若井の到着を待った
ガチャッ
若井「ただいまーっ元貴ーっ!」
大森「おい、マジでちょっとテンション下げろ。下がらないならマジで帰るか、風呂で水でも頭から被ってこい」
若井「だ、だって……嬉しくてつい……」
まただ
捨てられた子犬のような顔で俺を見てくる
この顔に騙されてはいけない、そうわかっていても、何故か若井にこの顔をされると、怒っている俺が悪者のように感じてくる
大森「う、嬉しいのはわかってるけど……限度ってのがあるだろーが」
若井「………………元貴も……嬉しいって思ってる?」
大森「っ!なっ………………そりゃあ……まあ……」
若井「!!」
大森「なんだよっ、そのへらへらした顔はっ!早く水浴びてこいっ!」
若井「へへっ、良かった元貴も同じで。んじゃ、お言葉に甘えて行ってきまーす」
ガチャッ(扉を開ける音)
バタン(扉を閉める音)
ガチャッ(扉を開ける音)
若井「元貴んちの風呂ってどこ?!」
大森「出て2番目の左の扉……タオルは脱衣場に置いてるやつ使え。着替えは後で置いといてやるから」
若井「はーいっ」
バタン(扉を閉める音)
大森「…………はぁぁぁ」
俺はこの短時間で何回ため息をつけばいいんだ
とりあえずあいつには、色々とちゃんと話をする必要性がありそうだ……
今日は話せそうにないし、明日起きてからでもゆっくり話そうと思いつつ、若井が出てきてしまう前に着替えを出さなきゃいけないことを思い出し、寝室に向かった
俺と若井では体格や…………身長……の差があるが、若井でも着れそうなTシャツとスエットをなんとか探し出した
万が一小さくとも着れるだけありがたいと思ってもらうしかない
着替えを持ち、もう風呂に入ってるだろうと扉を開ければ、風呂の中で鼻歌を歌う声がした
浮かれすぎだろ
と思いつつ、ちゃんと心に留め
大森「おい、着替え置いとくぞ」
と声をかけた
若井「元貴サンキュー…………あっ!」
ガチャッ
若井「元貴も……一緒に入る?」
大森「〜っ、入らねーよっ!バーカバーカ!」
俺
泊まらせたことにほんと後悔
・
・
・
【週明け・会社】
若井「あっ!おはようございますっ!」
大森「……」
若井「朝イチで……元……んん゛、主任の顔が見れて嬉し……って、あれ?元気なくないですか?」
大森「っ、……お前…………誰のせいだと……」
あれから若井は俺ん家に居座って、1日の約束だったのに2日も泊まった上に、日曜日の夜遅くに帰った
貴重な週末だって言うのに、疲れが全く取れなかった……
若井「俺……週末はしゃぎすぎました……?でもだってそれはっ俺たち恋び、フガフガっ」
会社のエントランスで堂々と恋人発言をしようとした若井の口を咄嗟に手で塞ぎとめた
大森「お前っ、場所考えて発言しろよっ」
若井「フガッ、フガフガフガっ(す、すみません)」
大森「……次、やったら……わかってるな?」
若井「……ぷはっ、や、やらないっ!二度とやりませんっ」
大森「……」
無言で若井を見れば、コクコクと頷きながら、顔色を変える若井
大森「はぁぁぁ……」
俺んちに居た間に、俺たちの普段の接し方や、外での発言……それを話したばかりなのに初手からこれだと俺だって頭を抱えたくもなるし、ため息だって出る
タイミング良く来たエレベーターに俺は若井をほっといて乗り込んだ
若井「ちょっ、まっ、僕も乗りますからっ!待って主任っ」
若井「おはようございますっ、倉田さんっ」
倉田「若井さん、おはようございますぅ。あっ、主任もおはようございま…………あれ?主任、なんか……疲れてません?」
大森「あぁ……倉田さんおはよう……」
倉田「若井さんはめちゃくちゃ元気そうですが……主任本当に大丈夫ですかぁ?」
大森「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
倉田「うーん……あっ、…………はいっ、これどうぞっ」
デスクの引き出しをゴソゴソとして、倉田さんが出してきたのは……飴
倉田「甘いもので元気出してくださいっ」
大森「あ、りがとう……いただくよ」
倉田「どういたしましてっ、……若井さんもどうぞっ」
後で頂こうと、胸ポケットにしまい、自分のデスクに向かっていた背中で、若井もどうやら倉田さんから飴を貰っているようだ
若井「…………この飴うまっ、倉田さんありがとうございますっ」
倉田「月曜日から元気ですね〜。若井さん、何か週末にいいことあったんですか〜?」
若井「あった、あったっ!超あった!でも秘密なんですよね〜♫」
倉田「えぇ〜、そんな顔で秘密って言われたらめちゃくちゃ気になります〜!教えてくださいよ〜」
多分にこにこした顔で倉田さんと話してる若井に、喋ってしまわないか不安を感じつつ、席に座りパソコンを立ち上げてメールをチェックし、今日のやらなければいけない事を頭に入れる
合同プロジェクトも週末に迫っている
このまま順調にいけば、何事も無くプロジェクトも成功するだろう。
コメント
8件
若井さんが嬉しさではしゃぎまくって疲れる大森さん…笑 でも大森さん自身も気づいてないだけで喜んじゃってるんですよね。うんうん。 ツンデレな大森さん大好きです!最高です!
無事に成ったお祝い気分ではありますが 大森主任の苦労は絶えませんね (*´∀`) と、言いつつ 幸せなため息だと気づいていないのは本人ばかりなり…と言ったところでしょうか(*^^*) ワタクシどもには需要しかないこのわちゃわちゃを いつまでも見続けていたいものです(*´艸`*)

あらあらあら!! 子犬みたいな若様可愛いですね( *´艸) テンション爆上がりしすぎなところに、ちょっと笑ってしまいました😌 大森さんのツンツンツンデレ感じも可愛い....可愛いです🤟 色々とはしゃぎまくる若様にこちらもはしゃいでいます。 (↑今現在、家の中をのたうち回る私) 倉田さん、気になりますよね。 だがそれは私たちしか知らないのです....😏😏(←悪い人)