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Episode…4 : side / M :
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「松本先輩…!良かったら…文化祭一緒にまわりませんか?」
あー…また誘われちゃった…
うーん、これで二桁か…
準備が始まり出したばっかなのに文化祭のお誘いが始まり出した。
変に断ると泣かれるし…
まあいつものでいいか。
「ごめんね、先に他の子と約束してて。」
そう言って微笑みかけると若干頬を赤らめる。
女の子って言うのはこうも単純なもの…可哀想なくらいにね
努力家で…根気強くて…
俺には勿体ないくらい。
「来年も誘ってね?待ってるから。」
そうして頭を撫で、その場から去ろうと足を進める。
…来年…かぁ…
来年…また同じ言い訳をするんだ…
いつしかその言い訳も…
微かにシャンプーの良い匂いが手に残る。
また、頼まないとな…
うちのクラスは文化祭…なにするんだっけ?
なんか…売店…?喫茶店…?みたいな、やるって聞いた気がする…うーん。
ま、俺には関係ないし…
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『今年の文化祭も付き添いよろ。』
そう送って携帯を閉じる。
どうせまた阿鼻叫喚の嵐なんだろうけど、仕方ないんだよなぁ…
意外とバレないし。一級品だもん
良い壁になってくれてるんだよなぁ…
誤解も招くけど、
それに…誘ってくれるのは嬉しいけど、一人オッケーしちゃうと止まらないし。
あー、俺も女の子と文化祭回りてー…
橘さんみたいな…ああいうかわいい子…
でも俺が誘ったらどんな噂が立つか…
橘さんには迷惑をかけれないんだよなぁ。
うぅ…俺の青春…
っ…はぁ、寝るか…
考えてちゃどうしようもない。
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翌日…
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アラームの音で目覚めて携帯を開く。
トーク画面を開くと案の定通知が溜まっていた。
気持ちはわかるけど我慢してくれって…
別に悪いことじゃないし。
…いや悪いことなのか?
準備を終え、学校へ向かう。
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校門に着くといつものように注目を浴びる。
もう少し目立たないようにしたいな…
玄関の手前で引き留められる。
んだよ…八つ当たりなら人がいないところで…
「松本くん、おはよう。」
して…って…橘、さん…?
思いもよらない人に話しかけられて唖然とする。
「…あ…おはよう。」
ぎこちない身振りと口振りで挨拶を交わす。
あいつかと思った…
「ふふ、おはよう~」
嬉しそうに笑みを浮かべると瞬く間に姿が見えなくなる。
妖精…みたい…
ぅぅゎ…橘さんと話しちゃった…
可愛かった…
自然と気持ちは高ぶり、頬が緩む。
暫くその場で硬直していると、肩をポンと叩かれる。
「松ちゃぁん~おはよぉぅ~♪」
「ぇ?あ、おはよ…」
無駄に活気の良いその顔を見ただけで元気を吸いとられるような感覚がする。
「松ちゃん、遅刻するよ?早くいかないと、あの鬼担任が黙ってないぞ~!」
人差し指を立てて鬼のポーズをしながら下駄箱へと吸い込まれていくその様は…
いつ見ても面白い…な。
うん、そうだな。早く行かないと…だな。
…はは、やば。幸せ伝染しちゃったな。
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. 昼休み
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「Yoyo!松ちゃん。食堂に今日こそは行かないかい?」
今日も…?だから…何回言ったら良いんだよ…
「ちょっ…んなかおしないでさぁ~?いつもコンビニとかで買っていつも食べてるじゃん」
「いつも誘うの飽きないのかよ?」
「そんなわけないじゃん。まあ食う時間は減るけどさ。」
「…そうか。じゃあ今日だけ行ってやる。」
「今日もダメだったか~…って…えっ…えっ!?いいの?いいの?まじかーっ!行こう行こう!」
跳ね上がるほどに喜ぶのが馬鹿馬鹿しいなぁ…けどお前らしい。
ちょ…うるさいな。喜びすぎ…
「いやーまさか…どんな心境の変化なの?」
「今日くらいは良いかなって。」
「うわ…えぇ…イケメンの心境わかんねー…」
「お前も顔立ちは良いだろ。」
「“は”…?えっ、顔立ち“は”?」
「おう。」
「ひど…ってかお前“も”ってことなら松ちゃんもじゃん…」
「かもな。」
「かもなって…えぇ…」
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放課後
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「はーっ…やっと終わった!部活部活~♪」
「本当にお前、スポーツバカだな。」
「やっぱ部活とかスポーツでしか得られないもんがあると思う…」
「へー…ま、俺はもう今月いっぱいは文化祭の準備で忙しいから」
「そういえば、文化祭の準備って誰とやるんだ?」
「多分…日向くん…だったような。トラブルを避けるために先生が同姓でって。」
「くっそぉ…んで異性じゃねーんだよ…」
「別に男女一人づつって訳じゃないし…それに少女漫画とかではないんだから。」
「ちぇ…残念…松ちゃんの初めての青春…来るかと思ったのに…」
「異性が二人きりだと思ったか?どんだけ青春バカなんだよ。ってか、初めてってんだよお前。」
「ふん…つまんねーの。」
「お前もう部活行けよ…」
「うん、じゃ、またね。」
「また。」
全員が教室から出ていった頃に入れ違いでもう一人入っていくる。
彼は迷わずにこちらに一直線で歩いてくる。
「どうしたんだよ。そんなヤな顔して」
顔を上げるとさっきの雰囲気とはうって変わった鋭い目付きでこちらを見てくる。
こっわ…怒るのは分かるけど…
「ねぇ…お前さあ…」
「まあまあ…これしてくれたらなんでもしてあげるから。」
そう宥めると諦めたかのようにため息をついて、肩を下げる。
本当にめんどくさいな…こいつ
「なんでもするって…それ本気?」
なにか企んでいるかのような視線を向けてくる。
「…ああ、まあ」
ふふんと偉そうな表情を浮かべたと同時に教室にまた一人、姿を表す。
「ごめん潤…ちょっと彼女に呼ばれて遅くなっ…た…」
明らかに無理して表情を作っているようなそぶりだったが、もう一人の後ろ姿を見ると固まって驚きや絶望、怒りが混じったような表情になる。
「大丈夫。待ってないよ…って…なんかあった…?」
日向に目線を向けたあと、交互に二人を見つめる。
目の前の彼も振り向き互いに視線を交わしている時間、歪な雰囲気が教室に流れる。
「二宮…和也…」
「…あ、夏蓮ちゃんの彼氏さん?」
夏蓮ちゃんって…あぁ…付き合ってるって言ってたな…
もしや…これ…は…
「まじか…本当にフっちゃったか…」
二次被害受けてんじゃん俺…
「本当にって…お前…なん、はっ…?」
「いや…はぁ…で?なにか。」
「ふっざけんな…」
「そっか。それだけ?」
「それだけって…!人の彼女寝取っておいて…なんだよ!」
「え、なに寝取ったとか言われたの?…へぇ…」
「はぁ…?その言い方なんだよ!」
「まあ相談は受けてたし。君には魅力が足りなかっただけだよ。」
「お前…!調子乗るのもいい加減にしろよ…」
「別に?調子に乗ってるとかそう言うことじゃなくて、事実なんだよね。」
「っ……」
「あれ…ダメージ受けちゃった?あー…ごめん。悪気はなかったよ?…多分。」
「ま…まあ、文化祭の準備あるしここら辺でもう良いんじゃないかな…?」
て言うかもう聞きたくないんだよなぁ…
関係ないのに聞かされて…気まずかったし
「まあ、関係ないのに聞かれちゃったしね…うん、じゃ、またね。」
俺が言うとすぐに帰っていった。
…この雰囲気が絶妙に、話しづらい。
「あー…それで…どうする?」
さすがにさっきのこと聞くわけにもいかないし…ねぇ?
「ごめん…こんな姿見せて…」
申し訳なさそうに俯く。
「えっ、いや…大丈夫だよ。文化祭の準備しよっか。」
「うん…ありがとう…」
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コメント
1件
うわー、松本くんの内面と外面のギャップがすごい…!「イケメンの心境わかんねー」の友達のツッコミ、めっちゃわかる(笑)。橘さんに話しかけられた後のデレデレっぷりが可愛すぎて、思わずニヤけたわ。最後の二宮くん登場からの修羅場感、まさかの二次被害で気まずそうな松本くんに同情しつつ、続きが気になりすぎる…!