り×か 有
愛されていないと感じたのは小さいとき。
受け止めるのにどのくらいの時間がかかったのか数えられない。
お兄ちゃんは勉強って言って友達と遊んでる。
お兄ちゃん達が遊んでる時、俺は家でひとりぼっち。
誰もいない、静かな家。
意思はあるけど、俺は存在しているのか分からなくなるほどに。
学校に友達はあまりいない。
1人というより孤独だった。
周りの人がなにを思っているのか分からない。
みんなと同じことをしたら急に怒ってくる。
なにより、たまに殴ってくるのが怖かった。
いつになったら見てくれるのか、喋ってくれるのか。
存在を認めてくれるのか。
夢の中でしか生きられない俺。
現実で生きていけるみんな。
離れていっちゃう。
だから俺はり×かをするようになった。
痛かった。
でもそれより、みんなが見てくれるようにどんどん手を動かす。
動かすたびに増える傷。
傷から流れてくる血をみて希望に頭を支配されていく。
あぁ、やっと見てくれる。
認めてくれる。
それと同時に心配してくれる。
1つ我慢すれば幸せがいっぱい付いてくる。
頑張って、頑張って切っていく。
扉を開けて目を見開くお兄ちゃん。
俺は待ちくたびれたその時に期待をする。
でも、お兄ちゃんが発した言葉は俺が想像していた物とはかけ離れたものだった。
「気持ち悪い。」その一言だけで心臓が無くなるぐらい締め付けられた。
心配、してくれなかった。
認めてくれなかった。
1つ我慢してもなにも手に入らなかった。
むしろマイナス。
目から水が溢れている俺にとどめを刺すような顔を向けるお兄ちゃん。
そんな顔しないでよ。
怖いよ。
もっと離れちゃうの?
床に落ちたカッターと血。
血は醜く、1ミリも希望を見せてくれなかった。
腕をみると希望と共に流れている血。
いまの俺には絶望しか残っていない。
見て、可哀想でしょ?心配でしょ?
お兄ちゃん、本当のこと言っていいんだよ?
許してあげるから
現実に目を向けるから。
お兄ちゃん、認めて。
お願い。
お願い。
コメント
4件
めっっちゃ好き❗
うわ〜〜!!! どタイプすぎます🥺🥺🥺 ブクマしつです🙇♀️