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本気で陸を愛しているからかばうのか、彼女のように陸にセックスの虜にされているだけなのか。はっきり分からないが、冬花が毎日夜中まで遊び回っている問題児だといっても、陸から見れば所詮五歳も年下の中学生。
彩寧さんや彼女のような決して従順な性格ではない同年代の女性たちでさえ思い通りにしてきた陸にとって、まだ幼さの残る冬花を自分の思い通りになる女に変えてしまうことはそれほど困難なことではなかったはずだ。
「どうすれば通報をやめるか? そうだね。陸が傷つけた人たち全員に真摯に謝罪して、自分が持ってる分はもちろん仲間が持ってる分もまとめて、行為を撮影した動画を全部削除させることができれば考えてもいい」
それを聞いた冬花の顔に、それは無理でしょと書いてある。
「無理なら高校卒業も就職内定もあきらめて刑務所に行ってもらうだけ。今まであいつが映山紅さんにしてきたことを思えば、僕としてはそうなることの方がうれしいけどね」
「便器女のためにそこまでやるのか?」
「あのさ、今日の冬花の話で僕が一番ショックを受けたことは何だと思う?」
「便器女が小学生ともやってたことだろ?」
「違う。陸については映山紅さんのことで、もとからいい加減頭にきてたんだ。その上まだ中学生の冬花まで毒牙にかけてたと知ったことが、一番ショックだった。冬花はまだ陸の正体を認めたくないみたいだけど、覚悟しておいた方がいい。あいつは飽きた彼女を振るとき、必ず新カノとのセックスを見せつける。実際、映山紅さんは見せつける方と見せつけられる方の両方を経験させられた。冬花もじきにそうやって振られることになる。僕にとって冬花はかわいい妹とは言えないけど、それでもたった一人の兄弟だからそんなつらい目には遭ってほしくないんだ」
「ふん。大きなお世話だ」
残念ながら、冬花は僕と敵対するつもりのようだ。それなら陸が動く前に僕も動いた方がよさそうだ。