この作品はいかがでしたか?
123
この作品はいかがでしたか?
123
目の前にそびえる、ドクロ模様のついた大きな校門。その後ろに影をのぞかせる、藍色の霧に覆われた黒い校舎。
そして―――黒曜石のような漆黒で、ところどころに金色の光を纏っている大きな銅像。
私、レイラーは、高鳴る鼓動を抑えながらその景色に見とれていた。
ここが…これから私の通う世界最高峰の魔術の学校、『ネクロ魔術学園』。
見ているだけで、その圧倒的な威圧感に押しつぶされそうになる。
〈由緒正しいこの学校に、田舎娘の私なんかが通っていいのかな〉と憂鬱な気分になりかけた私を追っ払い、冷たくて黒い校門に触れる。
ギギギと重い音を立てて門が”勝手に”開いていく。
「すご…さすがネクロ魔術学園…田舎とは違う…」
そして…門を駆け抜けた瞬間、ふらりと視界が傾いた。
「えっ、、あっ」
私は、白い砂利が敷かれた地面に倒れてしまいそのまま気を失った。
重いまぶたを開くと、そこに飛び込んできたのは黒い木を組んで作られたような天井だった。うねりながら枝を絡め合っているそれは、不気味としか言いようがなかった。
そして―――
「ようやく目覚めましたか。生徒番号0580、レイラー」
いきなり頭上から声が降ってくる。体を起こし目に入ってきたのは、人ならざる者だった。
「ひぃっ…!」
骸骨だった。理科室にある人体模型の骨格のやつ(?)がこちらを覗いていた。
「ちょ、怯えないでください。私は、ネクロ魔術学園の事務を務めている者です!」
慌てた様子で骸骨が話す。言葉が発せられるたびにカチカチという音が鳴りそれがうるさい。
「レイラー、あなたは我がネクロ魔術学園の最後の入学試験に合格したんです」
「?」
そこからの骸骨の話はくっそ長かったので要約すると…
・ネクロ魔術学園には、普通の入学試験のほかに隠された試験がある。
・ネクロ魔術学園の校門には、ある程度の魔力がないと開かない仕組みがある。これが隠された試験の1つ目である。
・さらに、校門を入ってすぐの場所に結界が張ってあり、魔力のあるものを弾く仕組みがある。これが隠された試験の2つ目である。
・結界を張った人は誰が結界を通ったかなどがわかる。そのため、魔力のある者を弾く結界があることで、入学生の受付の役割をしている。
・結界に弾かれると、まれに気を失うことがある。気を失ってしまった人を校 内に回収し入学手続きを行うのがこの骸骨の仕事である。
ということらしい。要約しても長いって?要約される前の話をずっと聞いていた私の気持ちも考えろ。
「というわけで、もう入学式終わっちゃったんで!」
いきなり明るくなった骸骨に、私は平手打ちを炸裂させながら叫んだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁあああ!?」
Next Episode…紫電の少女と奇妙な同僚
コメント
2件
うぉうぉ!面白くなってきたじゃねぇかぁ!
最高!上手い!頑張れ!