コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「みことくんってさ、お話するの下手だよね〜。会話しても反応薄いしつまらないや」
こんなことを言われたのはいつだったか。
多分…小学5年生の頃だったかな?
確か、俺が友達と話してて…それでたまたま通りかかって会話を聞いたクラスメイトがそう言ったんだっけ。
もうあんまり覚えてないや。
でも、この言葉だけは忘れていない。いや、忘れられないのだ。
なんでかって?
だって、この言葉が原因で俺は人と話すのに臆病になった。そして中学2年生の時にはもう___人と話せなくなったから。
馬鹿な話だよね(笑)。
あんなの、軽い冗談みたいなものなにさ。真正面からその言葉を受け取って、ずっと考えて、結果。話せなくなって。
ほんと、自分で言っちゃうとあれだけど馬鹿じゃん、俺。
なんであんな言葉を真正面から受け取ったのだろう?
今思い返すと不思議でならない。
でも多分、自覚はあったのだと想う。
俺だって人の感情に全く気がつけないほどアホな人間じゃない。
なんなら、人の感情には結構敏感に気づく方だと想う。
でも、本当に自覚はあった。
昔からそうだった。
俺は周りのみんなと少し……いや、だいぶズレているところが多くて話が噛み合っていないことや、勘違いさせたことが多かった。
そして、そのたびに嫌そうな顔を向けられていることにだって、もちろん気がづいていた。
___ならもう、人と話さないほうがいいのでは?
俺はあの言葉を言われた後、そう想った。
だって人と話さなければ嫌な顔なんてされないし、相手だって嫌な思いなんてしなくてすむ。だから、話さないほうがお互いに好都合なのだ。
だからもう俺は決めたんだ。
もう人と話さないと。