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『学校来てほしい』
さらっと送信ボタンが押せたらどんなに楽だろう。
なんで押せないんだろう。
いつもの調子で、萩原学校来いよってなんで言えないんだろう。
なんで、学校に来て欲しいんだろう。
「あっ凌ちゃん!」
突然名前を呼ばれ、ぱっと視線を声の方にやった。
「おお綾乃、久しぶりじゃん」
中学のときの友達だ。私の高校のすぐ近くの高校に通っている。
「久しぶり、由依ちゃん一緒じゃないの?」
「由依今日委員会で呼ばれたんだって」
「あそうなんだ、由依ちゃんにも会えたらよかったな」
使う駅も同じだが、綾乃はほぼ毎日部活があるためなかなか会わない。今日はたまたまオフらしい。
「凌ちゃんたしか逆方向だったよね?」
「うん、こっち」
「そっか、じゃあまた会えた時にね」
私は、じゃあね、と手を振った。
「あっ凌ちゃん」
『あ、花田』
「ん?」
“3番線に、電車が到着します”
「あっごめん電車来ちゃうね」
『あ、電車』
「いいよ、どうした?」
綾乃は、いいよ電車急いでと言ったが、10分も待てば次の電車が来るからと言って綾乃の側へ戻った。
「私さスマホ壊れちゃってLINEもみんな消えちゃってさ、凌ちゃんとまた交換しときたいなって」
「まじ壊れたの?それは交換しようそれは」
『すがた、に、つき?、、しづき、、?』
姿月。
「綺麗な名前だよね、凌って」
「、、え?」
「いやごめん、なんかちゃんと名前見ることなかなか無いから」
私は笑って、ありがとうと言った。
「ごめんね電車待たせることになっちゃって」
『待たせて悪かった』
『それだけ』