テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
松下一成
成長痛ガチ膝にくる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
そう言ってアリアたち3人は歩き出した─。
***
「ただいまぁー」
レオンの家に着いた。マンションの一室だ。扉を開けると生活感があるものの、綺麗に整った部屋だった。
「おかえりー。人参買ってきてくれた?」
ひょこっと黒髪ウルフカットでピアスが空いた女性が顔を出した。ゆるっとした白の半袖にゆるっとした灰色の半ズボンを着ている。ちなみにレオンはと言うとあ、といった顔をしている。人参買い忘れたみたい。
「おわ!?ちょっとレオ!お友達連れてくるなら言ってよ!ごめんねこんなカッコで。どうぞ、中入りなー」
ひょっこりと顔を覗かせたウルフカットの女性はこっちこっちと手招きをしてくれた。
「お邪魔します。」
「おじゃまします!」
アリアとセオドアはお辞儀をしては靴を脱ぎ、中に入る。
「あたしクロエ。よろしくね」
ウルフカットの女性─クロエは胸に手を当てて自己紹介をする。アリアとセオドアも順番に自己紹介をした。
「アリアちゃんとセオドアくんね。よろしくー」
クロエはそう言いながらチョコレートとポテトチップスを出してくれた。
「ちょっとクロエ、僕たちもう行こうと思ってるんだけど」
レオンが少し頬をふくらませながらクロエに言う。
「えー?まあいいじゃん?ね、2人とも」
私とセオドアはうんうんと頷いた。そんなアリアたちを見て、クロエはレオも座んな、レオンに言う。レオンはすこし不貞腐れたような表情で椅子に座る。
「で、なんで3人は家来たの?」
クロエは机に肘をつきながらポテトチップスを摘む。興味津々といった様子だ。
「俺らソリトゥーディネに行きたくて。レオンが車運転できるって言うから来ました。急に押しかけてしまってすみません。」
セオドアがクロエの質問に答える。この文脈で急に押しかけてごめんなさいがでてくるなんてやっぱりセオドアは礼儀正しいよな、なんて考える。
「え!じゃああたしが運転してあげるのにー」
クロエがちょいちょいと自身を指さす。
「だめ!クロエが運転する車に乗ったら死んじゃうよ!!僕もう二度と乗りたくない!」
レオンがふるふると首を振っている。どうやらクロエは運転が下手なようだ。当のクロエはなんでよー、と拗ねたような表情をしている。無自覚⋯?
「車が運転できるだけで十分すごいと思います!」
アリアがフォローを入れる。するとクロエは自信気な表情になった。
「ふふん、だよねー」
クロエはドヤ顔でチョコレートに手を伸ばす。その横のレオンが立ち上がった。
「あ、僕ソリトゥーディネに行く準備してくるねー!」
レオンはたったったっと奥の部屋に小走りで行ってしまった。たしかに、着替えの服が必要なくらいソリトゥーディネに長く居る事になるかなぁ⋯?
「レオンの準備が終わったら出発するぞ」
セオドアがアリアに言う。アリアははーい、と返事をしてはポテトチップスに手を伸ばした。
***
「お待たせー!」
リュックサックを背負ったレオンが戻ってきた。小さめだから、洋服などは入っていなさそうだ。
「ああ、じゃあ出発するか。レオン、運転頼む。」
「はーい!」
セオドアの呼び掛けにレオンは元気に返事をする。
「じゃあ行ってきまーす!」
「お邪魔しました」
「お邪魔しましたー!」
玄関で靴を履きながらレオンがクロエに言う。それに続いてアリアとセオドアもお礼を言った。
「はーい、気をつけて行ってらっしゃい。アリアちゃんとセオドアくんもまた来てね。」
クロエはばいばーいと手を振る。それに合わせてアリアも手を振った。
「じゃあ行くよー!」
レオンが扉を開けてくれた。外の光が差し込んでくる。
「お邪魔しました、行ってきます!」
アリアがクロエに元気に挨拶をした。その後ろでセオドアがお辞儀をしている。
「またいつでもおいでー」
クロエが手を振る。アリアたち3人も手を振り返した。ドアを閉めて前を見る。これからソリトゥーディネ、行ったこともない場所に悪者に取られたブラウスを取り返しに行くんだ─。そう思うと、いつか見た漫画の主人公のようでアリアの胸は高鳴った。
***
「そこを右だな」
セオドアが曲がり角を指さして言う。それにレオンは「はいはーい」と応じた。
「とりあえずそこから高速道路に乗ろう」
「りょーかい!」
元気よく返事をしてはくるっと右折する。
「クロエさんいい人だったなぁ」
アリアがぼそっと言う。
「でしょ?僕の大事な人なんだぁ」
レオンはふわふわした声でそう返してくれた。でも、ルームミラーから見えたレオンの目は悲しい過去を思い返すような⋯そんな目をしていた。
「クロエはレオンお姉さんなのか?」
セオドアが問い掛ける。言いたくなかったら言わなくてもいいぞと添えて。
「ううん、でも家族みたいな人だよ。⋯あのさ、僕2人にクロエとの関係をちゃんと話したいんだ。でもそれには僕の昔話がついてきちゃうからちょっと長くなるかもなんだけど⋯いい、?」
レオンが少し不安そうにアリアとセオドアをちらりと見る。2人はこくんと頷いた。
「ありがとう、えっとね─」
レオンは少し微笑んで話し始めた。