「全部さらけ出したとして」
仕事が久々に定時で終わった時、頭をよぎったのは 美穂(みほ)のことだった。
もう家にいるかもしれないけど、今日は球技大会だと言っていたから、まだ外にいないだろうか。
すこしだけでも顔が見たい。
会いたい。
淡い期待を胸に、急ぎ足でオフィスを出て美穂に電話をしたけど―――。
“今日体育委員会の仕事したんですけど、
その打ち上げで今カラオケに来てるんです”
だれかに―――男子に名前を呼ばれた美穂は、焦って早口でそう言った。
聞こえた声が准でもないとわかった時、一瞬呼吸をするのを忘れた気がする。
打ち上げでカラオケは珍しくないし、男女が混ざっているのだって頷ける。
だけど……ショックなのは、美穂がそういう場所に行くイメージがなかったからだろうか。
いや……違う。
美穂が男もいる場所に、自分の意思で行ったことがショックなんだ。
(あかねさ***************************
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