こんな日がいつまで続くのか、人の叫び声、無慈悲に響く銃声音。
私達は今戦場にいる。
今日も、銃声の音で目が覚めた。
眠い目をこすりながら、私は今日も国のために戦う。
生きている限り私は戦う。
瀕死になっても、この身が尽きるまで私は戦う。
隣りで人が死んでも、親しい同僚が死んでも、自分の弱いところは押し殺して、人を殺して、国を守る。
それが私達の宿命だから。
分かっているのに、私は1人の人間に恋をしてしまった。
どうせ死ぬと分かっていても、どうせ結ばれないと分かっていても、この気持ちを抑えることなど出来ないんだ。
だって、本当は私だって1人の人間だから。
彼とは、この隊で出会った。
いつも冷静で判断能力に優れている。
そんな彼に恋をしてしまったのは、間違いだろうか…もし彼が死んでしまったら、私は立ち直れるのだろうか、
戦況は、激しくなる一方で仲間はどんどん死んでゆく。
本当は怖くて、逃げ出したいけど、そんなの許されない事だと分かっているから、自分の気持ちを押し殺す。
そんな事を思いながら私は戦場へと歩いてゆく。
すると戦場から隊員に指示をしている彼の姿が目に入った。
あぁ、今日も彼は素敵。
なんてボーッと考えて居ると後ろから、「おい!何ボケッとしてんだよ!そんな事してたら戦場に出て死ぬぞ!」
そう声をかけてくれたのは同僚の天築 茜だった。
「あぁ、ごめん」
と、軽く謝り私達は、戦場に出た。
ドドドッ
銃声が五月蝿く響いている。
目の前で血しぶきが上がり、皆の叫び声が聞こえてくるのだ。
あぁ、私もいつかこんな風に死んでしまうのでは無いか…
なんて考える暇もなく私は夢中で、銃を撃ち続けた。
ピピッ
無線機が鳴る。
「3番隊、一度下がって五番隊の援護をしてくれ」
彼の声の無線。
声もかっこいいなぁ、 あ、下がらなければ。
ドドッ
「ぶなっ」
「お前死にたいのか?」
「あ…ほんと…ごめ」何が起きたか分からなくて、パッと後ろを見るとそこには彼、麗鳴唯 海凪だった。
「え、あ、す…すみませっ」
「いいから早く下がれ。お前3番隊だろ?」
そうだった。急いで下がらなければ…
ありがとうございます。
とだけ言って私は、去っていった。
「お前おせーよ!」
そう言って茜が、私の肩を叩く。
そのまま、私たちは戦った。
夜になり、朝になり、交代して。
その時急に茜に声をかけられた。
「ねぇねぇ天兎。海凪のこと好きでしょ?」
「え、なんでそれ…」
「見てたら分かるって」
「そう…かな?私隠してたつもりなんだけど」
「まぁ、いいんだけどね。俺は別にどうでも」
「じゃあなんで言ったのよ!」
「いいやぁ、そんな気がしただけ」
「それを知ったんなら協力ぐらいしてくれるでしょ?」
「あぁ…いいぜ!任せろよ!」
「!!!…ありがと!」
「海凪!俺と一緒に行こうぜ!」
「いいよ、珍しいね。」
それから俺はどんどん海凪と、距離を詰めるようになった。
そして、俺、海凪、天兎。3人で行動するように仕向け、2人の恋が発展するようにした…
天兎が、喜んでくれるなら俺はそれでいいんだ。
そんな日がずっっと続いて、戦況は、終盤へと差し掛かる。
私は海凪と、少しずつ、茜のおかげで、距離を縮めることが出来た。
「おはよ」
「あぁ、おはよう」
「よく眠れた?」
「あぁ、すごく。」
「今日も頑張ろう。生き残ろう」
なんて、3人で会話をしている時に、私が、ある言葉を発した。
もうそろそろ終わりですね。
そんなことを、軽々しく言うと、彼は冷たい目を向けた。
何故?それはこちら側が、負けそうだからだ
だが、こちらの隊員があと、100人前後。そして向こうも、150人前後といった非常に白熱した戦争である。
だか、私はもう気にしていない。
さ、今日も戦場に行こう。
海凪が、今日はこちらの隊におりてきている。
3人で、戦場に出て戦っている時だった。
私の近くから、鈍いがなり声が聞こえ、激しい血しぶきが、視界にはいる
ドドドッ ヴァ”ァ” ビシャァ
へ?
茜…?
その日で戦争は終わった。
私は生き残ったのだ。
後ろには、仲間の死体が、前には、敵の死体が。
そして私の隣には、茜の死体と、、その横で泣いている海凪。
だけだった。
茜が死んだ後、私は、わけも分からず前戦へ突っ走った。
そして殺した。沢山の人間を。元々私には殺しの才能があったのだとか…
そんなことは、どうでもいい。
とにかく、気づいた時には、味方までも。
でも、海凪だけは死んでなかった。
あぁ、私はなんて罪を犯したのだろうか。
私は、海凪と山の上で、2人っきり。
すると雪が降ってきた。
私が、呟いた。
「寒いね」
そう言うと海凪は、どこか切ないような、もどかしいような声で
「そうだね…」
まるで今の僕達みたいだと、呟いた。
茜君は、報われないのです…
コメント
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ちなみにですね。こちら友達から、リクエストされたものです。思いついて無いんだよね ·͜·