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はぁ、死にたい…。』

休み時間の教室。

1人机に向かって話をしている。

今日は朝から最悪なのだ。

朝起きたらオカンとオトンは、旅行で居ないわ、色んなことがありすぎて日直だったことを忘れるわ、話しかけてこようとする治を避け続け治は機嫌が悪くなるわ、ずっと機嫌が悪いのかと思いきや今 楽しそぉーに 女と話しているわ。 それだけで死にたいと思ってる自分も嫌になるわ。オマケに前やった(半分以上寝てた)テストが帰ってくるわ、それだけならまだいいのだが、悪魔の顔をした角名に北さんに報告され、怒られるわでいい事が全然ない。 俺はなにか悪いことをしたのだろうか。

治のプリンを勝手に食べたから?

信号を無視してしまったから?

テストを真面目に受けなかったから?

そんなことをひたすら考えては溜息をつき、溜息をつけばつくほど自分が嫌いになる。

ふと廊下の方を見ると治が数人の女からお菓子のようなものを貰っていた。 それをなんの躊躇いもなく、笑顔で、本当の嬉しい時の笑顔で受け取るんだ。


とりあえず気分が悪い。

お寿司にチョコをかけるぐらい。

まぁ実際やった事ないので分からないが…。

次の授業受けれそうにないなぁ。

なんて思った為、サボろうと立ち入り禁止の屋上に行こうとする。でもその為には治が居る廊下に出なくてはならない。どうしようかと戸惑っていると、悪魔の角名が来た。

『げっ…』思わずそんな声が出る。

『げって酷くない?笑』なんて言ってくるが、当たり前だ。『北さんに言うなや!!!チクったん角名やろ!!』プクッと頬を膨らまし、角名を見る。 『あ、バレた?笑』と軽く言ってくる。そんで写真を1枚。 『いやいや、流れで撮んなや!』『別にいいじゃん。減るもんじゃないし。』そう言って目を細め俺を見てくる。 なんやこいつ。。 ホンマ悪魔やわぁ……

でもまぁ話してる流れで教室を出ることが出来た。そこだけは感謝しといたる。そん時治は、何か言いたげな顔をしてこちらを見ていたが、気づかない振りをして角名の方に視線をむける。

そして角名に誘いかけるんだ。

“ちょい、屋上でサボらへん?笑“

別に真面目って訳でもない悪魔角名君は、あっさり話に乗ってくれた。



-——-キリトリ線——–

『あぁ〜、テストヤバかったぁ〜。』

今授業の始まりのチャイムがなった。

なんだかんだこうして授業をサボったのは初めてかもしれない。 (基本寝ている)角名が俺に嫌味でも言うように、伸びをしながら上記のことをいう。ホンマに。こいつ結構賢いんやで。見た目と違って。あ、それはチベットスナギツネさんに失礼か…。

『なんなん、それ。俺への嫌味か?』

そしたら、『違う違う 笑 』なんて言って、オッホホって、笑ってる。何か面白いことがあっただろうか?、分からず首を傾げていると角名が言う。

『侑さ、治のことがすきなの?』

俺のほうをじっと見ながら話す。

『え、はっ?//急になんやねんっ…///』


衝撃の事を言われて焦りが止まらない。別にこの反応はおかしいことではないと思う。そう。角名がおかしいんや。

『図星?(笑)』

と、俺の顔を覗き込んで言ってくる。

( 正直言うと分からない。

俺は好きなのだろうか?、それとも嫌い?…

俺は………)

『図星ちゃうしっ!、 別に好きやないもん。

あんなやつ。』


これが本当の気持ちかどうかは分からない。

けど、嫌いとは言えなかった____

そんなふうに答えた俺に、角名は『ふーん、』

と案外興味が無さそうだった。

ホンマなんやこいつ。よォわからん。

しばらくは他愛もない話をして盛り上がった。

そして治の話に戻った。

『治。バレーやめるんだってね。』

『おん。。 』

『それが理由でずっと避けてんの?』

痛いところをついてくる。

自分でも分からないんだ。自分のことが。

それなのにいっちょまえに死にたいとか言って。

治を避けて。 ほんま俺ってポンコツやねんな。

なんか全部アホらしくなってきたわ。

『そぉ、やな。 それが理由や。』

『それはさ、双子だから別の道に進むのが嫌なの?それとも、チームメイトとして、治がバレーをやめる事をもったいないと思うから?』

なんでやろ。そんな事考えたこともなかった。

でも別に双子やからって言う理由では無い。

そんなんずっと一緒っていう事は無理なんや。

そんなこと分かっとる。

でもチームメイトやからでもない。

確かにもったいないとは思うで?

けど、ちゃうんや。

*『俺と、治の間の*何かが壊れそうで、怖いんや。』

*俺と治の間にある*何か*。*

そうだ。それが壊れるのが怖い。

俺と治を繋いでる鎖が、錆びてきてちぎれそうになっているみたいな。

それが治と話していないこの一週間。

だんだんと大きく、深くなっていった。

いつかプツンと切れてしまいそうで。そのまま、また繋げることはできないような。。

*だから、その*何かが壊れるのが怖いのである。

『そっか。 』

俺の話はどこまで伝わっただろう?

角名はもうそれ以上質問をしてくることは無かった。

もうすぐで授業の終わりのチャイムが鳴る。

『そろそろ戻ろ』といって立ち上がった角名を見上げる。『フッ、何その顔可愛い。』そう述べ、“今日、治と話し合った方がいいんじゃない?“ と付け足して、その場を去った。

『え?ん!?///』

今可愛い言うた!?、、

ほんまなんやねん。あいつ。

今日何回言ったか分からない言葉をまた呟く。

そして覚悟を決めた。

『今日、治とちゃんと話し合う。』

そう屋上に言い残し、俺も屋上からでようとドアを開ける。その瞬間チラチラと冷たいものが俺の右頬に落ちてきた。 『雪?や…もう、すっかり冬やな…』

高校2年生の冬。もう進路を決めている人も多い時期。そんな人生の分かれ道で初めて孤独を覚えた。少し、右側が冷たくて、ほんの少し、寂しさを感じさせた。

積もりはしない雪を背中に感じながら、

2年2組の教室まで全速力で走った。

右側を温めるように、

寂しさをかき消すように_______







________________



𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭

君が隣に居るまでは〘治侑 〙

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