クラスメイトは一斉に僕らを見て笑った
こうなると思ったから誰にも知られたくなかったのに……
モブ「はああ!!!緑谷ぁ!?イーヴランドぉ!?ムリッしょ!!」
モブ「勉強出来るだけじゃヒーロー科は入れねんだぞー!」
『いや,僕が受けるのは』
緑谷「そっ…そんな規定もうないよ!前例がないだけで…」
すると勝己が“個性”を使った
爆豪「こらデク!!!」
緑谷「どわ!!?」
その衝撃で出久は吹っ飛んだ
爆豪「“没個性”どころか“無個性”のてめェと没個性があ〜
何で俺と同じ土俵に立てるんだ!!?」
『……………』
はぁ…嫌な事を思い出しちゃった
それに僕は“没個性”じゃないんだけど,知らないから仕方ないか
そもそも僕が受けるのはさぁ
緑谷「待っ…違う待ってかっちゃん
別に…張り合おうとかそんなの全然!本当だよ 」
出久は後退り壁にぶつかる
緑谷「ただ…小さい頃からの目標なんだ…それにその…やってみないとわかんないし…」
その言葉に勝己は反応した
爆豪「なァにがやってみないとだ!!!
記念受験か!!てめェらが何をやれるんだ!?」
さて,そろそろ僕も反撃しよう
『勝己〜』
僕は呑気に彼を呼んだ
『僕,受けるのはヒーロー科じゃなくて普通科なんだけど
やだ,勘違いしたの?早とちり?はっずかしー
先生だってヒーロー科なんて言ってないじゃん
人の話を最後まで聞かずに話して良いのは幼稚園児くらいでちゅよ〜?』
煽りながら勝己に言った
勝己は目をとんがらせ,怒りながら僕を見た
『何?反論されたら怒るの?
小学一年生かよ』
冷たく僕は言った後,机に突っ伏して眠った
そして放課後になり,皆各々帰り始める
『いーずくっ, 一緒に帰ろ〜』
僕は出久の肩をポン,として言った
緑谷「うん!」
出久はそう返事した後,ノートを取ろうとする
しかしそれは勝己の手によって奪われた
緑谷「あっ」
爆豪「話まだ済んでねーぞデク」
『ちょっと勝己』
モブ「カツキ何ソレ?」
モブ「「将来の為の…」マジか!?く〜緑谷〜!!」
取り巻き達はそう言う
緑谷「いっ良いだろ返してよ!!」
出久がそう言った瞬間,勝己がノートを爆発させた
出久の驚いた声が響く
緑谷「ひどい……!!」
勝己はノートを窓から投げ捨てた
僕は怒りで頭が真っ赤になって話が入って来なかった
でも,次の瞬間勝己の言葉がよく聞こえた
爆豪「来世は“個性”が宿ると信じて…屋上からのワンチャンダイブ!!」
それを聞いた瞬間僕はルカ兄ちゃんの“個性”を使って勝己を張っ倒していた
『何してんの?
自殺教唆に窃盗,器物破損
歩く犯罪百貨店にでもなるつもり?』
僕は無意識にヴォックスダディを憑依させた
ヴォックス『少年よ,命が惜しいならサッサとこの場から立ち去るんだな』
角が生え,髪は黒に赤がかった色に染まり,目は黄色くなった“私”を見て“爆豪君”は直ぐに取り巻き達を連れて帰って行った
私は直ぐに緑谷君の方へ向く
ヴォックス『驚いただろう
アイは聞かれてなかったから“個性”の詳細を話した事は無かったな
アイクに会った事はあるか?』
緑谷「え,アイちゃんのお兄さんですよね…?アイクさんって…」
緑谷君はそう答えた
私はほくそ笑んで言った
ヴォックス『アイクも私もアイの“個性”の一つなんだ
アイは複数持ちでね,知られるのが嫌だったんだと思う』
目の前の少年は心底驚き,驚きの声を上げていた
優遇されやすいからな,複数持ちは
“個性”がない時代はいい時代だったものの,今は生きにくい世の中になったものだ
ヴォックス『ところで少年,落とし物はこれかな?』
私は綺麗になっているノートを彼に差し出した
今度は 彼は喜びと安心の声を上げた
私はアイに憑依するのを辞める
髪色が,目の色が戻り,角が無くなった
僕は何事も無かったかのように手を差し出して言った
『帰ろっか,出久』
出久はうん,と返事をした
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!