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「鬼灯さーん」
同じクラスの女の子2人が話しかけてくれた。
名前はたしか、山根さんと川口さん。
「はっ、はじめて女の子に話しかけられた…!」
うれしい…
わたしがそう言うと、2人は顔を見合わせて微妙な顔をする。
「わっ、ごめん、キモかったよね!
忘れて忘れて」
「…鬼灯さんさ、いつも男の子たちと一緒にいるよね?」
「一緒にいるっていうか…うーん…まあ」
「付き合ってるの?」
「付き合ってな…あー…難しいな」
これ付き合ってないって言っちゃっていいのかな?
「ちょっと待って!聞いてくる」
「え?聞かないとわかんないの?w」
「んー…これ結構難しくて…
まあいっか、2人には特別に教えます!」
お近づきのしるしとして。
仲良くなれるかもしれないし!
「付き合ってません!」
「ふーん…なに、キープしてんの?」
「え?キープ?」
キープってなんだ…?
うーん…馴染みない言葉だからわかんない。
「良くわかんないけど、ただ仲良しなだけだよ?」
「いやいや、みんな絶対鬼灯さんのこと好きだよ」
「えっ?」
…え?
「そ、え、うそっ?
…と、友達としてって話?」
「(予想外の反応来た…ガチ照れじゃん…)」
「え、あんた好かれてるって自覚なかったの?」
「いやっ、友達として…
て、ていうか、妹みたいな感じだし」
「そうなんだ〜
(ちょっと予想してない反応だったけど、
予定通り黙らせとくか…)」
・・・
「ねえ、あの二人友達なの?」
ライくん達に話しかけられる。
「え?あ、女の子?」
「うん」
「友達になりたいなーって思ってはいる…」
「友達じゃないん?」
「だって今日話せたばっかだし…」
「会話聞いてたけどさ、失礼すぎ」
「わたし?どこ直せばいい?」
「違うよ。ひよじゃなくて2人」
「え、そうかな?」
普通にかわいいし、話すの楽しかったけどな。
「雛は人の悪意を知らなすぎ。
どう考えても馬鹿にされてたでしょ、
あの態度は」
「だって…」
「とにかく、あの2人になんかされたらすぐ言うこと」
「なんもされないよ〜」
「だといいけど」
…
「ていうか会話聞いてたの!?」
「まあね」
「これ初歩だから」
「えぇ…」
・・・
「鬼灯さ〜ん!」
「あっ!川口さん」
川口さんと昇降口で居合わせた。
「申し訳ないんだけど、わたしの机から数学のノートとってきてくんない?」
「数学のノート?」
「うん、そう。
わたしここにいろって先生に言われてて…
もしよかったらなんだけど」
「ぜんぜんいいよ!ちょっと待ってて」
わ〜っ!
うれしい!!
わたしは階段を駆け上る。
頼ってもらっちゃった…
わ〜!
「えっと…確かここだったよね…」
わたしは机の中を探す。
あれ…なさそうだな…
いちおうロッカーとかも探してみるか。
・・・
全てうまくいった。
鬼灯さん、バカだなぁほんと。
もうすぐ8人がここに来るのもわかってる。
だって、待ち合わせてるはずだから。
鬼灯さんと話してる間は、山根が足止めしてくれてたはずだ。
そして今から山根が教室に鍵をかけてくれることになっている。
鬼灯さんは教室から出られなくなるはず。
で、そろそろ…
「〜!」
「〜、〜?」
きた!
「…あれ?雛は?」
「あれっ、居らんやん」
「トイレかな?」
「もー…足止め食らったせいでひよのこと見逃したんだけど…!」
「あっ、雛ちゃんですか?」
わたしは話に割り込む。
「雛ちゃん、もう皆さんと関わりたくないって言ってましたよ」
「えっ?」
「もう飽きたって。
でも、せっかく待ち合わせてるんだし、一緒に帰ったらって言ったんですけど…」
止められなくて…
先に帰っちゃいました…
少し俯きながらそう言う。
あーあ…
これで完全に終わっちゃったなぁ…w
みんな黙っちゃってるし。
「…www」
「ふはははwww」
えっ?なんで笑ってんの??
「それは口からでまかせだな」
「一人で帰りたかっただけかぁ」
「えっ?」
な、納得しちゃうの??
「え、だってあんなひどいこと…」
「いや、飽きるとかそういうん無いもん」
えっ…なんでこんな自己肯定感高いの…
予想外すぎるんだけど…
「川口さーん!!!!!」
「え?ひよ?」
…えっ?はぁ?
なんで鬼灯さん出れてんの!?!?
「ごめん!!教室にノートなかった…!
あと、なんか鍵ぶっ壊れて外に出れなくなっちゃって!」
肩で息をしながら頭を下げる鬼灯さん。
「え?居るやん」
「…嘘ついた?」
「そっ、そうじゃなくて…ぇ…???」
何この状況…
頭パンクしそう…
てかなんで出れてんの…!?
「さっきからなんの話ししてるの…??
あ、あとドア壊しちゃったから弁償の話しにいかなきゃ…」
ドア壊した!?
「えっ、ど、どうやって壊したの!?」
「えっ?あ…その、電動ドリル?」
「なんで電動ドリル常備してんの!?」
なにこいつ…!?
「ライくんが護身用にくれたやつ使った!
あれ役に立つんだね」
「それよりさ…」
空気が凍りつく。
「お前、なんで嘘ついた?」
「ちがっ、わたしも理解できてなくて…」
「え?なんの話?」
「ひよ、気づかない?
今、こいつはひよのこと利用しようとしてたんだよ」
「え?」
「どうせ鍵かけたんだろ?
雛が出れないように」
「ほんっと最悪だな」
「ちが…こんなはずじゃ…」
鬼灯さん、ずるい。
こんなに8人に守られて…
「雛がかわいいからって虐めんなよ」
「…。」
悔しい。
悔しい悔しい悔しい!!
鬼灯さん、喋らないし。
心の中でわたしのこと笑ってるんだ。
「…まあ、こんだけ嫌な奴ムーブしてたら
いじめたくもなるんじゃないかな?」
…は…?
「だって端から見れば8股かけてるクソじゃんか、うち。
だから悪いのはみんなね」
え?なんでそこに飛び火してんの?
「まあ雛がそう言うならそうなのかも」
「さすがに俺らが悪いか」
「やっぱ俺らのせいだよなー」
「えっ???」
「じゃあお父さんに弁償の電話かけるか〜」
「えっ、ウェンくん掛けてくれるの?」
「いいよ〜
番号なんだったっけ?」
「え、忘れたの?」
まさかの父親公認なの!?
なにこのバカップル集団。
キモすぎ。
かかわらないようにしとこ…