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星導視点
夜、俺らはお父様の部屋に招集された。
たぶん学校でのことだろうな。
「ライくん。
マジでありがとう」
お父さんがライの手を握る。
「護身用の武器を持たせてくれたのは本っ当に天才だったっ…」
「いやいや、いーんですよそんくらい!」
ライが得意げな顔をする。
「そしてみんな!
雛のことを虐めたクソガキ2人は
絶対に殺してくれ(切実)」
「いや、あのそれお父さんの一存じゃ実行できないんで」
「あと、ひよ自身に止められてるんすよ」
「えっ…」
お父さんは一瞬固まる。
「なんて心が広いんだ…あの子は…🥺」
「同意見」
「わかる」
「(頷き)」
※親バカとガチ恋のみの空間
「扉は弁償できそうなんすか?」
「あぁ、もうできてるよ」
「早っ」
「さす金(さすが金持ち)」
「よしみんな、今日は解散!」
「あっ、ちょっと待ってください」
「ん?」
「お父さんに質問があったんですけど」
俺は話を切り出す。
「お父さん的には、俺らの誰かと雛が結婚するのってアリなんですか?」
「えっ…(´・ω・`)」
あ、お父さん思考フリーズしちゃった…
「そ、それってもしかして、
皆雛と付き合いたいのか?」
『もちろん』
「…」
お父さんは少し考える。
「まあ、みんなにだったら任せてもいいかな」
「えっマジっすか!」
「まあ、一番近くで雛のことを守ってくれているし…」
俺らは顔を見合わせた。
これってつまり、
【親公認カップル】
…ってコト…!?
※違います
・・・
「ん〜…」
わたしはベッドの上に転がった。
この前言われたことを思い出す。
“付き合ってるの?”
“絶対みんな鬼灯さんのこと好きだよ”
“好かれてる自覚なかったの?”
…あー!!!
「んー!」
わたしは枕に顔をぎゅっと押しつけた。
そんなわけないんだから。
妹みたいな感じで過保護なだけ。
“俺もハグしたい”
“さすがに可愛すぎたか”
“ひよが心配なんだよ”
…う〜〜〜
みんなほんといい加減にして…!!!
そう、わたしがみんなにときめく必要なんか無いんだから…
お互い恋愛対象じゃないし…
家族みたいなものだし…
同じ家に、住んでるんだし…
そう、なにも気にしなくていい。
今まで通り。
・・・
あの日の放課後。
告白された時のこと。
「呼び出してごめんね。誰かと待ち合わせてる予定とかあった?」
「いやっ…大丈夫だと思います!」
「そっか…。あのさ、
もう察しついてるかもしれないけどさ」
わたしを呼び出したのは、2年生の陸上部の先輩だった。
ふつうにかっこいい。
「好きです」
「…」
「って言っても、俺が一方的に鬼灯さんのことを知ってただけだからさ…
もしよかったら、友達になってくれませんか」
すごく理想的な告白だと思った。
こんな告白されたら嬉しいんだろうな…
そう、他人事に思った。
「ごめんなさい!
気持ちはすっごくうれしいんですけど。
わたし、たぶん先輩が思ってるような女の子じゃないと思いますよ」
「…そっか。ならしょうがないね」
「……はい」
彼氏。
高校生になるまであまり考えていなかった。
欲しいな、とは思ってたけど。
告白を受けて、なんだか遠のいてしまった。
だって、ときめかなかったから。
だけど。
もし付き合うなら、ああいう人がいいのかな…