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阿形side
カゴメちゃんのことが心配なのはめっちゃ本心だし、絶対助けに行きたい。
隈ちゃんやみんなだって一緒に探してるし、俺だって役に立ちたい!
けど…
おかめ「…阿形?」
阿形「ひゃいー!?!?!?」
おかめ「ごめんね、びっくりさせちゃって…」
びっっっっっくりしたぁ!?
おかめさんに呼びかけられただけなのに心臓ばっくばくなったんですけど!?
ぞぞぞぉってなった!
ぞぞぞぉって!
背中がぞぞぞぉって!
今絶対30センチくらいは飛んだよ!?
おかめ「やっぱり君だけでも避難した方が…」
おかめさんは、俺が怖がってるのを心配して避難場所に連れて行こうと反対の方へ戻ろうとした。
阿形「い…いや、カゴメちゃんも一緒じゃないと俺が嫌っす!」
俺は戻ろうとするおかめさんの腕を引っ張った。
阿形「そ、それに…!」
おかめ「…それに?」
結構びっくりした顔で、俺の言い訳を聞くおかめさん。
阿形「それに、おかめさんだって俺が居ないと、真っ暗な中校舎なんか歩けないじゃないっすか!」
顎に手をくっ付けて困ったみたいに考えてる、やっぱ生意気だったかな。
おかめ「はは、そうだね、俺がちゃんと着いてるから大丈夫だよ」
眉毛が下がった優しそうな顔で笑った。
俺の頭を子供みたいにぽんぽん撫でてくれて、正直泣きそう。
涙を我慢するみたいに大きく頷いた。
おかめ「…!っ危ない!!」
俺の後ろを見て何かに気付いたおかめさんが、俺をかなりの力で壁に押し付けた!
阿形「ぐぇっ?!」
何が何だかわかんない!
…って思う暇もなかった!
突然目の前をでっかい火の玉が通り過ぎて行こうとしたのが、おかめさんの後ろから見えた。
真っ白な毛で全身に炎を纏ったおっきな狐だ!
阿形「う、うぎゃあああああー!!」
思わず泣きながら叫んで、おかめさんに離してもらいたくてめちゃくちゃに手足をバタバタさせた!
おかめ「阿形落ち着いて、彼は…」
阿形「ひぃぃい!こっち来たぁぁーー!!」
おかめ「落ち着いてって!大丈夫だから!」
落ち着いてられないよぉ!
いやだぁ死にたくない!
まだ死にたくないよぉ!!
おかめside
おかめ
「し、仕方ない。こうなったら荒療治だ…!」
俺は阿形くんがパニックから治らないことを理解して、懐から武器杖を取り出す。
一振りすれば瑠璃色に光りながら、あっという間に紫色の銃へと姿を変えた。
おかめ「じっとしててね。大丈夫、痛くないよ…!」
火に焼かれて苦しそうにする狐の魔物、いや、正しくは妖狐に化けた妖の人だ。
彼の頭上、廊下の天井に銃口を向ける。
引き金を強く引くと、発泡音とともに勢いよく飛び出した光線と、それに纏った流水が狙い通りの位置に命中。
水が妖狐に降りかかって、ジュウゥ…と炎が消された。
阿形「…んぇ?えっ??えぇっ!?」
やっと落ち着きを取り戻した阿形くん。
慎重に、取り押さえてた肩を解放すると、腰を抜かしながら妖狐に近づいた。
?「…ぅ、うぅ」
おかめ「君、大丈夫?」
ところどころ焦げた白い毛肌の獣が、瞬く間に俺たちとほとんど変わらない姿に戻った。
?「た…助かり… ました。 ありがとう、御座います 」
阿形「え?ぅえっ?!人だったの?!?!」
突然の事で混乱している阿形くんと、炎にやられてまだふらふらしてる妖くん。
まずは妖くんの怪我の状態を診ておこう。