テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
82
1,648
#恋愛
雪音
31
「じゃあ、改めて行こっか」
私が言うと、4人も歩き始めた。
今度は絶対にはぐれないように、私は4人の少し後ろを歩く。
「……心音」
「ん?」
蓮くんが振り返る。
「もっとこっち来い」
「え?」
「またはぐれたら面倒だから」
「……分かった」
私は4人の近くまで歩いた。
すると怜央くんがニヤニヤしながら蓮くんを見る。
「蓮ってさ、心音のこと結構気にしてない?」
「は?」
「さっきも一番最初に探しに行ったの蓮だったじゃん」
「別に」
「ふーん」
「うるさい」
蓮くんが怜央くんを睨む。
「何話してるの?」
私が聞くと、
「何でもない」
蓮くんが即答した。
「怪しい……」
「気にすんな」
「はいはい」
私たちはそのまま歩いていった。
しばらくすると、目的のお店が見えてきた。
「ここじゃない?」
「ほんとだ!」
店の前にはたくさんのお土産が並んでいる。
「何買おうかな〜」
私は店の中を見ながら歩く。
「家族に買うならこれとかいいんじゃない?」
陽向くんが商品を指差す。
「かわいい!」
「じゃあ、それ買えば?」
「うん!」
私は商品を手に取った。
すると、後ろから湊くんが声をかけてきた。
「それ、さっきから気になってたやつじゃない?」
「え、分かるの?」
「ずっと見てたから」
「……よく見てるね」
「たまたま」
湊くんはそう言って、別の商品を見る。
なんだろう。
4人とも、思っていたよりちゃんと私のことを見てくれている気がする。
少し前までは、女子と同じ班になったことを嫌がっていたのに。
「ねえ、みんなでお揃い買わない?」
私が言うと、4人が固まった。
「……お揃い?」
怜央くんが聞き返す。
「うん。せっかく同じ班だし、修学旅行の思い出に!」
「俺は別にいいけど」
陽向くんが答える。
「俺も」
湊くんも頷いた。
「……まあ、いいんじゃない?」
怜央くんも続く。
最後に蓮くんを見る。
「蓮くんは?」
「……好きにすれば」
「じゃあ決まり!」
私は笑った。
最初は最悪だと思っていた班。
でも今は。
この4人と一緒にいる時間が、少しだけ楽しいと思っていた。
コメント
3件
うわあ、距離が縮まってる……! 蓮くんが「またはぐれたら面倒だから」って言いながら心音を呼び寄せるところ、ツンデレすぎてにやけました。湊くんが心音の視線に気づいてた件も好きポイント。「たまたま」って否定するところが逆に効いてる。お揃い買おうって提案する心音がもう全然遠慮してなくて、関係性の変化がちゃんと見える構成、じんわり来るものがありました。この班、好きになりそうです。