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風花
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シェアハウスからみんな出て、今は撮影やFC関係のことがあるとオフィスに集まる。
るなさんはまだオフィスに行ったことがないので、今日はお邪魔したいのだとか。
「のあさんがさ、駄菓子屋みたいにしてるの」
「お菓子いっぱいなの??」
「そうそう」
慣れた手つきでマスターキーを通した。
その仕草にるなさんが興奮する。
「わぁ、わぁなんかオシゴトするひとみたい」
「まぁ俺らには一応オシゴトだからね」
可愛い反応に目尻が緩む。
一応これでも社会人経験がある俺からしたら、そこが気になるポイントなんだと笑ってしまった。
まだ大学生だもんな。ちょっとした憧れもあるのだろう。
「るな、スパイのしばさん好きなんです」
聞けばスーツ姿が好きとか。
なら一生スーツきますけど。
「はは、そーなの?でもあれは俺じゃなくて本部さんよ」
「あ、そーかしばさんじゃない…両方好きです」
るなさんはえへへ、と照れ笑いした。
…
……
………
…………かわ…
本音を言うならこの後の用事全部ほっぽり出して家に帰りてぇな。無理だけど。
とまぁほぼ惚気ていたらしっかりオフィスの前に到着していた?
「もうみんないるのかな?」
「時間的に早いからなぁ、どうだろね」
ドアノブを引けば鍵はかかっておらず
二人で顔を覗かせた。
…ら
「ギャーーーーー!!!!シヴァさんとるなが手つないでるーーーー!!!!!!泣!!!!!」
「じゃぱぱさん抑えてっ!!!」
「じゃぱぱ素数数えるんやで!!!」
「「…」」
一番面倒な人にエンカウントしちまった。
なんつうか……もうさ……。
サーバー上なら剣か斧か弓かむしろスコップでも殴りかかりにいくとこだったぞ。
「じゃ、じゃぱぱさん」
騒ぐリーダーを鎮めようと、るなさんが手を解こうとするから
心中複雑になり握る手を強めて、るなさんをこっちに引き寄せた。
こうなりゃ嫌でも目に焼き付けてやる。
「しばさん////」
「ハァーーー!?54:6騶ラ$ナ.go.jp‰✣ღЙ¿/!!!!」
声にならない声をあげるじゃぱぱさんをよそに、るなさんを胸に引き寄せる。
隣で抑え込んでるのあさんと、たっつんには悪いけど。
二年たってんだぞいい加減慣れろ。
「ごめんね、とにかくるなさんもシヴァさんもはいって~」
「のあさ〜ん!!」
「るなさん久しぶり〜!!」
のあさんとの再会を喜ぶのに、俺の意志はいらない。
パッと手を離してあげると、るなさんはのあさんへ飛んでいった。
「…私はいいんだネ」
ふふふ、と含み笑いをするのあさんに
「のあさんに歯向かうなんてバチがあたるから」
ニヤリと歯を見せて笑った。
るなさんにとって、のあさんはお姉さんだ。
今でもなお、密に連絡をとったりするのを知っている。
それこそ俺がのれない相談とか、るなさんは真っ先にのあさんに話している。
「ありがとう、のあさん」
「いえいえ」
「??ふたりとも、どうしたの…??」
るなさんが俺とのあさんを交互に見る。
なんでもないよ、と伝えておいた。
「るな!勉強頑張ってる?」
「るなさん久しぶりー」
「もふくん、ヒロさん!!」
のあさん特性駄菓子コーナーで頬張る二人に、るなさんは挨拶した。
「るなさんはオフィス初めてなの?」
「そうなんですよ、るな初めてです…ヒロさん映画みましたよ〜すごく王子さまで素敵でした〜」
「いや〜そうかなぁ」
褒められてれるヒロくんを見て、まぁ王子様だからなぁと納得させる。
女の子の推し多いからなぁ。
「ほんとのほんとにかっこよかったです」
「ははは、ありがとう」
二人からはお花が飛ぶような、ほのぼのとした会話が繰り広げられている。
るなさんもヒロくんもだいぶねっこは似ている気もするけど…
「でもシヴァさんもカッコよかったでしょ?」
「え、うん、うん」
そう話をふられ、るなさんは頬を赤らめる。
「たっつんとシヴァさんでさ、カッコいーの着てたでしょ?腹筋見せてるやつ」
「あ、あれ…」
「ほら、俺もかっこいいって言ってくれるのは嬉しいけど。彼氏は気にしてるみたいだよ?」
「え?」
まさかヒロくんに揶揄われる日がくるとは。
そんな気にしてないよ、と二人には言ったけど。
…るなさんが他のメンバーをしっかり褒めてるところはまぁちょっと少したぶん気にしたけど相手がヒロくんだから仕方ないって言うか(早口)
「まぁ、あれはスキンのテクスチャだけど」
なんてちょっと謙遜してみたら
「いつも見ますけど、 シヴァさんお腹割れてますもんね」
「い、いつも…かぁ…」
るなさんの爆弾発言に、ヒロくんが顔を赤らめた。
「ところでシヴァさん?今日はるなこれからどうするの?」
「もふくん!」
否定する間もなく、もふくんが微妙な空気に割って入ってきた。
「俺んちで待っててもらおうかなと」
「ですです」
ずっとオフィスにいても大丈夫なんじゃないのかと提案したけれど、るなさんは邪魔になるのが嫌だと言うので
ならばうちで待ってたら、と提案したんだけど…
「えー!?るなここいていーよ!!」
「じゃぱぱさん、でも」
「今日一日、臨時のマネさんやってくれたらいいなー」
いつのまにか復活していたじゃぱぱさんが、るなさんにお願いする。
悔しいが、じゃぱぱさんもわかってる。
遠慮しがちなるなさんが、どうしたら留まってくれるのかしっかり理解してるのだ。
結成時、のあさんと鬼のようにるなさんを可愛がっていたからなぁ。
メンヘラ保護者になるのも無理はない。
嫌だけど。
「飲み物なくなった、買いに行ってくれたりとかさ。どかな?」
「あの…」
俺を伺っているのか、るなさんがちらりとコチラを見た。
「俺もるなさんがいてくれたら嬉しい」
そう、言葉を添えた。
俺だって一応彼氏だから、るなさんの気持ちくらいよくわかる。
どちらでもいいよ、と選択肢を与えるより
俺の素直な気持ちを話したほうがいいのだ。
「じゃ、じゃあやります…!!」
るなさんの顔は顔を明るくなった。
なんだかんだで、みんな放っておけないのは一緒だ。
「……ねぇ!!!シヴァさんとるなが今アイコンタクトしたぁ!!!」
「あのさぁ」
さっきの理解あるじゃぱぱさんはどこいった??
メンヘラ保護者に呆れつつ(後ろでは、もうのあさんもたっつんもぐったりしていた)
その様子をるなさんがにこにこと見守っていたので
…まぁよしとするか。
「今日一日お疲れ様です」
「るなさんもね、おつかれ」
とっぷりと暮れた道を、キャリーケースを引きながら二人で歩く。
なんだかんだ撮影終わりにオフィスでみんなで飯食って、気づけば日付が変わるちょっと前だ。
「ピザ美味しかったですねっ」
「久しぶりに食ったなぁ」
るなさんの好きな物食べようか、とじゃぱぱさんか提案したところ
るなさんが答えたのはピザだった。
「シェアハウスの時、夜遅くになったらみんなで何回か食べてたから…懐かしかったです」
今でも思い出す、シェアハウスの出来事。
偶然が重なって必然になり、あの小さな箱にはで俺たちは大切な時間を過ごした。
寂しくないといえば嘘になるけど、
まぁ後ろばっかり向いてられない。
これから先進む未来は希望に満ちてるはずだ。
「でもああやって、新しくオフィスってカタチでみんなて集まれるしね」
「そうですね!るなも仲間に入れてもらえて嬉しかった」
「当たり前だよ」
部屋につき、鍵をさしてゆっくりと回した。
「るなさんだって、からぴちの一人だから」
「はい!」
部屋に招き入れ、鍵をかけた。
……。
「お部屋真っ暗。電気つけて---」
靴を脱ぎ、玄関から上がるるなさんを後ろから抱きしめる。
「わ、シヴァさん?」
戸惑う彼女を他所に、華奢な肩に顔を埋めた。
「ど、どうしました?」
久しぶりの再会で、やっと二人きりに慣れた。
遠恋って思っていた以上にしんどい。
だけど男の俺が口に出すのも恥ずかしく。
理解あるフリをしていた。
「やっと二人っきりになれたなって」
「ごめんなさい!長居しちゃったかな?」
「いやそうじゃない。楽しかったしな」
みんなといたくなかった訳じゃない。
嬉しいそうにしているるなさんを見ているのは、幸せだった。
「…るなも早くふたりっきりになりたかったですよ」
「はは、じゃあ一緒だなぁ」
「そうですねぇ」
るなさんはくるりと向きを変え、俺に向き合った。
「はー……」
そのまま、俺の胸に顔を埋めた。
愛おしくて腕の力をより込める。
るなさんの小ささが余計に際立った。
やっとこれから二人の時間だ。夜は長い。
「とりあえず風呂入んなきゃな、るなさん先に入る?」
「え?あれ?」
「え???どした???」
お風呂をすすめただけなのに、るなさんがソワソワするから。
なんか変なこと言ったんじゃないかと不安になった。
いやいや変なこと言ってな…いよな???
「あ、あ、なんでもないです!!」
「って顔してないけど」
るなさんは嘘をつくのが下手だから、否が応でも何かを隠しているのがわかった。
なんだろ。
「ごめん、俺なんか変なこと言ったかな?」
恐る恐る尋ねると、るなさんが顔を真っ赤にしながら大きな目でこちらを見つめてきた。
「一緒に、その、入るんだと思ってました…」
「…」
爆弾発言第二弾とともに、長い夜はスタートした。
コメント
3件
ほんとにカップルっぽくなってて ガチ泣きしました👈🏻 次も楽しみにしてます🫶🏻︎
うわぁ〜〜〜〜!!!第36話読み終えたよ!!😭💕 じゃぱぱさんのギャン泣きリアクション、めっちゃ面白かったww 54:6騶ラ$ナ.go.jpの謎文字に吹いた🤣 でも最後の「一緒に入ると思ってました」のるなさんの爆弾発言で全部持ってかれた…!完全に不意打ちのエモキュンでしたありがとうございます🙏💘 遠恋のしんどさとオフィスでの再会、みんなとの温かい時間、そして二人きりの夜…全部詰め込まれてて最高でした!のななさん、素敵な時間をありがとうございます🌸