テラーノベル
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貴方は虚空を見つめている
きっと僕には見えない誰かを
君にしか何かを見つめている
初めて会った日から
君の纏う儚くて
目には常に寂しげな色が映っていた
すぐに消えてしまいそうだった
そんな君が嫌いだった
君を信じていたいけど
信じきれない僕がいる
そんなことくらい
世の中には溢れかえっているでしょう?
そうやって
その度怒って泣いて行くの?
でもきっといつか分かり合えるって信じてる
さよならの一言でわかってしまった
フェンス越しの空が
君の姿と重なって
夜に染まり始めている
そんな君を見て
どんな言葉も届かないと悟った
君の瞳に釣られて
終わりにしたいだなんて零したとき
君は初めて笑ってくれた
街の喧騒すら愛せなくなった時でも
僕の瞳に映る君は
朝を待つ泣き顔すらも美しかった
代わり映えのない日々に
辟易していた僕を
君は優しく終わりへ誘う
君に差し伸べられた手を見て
頭が妙に鮮明になる
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々の
救いのように手を伸ばす
フェンスを超えたさきで
涼しい風が
空を泳ぐように吹き抜けて
もう一度君の手を固く握りしめる
夜に駆けるように落ちていく
そして思い出した
君はただの幻だったのだと
鮮やかな赤に染まる僕を
その空虚な瞳で見下ろした
君は一人で朝を歩いていた
#お話し
くーぴー
65
はるねこ
524
#永遠亭
🐰因幡ぽかり🖤
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コメント
4件
今回もめちゃくちゃ良かったです!!!! まさか今回はYOASOBI様の 「夜に駆ける」ですか…? もしそうでしたら嬉しいです…! 語り手は大切な君を信じきれず 別れを告げる君の瞳に釣られて、 「終わりにしたい」と 言ってしまった様ですね… その言葉に君は笑い、 2人は外へ身を投げたのですね… ですが…まさか君が幻だったとは… これから○後の世界へ行く語り手は 果たしてどうなってしまうのでしょうか?
この詩、すごく好きです。「君はただの幻だった」の一文で、それまでの切ない情景が全部違う色に見えてくる。フェンス越しの空と夜に染まる姿、そして最後の「一人で朝を歩いていた」君——読んだあと、余韻がずっと続いてます。心の奥がぎゅっとなるような、美しい終わり方でした。