テラーノベル
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kn視点
目を輝かせるかわいい子の期待に応えてしまった。
「歌を歌って欲しい!」
正直少し迷った。
理由は両親から反対されてきた音楽教師への道。
歌を歌えば、
“んー、あのね、そんなに上手くないわよ。”
“ねえ、やめない?”
そんな言葉が頭を巡る。
それからというもの、人前で歌うことを躊躇していた自分が居た。
その癖して、彼の一言で心が動いた自分のちょろさに驚愕した。
多分俺だって、
「歌って!」
って言われるところまでは耐えれてたんだと思うんだけど!
「だめ?」
で、やられた。
まあ、心臓掴まれた感じ。
気づいたら立ち上がって歌ってた。
久しぶりに歌った、楽しかったな!
もう開き直ってそう考えることにする。
そんな感じで思考をめぐらせていると、
「きんさんの歌独り占めだね♪」
なんて煽りが飛んできた。
ふ!
これっぽっちで赤くなるほど俺は青くない。
「うん。ぶるーくだけ。」
大人の余裕を見せつける。
これは恥ずかしいでしょ〜、我ながらピンポイントで突いたな〜。
返答が無い。
え?どうした?
恐る恐るチラリとぶるーくの方を見る。
「え」
顔を背けて手で覆っている。
しかも耳まで赤い。
こ、
こいつもしや笑ってんのか!?
「ぶるーく!こっち見ろー!」
笑われてる自分に恥ずかしくなり、ぶるーくをギギギとこっちを向かせる。
「まって、きんさん、」
「見ないで〜!」
手首を掴んで顔を見たら、
ぶるーくは真っ赤だった。
でも、
さっきと違う意味の。
「て、照れてる?」
「ぶるーく?」
「〜!!!ー!!、」
「きんさんのせいでしょ!!」
ばっとまた顔を隠し、屋上の出口へと走って行こうとする。
「!階段危なー」
ゴン!
「?!おい!」
「あててて、」
急いで駆け寄る。
「あちゃー、脚擦っちゃった。」
血が出てる。
これは急いで保健室に行かなきゃ。
でもぶるーく脚やってるし、走らせるのは良くない。
え、ええと、
「ぶるーく!背中!乗って!」
「ええ?!」
「いいから!」
「でも、おんぶ、、」
「いいから!」
ぐっと何かをこらえる顔をしたあと、俺の背中にいそいそと乗ってきた。
ええい!なんとかなれ!
次回保健室🌟🌟
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