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こめみかん
#賽子
#ご本人様には関係ありません
兎雪。@新連載始動
9,363
⚠️irxs桃青
青くんまだ仕事してる世界線
青くん病んでます
🐿🦟表現🈶
4000字越えてます
語彙力🙅パクリ🙅
地雷さん🔙
青side
スマホの画面には、深夜1時をとっくに過ぎたような時間が表示されていた。
それでも、俺は、玄関の前で靴を脱いだまま蹲る事しかできなかった。
”家に帰る“
ただそれだけのことが長い地獄から逃げ帰ってきたかのような感覚。
青│疲れた…
真っ黒な空間で独り呟く。
暫く経って、やっと重い身体を動かした。
本当なら風呂に入らないといけない。
ご飯も食べないといけない。
明日の予定を確認しないといけない。
やることは分かってる。
頭では理解している。
でも、身体が動こうとしなかった。
倒れるようにソファに沈み、目を閉じる。
『いふ、この資料だけど…』
「はい、何かありましたか?」
『…君ならもっと出来ると思ってたんだけどなぁ』
『正直、がっかりしたよ。』
そんな、上司との会話が頭の中で再生される。
別に、怒鳴られたわけではない。
殴られたわけじゃない。
ただ単に俺が期待に応えられなかっただけ。
昔は期待に応えようと必死に頑張れた。
頼られることが嬉しかったし、そこに自分の存在意義を見出せた。
それなのに、最近はどれだけ頑張っても認められない。
それでも、今の俺には“俺がもっとちゃんとすればいいだけ”と言い聞かせる事しかできなかった。
昔から何かあるたびに自分に言い聞かせてきた言葉。
他責よりも自分を責めた方が遥かに楽だから。
そんな時に、そばに置いていたスマホが震えた。
桃│まろ?
桃│元気?
そんな短いメッセージ。
それでも俺の心は少し軽くなったような気がした。
でも、メッセージが来たからには返信しないと何か気付かれるかもしれない。
あいつは勘がいいから。
そう思って、手を動かした。
青│大丈夫。
桃│…w
どうせ嘘やろ
青│…なんで分かるん?w
桃│いつもより既読着いてからの返信が遅い
青│こえーよw
桃│相棒舐めんな
青│舐めてねぇよ
桃│どうせなんも食べてないんやろ? 一口で良いから何か食べて早く寝ろよ。
今は活動のこと気にしないでいいから。
青│ん。
もはや流石としか言いようがない。
ないこに言われてしまったから、仕方なくおにぎりを一口食べる。
全部は食べれなかったけど、それでも食べないよりはいいだろう。
そう思いながら、俺はソファに身体を預けた。
翌朝、いつも通りの時間に起きて、スーツを着て鏡を見る。
寝不足を隠すために前髪が少しだけ目にかかるようにした。
疲れを悟られないように無理やり笑顔を作る。
青│大丈夫。
俺なら出来る。そう信じて俺は会社に向かった。
そんな生活を送っていたある日、ないことの会議が入っていた日、そんな日に限って、急に異変を感じた。
いつも遅刻するほどの寝坊なんてしていなかったはずなのに、集合時刻を30分以上すぎてしまっていた。
慌ててスマホを見るとないこからの着信履歴。
「やばい」
それしか頭に浮かばないまま、ないこに
『ごめん。今起きた。』
それだけ送って急いで家を出る。
そこからどんどん今までの俺にとってはあり得ないような小さい変化が増えていった。
あんなに好きだったネトフリも見る気力が湧かない。
休日は何もしないまま時間が過ぎていくだけ。
それでも俺は仕事に行き続けた。
そのまま更に時間が過ぎたある日、突然職場で上司に名前を呼ばれた。
『いふ。』
「はい」
『これをいふに任せようと思っているんだが… 』
『大丈夫だよな?』
「はい」
「頑張らせていただきます。」
逃げ場のなくなるような上司からの圧を感じながらそう答える。
その後はずっと仕事漬けだった。
せっかくの大きな仕事だから、失敗は許されない。
期待にも応えないといけない。
でも、俺にはそれだけじゃない。
いれいすの方の仕事だってやらないといけない。
勿論裏方の仕事はメンバーに頼ってしまっている。
だからこそ、これ以上迷惑をかけたくないから、配信などのリスナーに気付かれるようなものはどんなに大変でもやり切る。
時間をかけ、睡眠時間も削って、休日も使った。
そんな、全ての 時間を削ってまで必死にやり遂げた仕事。
これなら、上司も認めてくれるだろう。
そう思っていた俺が馬鹿だったのかもしれない。
俺の作ったものを受け取った上司は一通り資料に目を通して暫く黙った。
やっと口を開いたかと思えば、たった一言。
『…君ならもっと出来ると思ってたんだけどなぁ』
『正直、期待外れだよ。』
その瞬間、俺の中で何かが切れた。
怒りでも悲しみでもなく、きっと俺の中で何かが崩れたのだろう。
その後は俺が何をしたのか、全く分からない。
気づいたら家にいて、気づいたらソファにいて、そんな何も考えられないような頭の中で、ただ1つ「もう、無理だ」とだけ、強く浮かんでいた。
そこからは、何もする気が起きなかった。
活動をしようと思っても何もする気が起きない。
会社も無断欠勤。
ずっとソファに寝っ転がって天井を眺めるだけ。
何も返信しなかったことに違和感を持ったのか、ないこから連絡が来てしまった。
でも、今は返信する気すら起きなかった。
ないこから連絡を未読無視して画面を閉じる。
その瞬間。
急に闇に引きずり込まれるような感覚がした。
申し訳ない。
ないこにも。
メンバーにも。
リスナーさんにも。
周りの人に沢山迷惑をかけてしまっている。
気付いたときには手にカッターがあった。
もうライブとかどうでも良い。
メンバーに会ったらどうとかも関係ない。
自分の気が済むまで自分の手を切り続ける。
そして俺はそのまま意識を手放した。
桃side
まろに電話した。
まろにLINEした。
それなのに一向に連絡がつかない。
心配になってまろの会社にも連絡した。
それでも帰ってきたのは、
「いふは体調不良で有休を取ってます。」
とだけだった。
連絡もつかないし、会社にも行っていない。
俺は焦って家を飛び出す。
今すぐまろの家に行かなければ後悔するような気がした。
まろの合鍵を使って勝手に家に入る。
まろの家の中は真っ暗で、静まりかえっていた。
一瞬家の中に入るか迷ったが、突然鉄のような匂いがした。
嫌な予感がして、リビングに入る。
そこにいたのは、腕を血だらけにしながら気を失っていたまろだった。
桃│…まろ?
桃│まろっ…!
聞こえる?
俺はまろに駆け寄りまろの名前を叫んだ。
それでも帰ってくる気配のない返事。
震える手でまろの首元に触れる。
脈はある。
桃│よかった…
安堵したのも束の間、すぐに救急車を呼んだ。
何一つ受け入れられていない状態で伝わるか不安だが、おそらく大丈夫だろう。
いつもなら
「大丈夫だってw」
と笑って返してくれるはずの相棒は何も言わない。
暗い空間に広がる静けさが、何よりも怖かった。
俺はそっとまろの手を握る。
まろの違和感に全く気付かなかった訳じゃない。
まろの『大丈夫』を信じていたわけじゃない。
それでも、すぐに行動が出来ずにまろにここまで無理してしまった自分に嫌気がさす。
もっと早くまろの家に来ていたら。
もっと早く行動していたら。
そんな後悔ばかりが頭をよぎる。
そんな負の思考に支配されそうだったとき、救急車のサイレンの音が近づいてきた。
青side
重たい瞼を、ゆっくりと開けると、見慣れない景色が広がっていた。
白い天井。
消毒液の匂い。
青│…病院か
身体を起こそうとした瞬間、包帯を巻かれた自分の腕が視界にうつる。
その瞬間、急に記憶が戻ってくる。
会社で上司に上司に言われた言葉。
何も考えられなくなったこと。
そして、リスカをして気を失ったこと。
最後の記憶は家だ。
それなのに今、病院にいる。
つまり、誰かが救急車を呼んだということ。
迷惑をかけてしまった。
リスカがばれてしまった。
その事実に焦り始めた瞬間病室のドアが開く音がした。
青│っ…
桃│…!
起きたんだ。
そこに居たのは目を見開いた相棒だった。
青│…おはよう
桃│ 無理そうだったら答えなくていいから。
…何があったの?
青│…ごめん。
桃│別に謝って欲しいんじゃない。
ただ単に、まろがそれをしてしまうまで追い詰められてた原因を知りたいだけ。
原因が分かれば一緒に解決法を考えられる。
でも、何も分からないと何も出来ない。
青│…
桃│…
俺さ、怖かった。
連絡がつかないのは、まろが寝てるだけだと思ってたから。
でも、リビング入ったらまろが倒れてて。
死んでるかと思った。
青│…
桃│…でも、
でも、俺は今、まろとこうして話せてる。
まろ。
生きててくれて、ありがとう。
ないこにそう言われた瞬間、視界が歪んだ。
青│っ俺、
声が震える。
青│俺、もうどうすればいいか分からなかった。
前まで頼られるのが嬉しかったはずなのに、どんどん苦しくなって。
どんなに頑張っても足りなくて。
誰の期待にも応えられなくて。
涙が頬を伝う。
青│っ俺が消えたら楽になるのかなって思って…
ないこはすぐに言葉を発さなかった。
ただ、俺のベッドの横まで歩いてきて俺のことを抱きしめた。
桃│…まろ
これからは独りで抱え込まないで。
苦しくなったら俺に電話かけて。
一言でもいいから俺にLINEして。
全然迷惑なんかじゃないから。
今回は俺がまろの家に行けた。
でも、誰も家に行けないときにまた同じような状況になったら…
次、本当にまろを失ってしまったら。
その時が1番嫌だ。
だから、いふが限界を迎えちゃいそうなときは、すぐに俺を頼って。
お願い。
ないこの温もりが伝わってくる。
俺は声を殺して泣いた。
止めようとしても止まらない。
ないこは何も言わず俺を抱き続ける。
励ましもしない。
急かしもしない。
怒りもしない。
ただ、俺に『独りじゃない』ということを教えてくれた。
俺は、それだけで十分だった。
コメント
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うわあ…読んでて胸がぎゅっとなったよ。青くんの「大丈夫」って言葉が、実は全然大丈夫じゃないサインだったんだね。上司からのプレッシャーに押し潰されそうになりながら、それでも頑張り続けた姿にこっちまで苦しくなった。 桃くんが「生きててくれてありがとう」って伝えたところ、本当に泣けたよ。ただ抱きしめて、急かさず責めずに「独りじゃない」って教えてくれる存在がいて良かった。この物語、一言一言が重くて温かいと思った。続きがすごく気になる…!