『──』
『──…』
「*…!」
『フリスク?…──誰だ? 』
「──やぁ、よくぞ地上へお戻りになられました。王様、女王様、並びに他のモンスター様方」
道化師じみた動作で頭を下げる。
『まぁ。あなた、私達の事を知っているの?』
『人間…のようだが…』
「存じております。妹がお世話になりました、…フリィ」
フリィ…フリスクが駆け寄ってきて、じっと見上げてくる。
「*…」
「あの子はまだかい?」
「*(コクリ。)」
「ということは落ちたのは短時間で俺の方が早く着いたのか…?
…迎えに行くか?」
「*(コクリ。…ベチッ)」
「いてっ。暫く休んだら治るから怒るなって…というか接続切ってるはずなのになんで気付くかなぁ…」
『どういう事情があるのかはわからないけれど、お兄さんを叩くのは良くないことよ』
「*……。」
『うっ、そんな悲しい顔をしないでちょうだい…』
『おまえの兄ちゃんもオレの兄ちゃんみたいな兄ちゃんなのか?』
『パピルス、それどういう意味だよ…』
『不真面目、ということではないか?』
…賑やかだなぁ……眩しいなぁ…
「ははっ、フリィは俺のために怒っただけですので、お気になさらないでください、…フリィ、あの子を迎えに行っておいで」
「*(コクリ)」
駆けていくフリスクの背を軽く見送った後、背後からトリエルの声が掛かる。
『…あなた、もしかしてあの子の中にいた…?』
『えっ』
「…何故? 」
『うふふ、母親の勘、というのかしらね』
「…かなわないなぁ…」
『…あなたも、お母さん、と…呼んでくれても良いのよ?』
「…さすがに俺は…」
『呼んでくれないの?』
「うっ…………と、トリエルお母さん…」
『まぁ!うふふ、ごめんなさいね、無理矢理呼ばせたみたいに…』
「いや…ではない、から…」
顔が熱い…生温かい視線を感じる…うぅ…
「あ、あの、俺…っ…」
不意に世界が回り始めた。
…いや、これは
『おい!? 』
『どうしたんだ!!』
「(まぁ、まだ調子は出ない、よなぁ…)」