テラーノベル
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紬、想に駆け寄って、
(紬)「佐倉くん」
(想)「(イヤホンを外して)ん?」
(紬)「·····」
(想)「·····」
(湊斗)「·····」
(紬)「(イヤホンを指さして)·····何聴いてんの?」
(湊斗)「(笑って小声で)お前が何聞いてんだよ」
(想)「これ? あ、じゃあ」
と、イヤホンを紬に渡す。
紬、少し躊躇ってから受け取って、イヤホンを付ける。
少し聴いて、知らない音楽で、
(紬)「あー·····はいはい。(作り笑いで)うんうん」
(想)「え、何それ、どういう?」
(紬)「良いよね。すごく良い。うんうん」
(想)「(知らないんだな、と察して笑い)·····知ってる?」
(紬)「(食い気味に)知ってる」
(想)「ほんとに、」
(紬)「(食い気味に)知ってる」
想、紬を見て笑う。
紬、照れくさくなって、視線をそらす。
(想)「今度CD貸すね」
と、紬の耳からイヤホンを外す。
紬、耳元の髪を直す。
(想)「青羽は? 何聴くの?」
(紬)「んー、言っても佐倉くんわかんないかもなー」
と、二人楽しそうに話す。
湊斗、二人を横目に見て教室を出て行く。
(紬 M)「今思うと、学校っていうのはすごい場所だった」
紬、真子と階段を降りてくる。
想、湊斗と階段を上がってくる。
(紬 M)「嫌でも週5で行く場所で」
踊り場ですれ違う二人。
想、階段の上から、下にいる紬に、
(想)「青羽」
(紬)「(見上げて)はい!」
(想)「(笑って)良い返事。取って」
と、iPodを落とす。
紬、両手でしっかりと受け取って、
(紬)「取った!」
(想)「新譜入ってる。貸す」
(紬)「借りる!」
笑顔の二人。
(紬 M)「嫌でも週5で、好きな人に会える場所だった」
2014年 10月
テスト期間中。
生徒たちが帰り始めている。
イヤホンを付けて教室を出て行く想。
(紬 )「·····」
紬、想の背中を目で追う。
(紬 M)「名前を呼びたくなる後ろ姿だった」
早足に教室を出て行く想。
(紬 M)「卒業まで、あと何回名前を呼べるだろ。このまま、友達のままだったら、あと何回だろ」
紬、名前を呼ばず想の近くまで駆け寄る。
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