テラーノベル
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想の真横まで来て、唐突に、
(紬)「好きです。付き合ってください」
想、聞こえなかった様子で、
(想)「(イヤホンを外して)ん? 何?」
(紬)「·····あ、何聴いてんの? って
、聞いたの」
二人、並んで歩き出し、
(想)「あぁ、スピッツ」
(紬)「お、スピッツ。知ってる。スピッツ、ほんとに知ってる。ほんとに好き」
(想)「うん、好き」
(紬)「あれ好き。ハチクロのやつ」
(想)「うん。俺も好き」
(紬)「ね」
(想)「うん」
(紬)「うん」
想、少し考えて、悩んでイヤホンのコードをいじってみたりして、
(想)「·····青羽」
(紬)「うん」
(想)「好き。付き合って」
(紬)「·····ん?」
(想)「(さっきよりハッキリと)好き。付き合って」
(紬)「あ、聞こえてます。聞こえたんだけど·····え?」
(想)「え、もっかい言う?」
(紬)「ううん、大丈夫·····言ってくれてもいいけど。あ、言っとく? 言う? どうぞ」
想、何も言わずに笑う。
(紬)「あ、ちょっと待って。録音·····録音するから(スマホを出して)·····ど、どうすればいいの、録音」
想、紬の様子を「おもしろいなぁ」と思って笑顔で見つめるだけ。
(紬)「·····これ、あれ? なんか答えるやつ?」
(想)「答えるやつ」
(紬)「なんて答えればいいの?」
(想)「それ、俺が決めていいの?」
(紬)「いいよ。決めていいよ」
(想)「あー、じゃあ、よろしくお願いします、じゃない? 」
(紬)「(食い気味に)よろしくお願いします」
(想)「(満面の笑みで)うん。わかった」
紬、照れて目をそらす。
髪を耳にかける。
想、それを見て、
(想)「ん」
と、自分のイヤホンを紬の耳に付ける。
(紬)「ん」
と、されるがままの紬。
音楽を再生して、iPodを紬のブレザーのポケットに入れる。
(紬)「(少し聞いて)·····あ、うん。これ。映画の、うん、好きなやつ(と照れ笑い)」
想、紬の手を握って歩き出す。
紬、されるがまま、手を繋いで歩く。
ベッドに寝込んで電話している紬。
(紬 M)「よく長電話をした」
手元のメモ帳を折り紙にしながら話す紬。
(紬)「えーじゃあその子絶対戸川くんのこと好きじゃん。協力してあげなよ」
電話越しに「お兄ーちゃん!」と声が聞こえて、
(想)「(恥ずかしそうに)あっ、ちょっと待って·····」
紬、笑いを堪えて、
(紬)「わかった。待ってる。お兄ちゃん」
(想の声)「やめて」
紬、ついニヤニヤしてしまう。
(紬 M)「時々、電話の奥から家族の声が聞こえるのが好きだった。 」
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