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#そのじん
はえさん
17
コメント
1件
読み終わりました!ツンデレ仁人くんとかまってちゃん勇斗くん、絶妙な距離感が可愛すぎますね。仁人が「嫌」って言いながらも最終的に撫でちゃうところ、口元だけで笑ってた描写、最高です。もう一回撫でての流れもほのぼのしました。二人の空気感が自然で、読んでてこっちまで頬が緩みました。続きも楽しみにしてますね🌷
「仁人ー」
「……」
「仁人」
「……」
「じんとー」
「聞こえてる」
「じゃあ返事してよ」
「今したじゃん」
楽屋の隅。
吉田仁人はソファに座って、イヤホンをしながらスマホを眺めていた。
その隣には、暇そうに仁人を見つめる佐野勇斗。
今日は朝からずっとこの調子だった。
「仁人ー、何見てるの?」
「スマホ」
「それは見たら分かる」
「じゃあ聞くな」
「冷たっ」
勇斗は仁人の顔を覗き込む。
「ねえ」
「なに」
「こっち見て」
「嫌」
即答だった。
「なんで!」
「なんとなく」
「俺、仁人に嫌われた?」
「嫌ってない」
「じゃあ見てよ」
「嫌」
「えー!」
勇斗が大げさにソファへ倒れ込む。
仁人は一切反応しない。
「……」
「……」
「仁人」
「なに」
「俺、今すごい寂しい」
「そう」
「もっと心配して?」
「大丈夫?」
「棒読み!」
「じゃあ元気?」
「そういうことじゃない!」
仁人は小さくため息をついた。
「なにしてほしいの?」
「仁人に構ってほしい」
「俺じゃなくてもいいだろ」
「仁人がいいの」
「意味分からん」
そう言って、仁人はまたスマホに視線を戻した。
勇斗はしばらく仁人を見つめた。
そして――。
「仁人」
「なに」
「仁人」
「なに」
「仁人」
「……」
「仁人」
「…………」
「仁人!」
「なんだよ!」
ついに仁人が顔を上げた。
勇斗は満面の笑み。
「やっと見た」
「お前……」
「構ってくれた」
「構ってない」
「今、俺のこと見た」
「うるさいから見ただけ」
「それでもいい!」
「……」
仁人は呆れたように目を細める。
「ほんと、今日どうしたの」
「だから、構ってほしいの」
「俺、忙しい」
「じゃあ何なら構ってくれる?」
「無理」
「ゲーム?」
「しない」
「お菓子?」
「いらない」
「話す?」
「今話してる」
「もっと!」
「嫌」
「写真撮る?」
「嫌」
「じゃあ――」
勇斗が少し考える。
「仁人の隣に座っていい?」
「もう座ってるだろ」
「もっと近く」
「嫌」
「なんで!」
「暑い」
「今日そんな暑くないじゃん」
「俺が暑い」
「……」
勇斗はしょんぼりする。
「そっか……」
仁人はスマホを見たまま。
勇斗は少し離れた場所へ移動した。
「……」
「……」
「……仁人」
「なに」
「やっぱり寂しい」
「かまって仁人ー」
「……」
勇斗は完全に拗ねた。
仁人はしばらく気にしていないふりをしていたが、やがてちらっと横を見る。
勇斗はソファの端で膝を抱えている。
「……」
仁人はスマホを置いた。
「勇斗」
「……なに」
「こっち来れば?」
「え?」
「さっき近くに座りたいって言ってたし」
勇斗の顔がぱっと明るくなる。
「いいの?」
「……一回だけ」
「やった!」
勇斗がすぐ隣へ戻ってくる。
「近い」
「仁人が来ていいって言った」
「言ったけど……」
「仁人!」
「なに」
「やっぱり優しい!」
「うるさい」
「さっきまで全然構ってくれなかったのに!」
「今も別に構ってない」
「構ってる!」
「構ってない」
「構ってる!」
「……」
仁人はしばらく勇斗を見たあと、仕方なさそうに頭を軽く撫でた。
「これで満足?」
勇斗は一瞬固まった。
そして、にこっと笑う。
「……うん」
「じゃあ静かにしといて」
「はーい」
数秒後。
「仁人」
「なに」
「もう一回」
「調子乗んな」
「お願い」
「……一回だけ」
ぽん。
「もう一回!」
「さっき一回って言っただろ」
「もう一回!」
「嫌」
「仁人ー!」
「うるさい!」
楽屋に勇斗の笑い声が響く。
仁人は呆れた顔をしていたけれど、その口元だけは少し笑っていた。
そして勇斗は、そんな仁人を見て満足そうに笑った。
「仁人、やっぱり優しいな」
「……そんなことない」
「ツンデレ」
「違う」
「絶対ツンデレ」
「黙れ」
「はい!」
そう言いながら勇斗は、嬉しそうに仁人の隣に座り続けていた。