テラーノベル
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口調注意。
誤字注意。
翌日。
「おはよー!」
いつものように元気な声を上げながら、こまが校門へ走ってくる。
けれど今日は、ののの様子が少し違った。
「……お、おはようございます」
「……なんで敬語!?」
顔を真っ赤にして目をそらすののに、こまは思わず笑ってしまう。
昨日、付き合い始めたばかり。
たったそれだけなのに、“いつもの距離”が急にわからなくなっていた。
二人は並んで歩き出す。
だけど。
「……」
「……」
気まずい。
今までなら普通に話せたのに、意識しすぎて何も言えない。
すると突然、こまが吹き出した。
「ぷっ……!」
「な、なんですか」
「いや、ののが静かなのいつも通りなのに、今日は“恋人だから静か”なの面白くて」
「……こま」
「はい」
「一回黙ってください」
「すみませんでした」
でも、そのやり取りだけで少し緊張がほどけた。
☆
昼休み。
ののは自分の席で本を読んでいたが、クラスの女子たちがざわついていることに気づく。
「ねえ見た? こまくん、また告白されてた!」
「しかも一年生!」
「モテすぎでしょ〜!」
その言葉に、ののの指先が止まった。
窓の外を見ると、廊下で女子に囲まれているこまの姿が見える。
明るくて、かっこよくて、誰とでも仲良くなれるこま。
自分とは正反対だ。
胸の奥が、少しだけ苦しくなる。
その時。
ガラッ!
教室の扉が開き、こまが入ってきた。
「ののー!」
周りの視線など気にせず、まっすぐののの席へ向かう。
「昼、一緒に食お!」
「……え」
クラスが静まり返る。
こまは全く気づいていない。
「購買でパンケーキ味のパンあったんだよ! 半分こしようぜ!」
「ちょ、声……!」
女子たちの視線が一斉に集まる。
ののは恥ずかしさで俯いた。
だが次の瞬間。
「……彼女、なので」
「へ?」
こまが固まる。
ののは顔を真っ赤にしながらも、小さな声で続けた。
「半分こ、します……」
数秒の沈黙。
そのあと。
「えっ!?!?!?!?」
教室が大爆発した。
☆
放課後。
「いやー、びっくりした!」
帰り道、こまはまだ顔を赤くしていた。
「まさかののから“彼女”発言してくれるとは……」
「……勢いです」
「でも超嬉しかった」
そう言って笑うこまに、ののは少し照れたように目を逸らす。
すると突然、こまが立ち止まった。
「のの」
「?」
「手、つなぐ?」
夕焼けの道。
ののの心臓が跳ねる。
「……こまくん、急です」
「嫌?」
「……嫌じゃ、ないです」
その返事を聞いたこまは、そっと手を差し出した。
ののはためらいながらも、小さな手を重ねる。
指先が触れた瞬間、二人とも同時に顔を赤くした。
「……あったかい」
こまが小さく笑う。
ののは俯いたまま、でも少しだけ手を握り返した。
「……離さないでくださいね」
「もちろん」
夕暮れの帰り道。
幼なじみだった二人は、少しずつ“恋人”になっていく。
ゆっくり、でも確かに。
コメント
5件
もうこの物語好きだわ…描くの頑張ってください!!
みぅだよ🤍🥀 第3話、読んだよ〜! ののちゃんの「彼女、なので」、マジで胸が熱くなった…! ああいう小さな勇気、尊すぎる。こまくんの明るさに押されて、ちょっとずつ自分を出していくののが本当に愛おしい。夕暮れの帰り道で手をつなぐシーン、静かな温かさが伝わってきて、読んでるこっちまでドキドキした。 逆叉さんの描く距離感、繊細で好きです。続きが気になる…🖤