イヤーチップにスイッチを入れた途端、コマの叫び声が聞こえる
コマ「アゲハちゃん、大丈夫!?やっぱり、ジンペイ君になんかされた!?!?」
ジンペイ「いや、だからコマ君酷……」
アゲハ「いや、なにかって何…?っていうか、聞いたんだけど
エマちゃん、なんのことかさっぱり分かってないんだよね……。
嘘をついてるようにも見えないし……」
アゲハは、エマの方をチラリと見ながらコマにそう報告する
マタロウ「殺されかけたとか言ってたけど」
フブキ「学園長の被害妄想?」
メラ「過保護すぎる親の異常愛」
マタロウとフブキに続いて、物騒な言葉で締めるメラ。
フブキ「どちらにせよ、エマさんが健康だとすれば、これはもう放っておけない!
アゲハちゃん、ジンペイ君、彼女をそこから連れ出して!」
アゲハ「わかった!」
フブキにそう言われ、アゲハは返事をする
アゲハはエマの手をそっと取った
アゲハ「エマちゃん、今すぐここを出よう!」
エマ「えっ?///」
手を握られながらまるで王子様のような台詞に、エマは少しばかり顔を赤くする
アゲハはエマの手を引っ張り、窓際まで連れていく
ジンペイ「螺旋階段は使えないから、ここから何とか脱出するしかない!」
さきに窓際まで来ていたジンペイは、下の方を覗き込み、そう言った
アゲハ「うん、でもどうやってここから出よう……?」
ジンペイ「確かに…。外は雷ゴロゴロ、稲妻ピカーッだもんなぁ……」
2人がうんうん唸ってると、アゲハのスカートのポケットがもぞもぞと動き、
モモのメダルが飛び出てきた
アゲハ「あ、そうだ。モモ君に任せてみよう!」
アゲハはガッテンポーズをすると、モモのメダルをウォッチにセットする
アゲハ「君の時間だよ!モモ君!」
ワーイ! カモンゴースト!
炎の様に燃え盛ったエネルギーがアゲハのウォッチから飛び出してくる
アゲハが腕を天高く突き上げると、妖気が部屋の中を飛び回り、
少ししてパッと弾けた!
中から、パッと手を開いてポーズを決めたモモが姿を現す
モモ「モモだよ♡」
死んで怨霊になった事で、何故か異様に大きくなったモモ
そんなモモを見て、思わず微笑んでしまうエマ
エマ「まあ、可愛い…♡」
モモ「お…お前もな…///」
可愛い女の子に褒められ、モモは照れながらそう言う
モモはハッとなると、羽をバタバタと上下に振りながら、ジンペイに訂正を入れた
モモ「ていうか、まずモモ、ネズミじゃなくてモモンガだから!」
ジンペイ「飛べるモモンガが落ちて死ぬ?」
ジンペイに痛いところを突かれ、モモは動揺する
モモ「エッ、あの時は、羽に傷を負っていたのねぃ;でも君達、良いヤツだから味方になるねぃ!」
アゲハ「飛べるモモンガが味方になるなんて、心強いなぁ。
…じゃあ、エマちゃん、乗ろっか!」
エマ「……えっ!?あ、はいっ!///」
アゲハの笑顔を見て、ポーッとしていたエマは、我に返って慌てて返事をした
アゲハ「よっ、と!」
アゲハは、先に外に出たモモの背中に飛び乗り、部屋にいるエマに向かって手を差し出す
エマもそんな紳士なアゲハに見惚れながら、その手を握る
この絵を見ると、どこぞの御伽話のワンシーンの様に見えてきた……
前からジンペイ、アゲハ、エマの順番でモモの背中に乗り、
乗ったことを確認したモモは、「モモ~ン!」と言いながら飛び立った
ジンペイ「うひょううううう!!」
アゲハ/エマ「「きゃあぁぁぁ!!」」
ジンペイとアゲハは、テンションマックスで叫ぶ
エマはモモから振り落とされないように、アゲハにしがみついた
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