⚠ご本人様とは一切の関係ございません
基本🟪視点のみ(🟨🟪)
学パロ
®️なし
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テスト終了のチャイムが鳴り、一斉に筆記用具を置く音が教室に響く
後ろからテスト用紙が回収れるのを待ちながら、ピンと張った意識を緩ませるために息を吐いた
テスト最終日、ようやく最後のテストが終了した。一番最後のテストが苦手教科で良かったと心底思う
回収と最終チェックが終わったらしく、号令がかけられる。教室が一気に賑やかになった。後はSHRのみ、午後は完全に自由なのがテスト時制のいい所だ
🟨「おつかれー、どうだった?」
🟪「一応解答欄は全部埋めた」
🟨「お、えらいじゃん、やっぱ俺のおかげ?」
🟪「まあ、…そうかも」
🟨「ほら、俺天才だからさ?」
どうだと言わんばかりのドヤ顔を見せつけられる。得意げに上がる口角と眼鏡をなおす仕草が妙に様になっていた
実際半分、いやそれ以上は彼のおかげと言ってもいいだろう
一番懸念していた授業については、何とかついて行くことが出来ていた。それでも初手から酷い点数を叩き出すのではないか、という不安は拭えなかった
けれど、初めの勉強会以降も通話なり対面なりで教えて貰っていたことが項を成したのか、全く理解もできないような問題はひとつもなかった。あとはニアミスがないことを祈るばかりだ
🟨「俺が教えたところは絶対合ってるから、自信持てって」
🟪「そこ以外俺あんま自信ないんだよな…間違ってる気しかしないわ」
🟨「まあまあ、一旦気にすんなって」
「とりあえずは終わった事だし?お疲れ様でいいんじゃないの?」
大きく伸びをしながら彼にそう言われ、一理あるなと思う。今日ぐらいは勉強のことを考えるのを辞めてもいいかもしれない
さて、空いた午後は何をしよう。買いに行けずじまいの新刊を買いに行こうか、それとも数週間ぶりにゲームをやりこんでみようか
担任が来る前の間、筆箱や教科書やらをしまいながら考えあぐねていると、きりやんに名前を呼ばれた
🟨「お前今日の午後用事ある?」
🟪「いや?別に何もないけど」
🟨「ならあそこ行かね?ほら、ちょっと前にリニューアルしたとこ」
「店色々入れ替わったらしいから気になるんだよね」
その複合施設は、普段俺と彼が別れる駅から数駅か離れた場所にある。 去年から改装工事が行われており、ついこの間リニューアルオープンしたらしい
🟨「何階か忘れたけど本屋入ってたんじゃなかったっけ」
「飯もそこで食えるだろうし、どう?」
🟪「…ああ、いいじゃん行こうぜ」
了承の声を口にすれば、嬉しそうにはにかまれる。たまにはこういうのもいいだろう、頑張った自分達へのご褒美だ
🟪「…そうだ、なかむ達も誘う?好きそうじゃん、ああいうとこ」
🟨「え!?えーっと……用事あるとか言ってた気がするなぁ」
🟪「あれ、そうだっけ」
🟨「っそうそう、なんか言ってた気がするわー」
どうせなら大人数の方が楽しいだろう、と思い提案したのだが、何故かしどろもどろに口を濁される。怪訝に思い首を傾げると、彼は慌てて言葉を続けた
🟨「…それにきんときとか部活だしさ、皆で行くなら全員揃った時にしない?」
🟪「お前がいいならいいけど、…なら俺じゃなくても良かったくね? 」
純粋な疑問を投げかける。ああいった施設に行くならば、俺ではなく別の友人の方が楽しいんじゃないか、なんて思ってしまう
彼は交友関係が広い。快く了解してくれる奴なんて沢山いるだろう
その旨を言えば、どういう訳か拗ねた様な顔で俺の鼻先に指を突き立ててきた
🟨「もーうるさいなぁ、今日ぐらい俺に付き合ってよ」
「俺はスマイルと行きたいって言ってんの!わかる?」
🟪「ぐっ……分かったからその言い方やめろ!」
口をとがらせて、まるで駄々っ子のようにこちらを見てくる。思わず胸がきゅうと音を立ててしまいそうだった
そんな顔されたら、断れるはずもないだろ
その顔と仕草はお前の好きな人にだけ見せてやれよ、という気持ちと、そいつも知らない顔を俺は今見ているんだ、という勝手な優越感がぐちゃぐちゃに入り交じる
頬にじわりと熱が溜まるのを誤魔化すように、突きつけられた指を払い除けた
「わかったならいいんだよ」なんて言われたものだから、とびきりのデコピンをお見舞いしてやった
・・・
🟨「─ねぇまだ痛いんだけど、お前にデコピンされたとこ」
🟪 「…お、外装もすっかり変わったんだな」
🟨「無視すんなよ…」
大袈裟に額を抑える彼を無視して施設内へ入る。リニューアルしただけあって、俺が来た時と全く様相が変わっていた
どちらも空腹を訴えたので、先に腹ごしらえをすることに決めた。 当然のごとく、どこに何があるかなんて知らない。フロアマップを見ながら数分悩んだ末、今いる階の奥にあるカフェレストランにすることに決めた
昼時で混雑していないかが心配だったが、幸いにもピーク時はすぎていたらしく、すんなりと入ることが出来た
店員に促され、店内奥側の席に着く。メニューを見てみると、今はサクランボとメロンを取り扱った期間限定フェアが開催されているようだった
せっかくだから、とチェリーコークを頼んでみることにする。さて、何を食べようか。初めて来る場所は料理の量感が分からない
食べ切れそうなものを探していると、反対側でメニューを閉じる音がした
🟪「…もう決まったのか?」
🟨「いやいや、スマイルが遅いんだってば」
「で、どれと悩んでんの」
🟪「どれ、って言うか…食い切れるかなって」
🟨「好きなの頼めばいいじゃん、残ったら俺食うし」
毎度このやり取りをしているような気がする。自分で頼んだものの、食べきれない確率の方が高いから、結局彼に任せることが多い
そう言われたのなら気になるものを頼もうと、開いているページに大きく表示されていたハンバーグオムライスに決める
決めたことを伝え、呼び出しボタンを押した。すぐに店員が来て注文を聞かれる。俺は先程決めたものを、彼はメロンクリームソーダとビーフシチューのセットを頼んでいた
注文を終え数分後、先にドリンクが到着した。俺が頼んだチェリーコークには勿論、彼のクリームソーダにも、バニラアイスの上にサクランボが乗っていた
サクランボを一旦避けて一口飲む。コーラ特有の味わいとサクランボの酸味が絶妙に噛み合っていてとても美味しい
普段出会わない味に関心を示していた時、ねぇ、と彼に話しかけられた
🟨 「知ってる?サクランボのヘタあるじゃん、あれを口の中で結ぶやつ」
彼の指には食べ終わったサクランボのヘタが摘まれていた
🟪「なにそれ、そんなこと出来んの?」
🟨「知らん、やれば分かるっしょ」
そう言ってヘタを口に放り込み、口内をモゴモゴさせている。段々表情が険しくなる様子が面白くて吹き出すと、彼に渋い顔をされた
🟨「…結構難しいんだからなこれ」
「まあ?どうせスマイルくんは出来ないでしょうけど?」
🟪「は?言ったなお前、いいよやってやろうじゃねえか」
そこまで煽られてやらない訳にはいかない。サクランボからヘタだけ取り、口の中に入れる。普通口に入れる、という発想にすら至らない物だからか、何となく違和感を感じた
まずは舌だけで挑戦してみる。案外難しいらしく、輪っかは出来たもののその先に進むことが出来ない。仕方が無いので先端を歯で軽く固定して再度試してみる
いけそうな気配がしたので何度か試してみたところ、結び目のようなものが口の中に生まれた気がした
だが如何せん口の中なので本当に成功したのか分からない。べ、と控えめに舌を出して彼の方を向いた
🟪「きりやん、れきてる?これ」
舌を出したまま話したせいで上手く呂律が回らない。聞こえていなかったのか、ぽかんとしている彼に再度聞き返してみる。しかし目を見開いたまま身動きひとつしない
その様子にしびれを切らし、多少行儀が悪いとはいえ、舌から摘みあげて自分で確認することにした
🟪「…なんだ、出来てんじゃん」
「見ました?きりやんさぁん、出来ちゃいましたけどぉ?」
得意げに彼に言い放つ。なんて気分がいいんだろう
悔しげな声でも聞こえてくるかと思ったが、彼は何故か眼鏡を外し、頭を抱えてこちらを見てくる
🟨「お前さぁ……」
🟪「な、なんだよ」
🟨「……今自分が何やったか分かってんの?」
🟪「何、って……」
何か彼の気に触るようなことをしただろうか。少し前の 行動を振り返ってみる
ヘタが結ばれているか見てもらおうとした。…顎を引いていたから、かすかに彼を見上げるような姿勢だったはず。……しかも、確認とるためとはいえ、、し、舌を
─そこで思考は完全に停止した。脳が焼き切れそうな程に熱い。羞恥のあまり椅子からずり落ちそうになるのを懸命に堪える
🟨「……わかった?」
🟪「言えよ、ばか……っ」
頭を抱えた二人の男は他の人にどう映るのだろう。絶望しているように見えるだろうか、いや、絶望しているのに変わりは無いのだが
よりによってこいつなのが余計に羞恥心を加速させる。仮にも想いを寄せる相手だ、あんなはしたない真似を、しかも目の前でしでかしたという事実が今更後悔として現れる
くそ、挑発に乗らなければこんな事にはならなかったのに
🟨「…スマイル、サクランボより真っ赤だね?」
🟪「…!?み、見るなぁ…っ!」
指摘されたことで一気に熱が増す。 耳なんてまるで燃えているみたいだ
一時的な興奮状態のせいか涙腺がかすかに緩み、目に薄い涙の膜を張っていた
🟨「……その顔さ、あんま他の奴の前でしないでよね?」
🟪「っする訳ねぇだろ!大体、なんでそんなこと聞くんだよ!?」
🟨「何でって…そりゃあ見られたくないからに決まってるじゃん」
「俺だけでいいよ、その顔知ってるの」
─それは、どういう意味なんだよ
口をついて出そうになるのを懸命にこらえる
親しい友人として、か。それとも、俺の期待するように捉えてもいいのか
当然前者に決まっている。何度も言っているだろう。あいつの一目惚れは俺じゃない、俺なわけが無い
頬杖をついて、からかうような笑みを見せる彼を直視することが出来ず、よく分からない方向を眺めた。今目を合わせれば、全てこぼしてしまうだろうから
お冷を一気に飲み干す。キンと冷たい水が火照る体に心地よかった
彼の方を向いてべぇ、と舌を出した後に言葉を続ける
🟪「……お前にだって二度と見せねぇよ 」
続く
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有り得ん長くてすみません…
コメント
2件
朝から見れて幸せでごさいます...()
長いの嬉しいです! 尊い...これからも楽しみです!