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日が昇るころ、2人は言葉もなく並んで歩いた。
「……前の世界では、私はあなたを監禁した。愛が歪んで、壊れていって、最後は……殺したんだよね……。」
『そう。でも……それでも、俺は美咲さんが好きだった。苦しくて、狂っていて、それでも“本気”だったんだ。』
敬太は、凛の手を優しく握る。
『だから今度は、絶対に壊したくない。ちゃんと好きになって、ちゃんと愛して、ちゃんと生きたい……。』
凛の瞳が潤む。
「うん。もう、鍵なんていらない。もう、あなたを閉じ込めたりしない。ずっと、隣にいたいだけだから……。」
ふたりの額がそっと触れ合う。
前世では果たせなかった”純粋な愛”……
今、ようやくその扉が開かれた。