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Mechanical

2 - 第2話

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2022年06月15日

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火薬の強い匂いと、鉄の焼ける独特の匂いが混ざり合い、不釣り合い甚だしい匂いが鼻孔を突く。

爆発による音と人々の悲鳴で耳が張り裂けそうになるが

「黙れ」一言放つと周りは静寂に包まれる。

泣いていたり、助けを求めたりとした本能が一瞬にしてなくなったのだ。死にたくないから。

だがだめである。死んでもらう。自分の目的が何か?金でもなければ脅迫でもない。

ただ人間と呼べるモノを壊すだけである。

全てを。人が行った愚行それは機械式を開発し、それを戦争に使う。燃料として石油などのものを使い果たし、木を燃やし始める。

実に人間らしく、面白くも笑えない出来事だった。

時刻は20:59外は暗く、そろそろサイレンの音が聞こえてくるようだ。

銃を取り出す。ごく普通の8ミリである。マガジンをしっかりとはめ込み、名称など知らないような場所を引く。引き金に指をかける。

瞬間、悲鳴が耳をつく。それとは裏腹に天井に銃弾を打ち込む。

すると銃弾は破裂したかのように弾け飛び中から特有の匂いがする。

この特殊銃弾の中には部屋が2つあり、発射してから銃弾が着弾する間に衝撃で二つの部屋を隔てる壁が破れそれぞれに入っている薬品が混ざり合う。

メタンガスが発生。元々燃えていたためすぐに引火。自分は等に逃げている。

後ろで今までいたホテルの一階部分の吹っ飛ぶ音が聞こえる。と共にサイレンの音も聞こえる。逃げなければならない。そう判断してから、すぐにスーツケースを持って走る。

中には資料、特殊銃弾、カメラといろいろなものが詰め込まれている。

ガスマスクをしていて視界が悪く数回つまづきながら帰宅。

山奥の今の時代にそぐわない木造建築。

遅いので寝る。泥のように眠る自分。悲鳴を聞きすぎて頭おかしくなりそうだが、そっとこらえて、自分がやるしかないと、そう自分で自分にいいかけることしか出来ない。

翌日、街に出た。街に出ないとデバイスが使えないからだ。

昨日のホテルは一階部分をふっとばしたので完全に倒壊、死者数は1000にも登るような大災害であった。自分としては大仕事かましてやった、という気持ちであるが、生存者の証言で自分のことも報道されている。

あまり良い結果ではなかった。

街の喧騒に嫌悪を感じながら歩いて家に向かう。学生もよく通る。社会人も通る。その中に機械式が紛れているか、自分で判断することは、極めて無理に等しい。

「どちらも壊すことに変わりはないが。」

地球のために偽善にもなりきれないテロを行う自分には、これを言って自分を正当化するしか自分にはできないと、自分でも分かっている。戦争を繰り返し廃れきった世界とこの日本で行われる大量無差別殺人テロ。それが僕のやろうとしていることだ。だって、全人類殺すのが僕の役目であると思ってしまっているんだから。

これはテロで、正義じゃない。きっと誰も賛同してくれない。そんなことをしようとしている。そんな物語だ。

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